2018年05月

【STEP Info】春爛漫!東京も新緑が眩しいです♪

温かい日が増えてきましたね!

日によっての気温の差が大きな時期でもあります。

皆さんもどうぞ体調を崩さないように気をつけてください。

東京のスタジオでは先週、制作部の事務所の内側のガラスの清掃を業者さんにして頂きました。

ビルの外側は毎月お願いしているのですが、ビルの内側は荷物や棚などを一旦移動しなければならず朝からスタッフの皆で協力して荷物の大移動をしました。

綺麗になった窓からは道路沿いの街路樹の新緑がより美しく見えて、とても清々しい気分で仕事が出来るようになりました。

それではメールマガジンのスタートです。

【Shop in Azabu】DALIAN 大連餃子基地 麻布十番店

今回ご紹介するのは、こちら!

地下鉄南北線麻布十番駅の1番出口から出てすぐ右に入り、

2本目の路地を左に曲がると右手に見えてきます。

「DALIAN~大連餃子基地~」さんです!

 

過去の記事で見かけた方もいらっしゃるかもしれませんが、

過去の記事には載っていない、とても魅力的なメニューをご紹介いたします!

テラスがあり、おしゃれな雰囲気でいいですよね~!

 

     

沢山メニューがあり迷いますね~。

とてもおいしそうなので、全メニュー制覇したいです!

 

今回私が頂いたのは、こちら!

焼餃子セット!

私はこんな餃子初めて見ました。

羽が一枚ではなく、網目状になっているんですね~

食感は想像以上にぱりぱりで、ほんのりこんがりおいしく、少し甘みがありました。

そして、主役の餃子はとてもジューシー!

でも、全くしつこさはなく最後までおいしくいただきました。

一度食べたら、また食べたなる。そんな味でした。

 

そして、こちらは一緒にお店に行った、スタッフが注文しました、 

水餃子セット!!

+100円でご飯をミニチャーハンに変更できるとのことだったので

こちらは、ミニチャーハンにしたようです!

水餃子をひとつもらいましたが、

一口で食べないと飛ぶ危険性があるくらい肉汁たっぷりでした。

焼餃子も水餃子もとてもおいしかったです!

 

そして、このお店で一番といってもいいほど衝撃をうけたのは...

こちらの杏仁豆腐です!!

好き嫌いが分かれやすい杏仁豆腐ですが、

これを嫌いだという人はいないのではないかと思うくらい

魅力的な味でした。

とろっとしていて、まろやかな甘みでとてもおいしかったです。

 

今回このお店に行くのは2度目なので、

前回行った時の写真も載せておきますね。

油淋鶏セット

皮はパリパリで甘いたれが食欲をそそります。

 

麻婆豆腐セット

今回同様一緒に行ったスタッフが注文したメニュー。

とても辛そうでしたが、おいしいと完食していました!

 

ステップ東京オフィス・麻布スタジオにお越しの際は、

是非是非、お立ち寄ってみてはいかがでしょうか!

 

【DALIAN~大連餃子基地~】


[住所] 東京都港区麻布十番3-6-2 NS麻布十番ビル1F
[TEL] 050-5265-5331
[営業時間]月~日・祝日
11:00~24:00(L.O.23:00)
※テラス席は21:30L.O. 22:00 close 
ランチ 11:00~15:00(L.O.15:00)
[定休日] 12月31日、元日

 

(ムライ)

【MUSIC】黒豆ロックフェスティバル&いつまでも世界は…

メディアコミュニケーション部の橋本です!

暖かくなってきて、音楽・食などなど各地で様々なフェスが開催されております。
そんな中、私がお手伝いしているイベントをご紹介!

京都府のど真ん中、京丹波町・グリーンランドみずほで開催されている
黒豆ロックフェスティバル」。
今年で7回目を迎えます!

このイベントは、京丹波町で「自然」と「食」、
そして「音楽」を楽しもう・・・という主旨のもと
若い人向けだけではなく、大人の方々、そしてお子様からおじいちゃん、おばあちゃんまで
いろんな世代を交えてご家族で楽しんでいただけるような音楽イベントです。

京丹波町の「みどり溢れる自然」、そこで培われた「食文化」や「空気感」、
そして何より「人のやわらかさ、おおらかさ」、京都市内はもちろん、
その他の地域に方々に認知して頂けるよう
ボランティアスタッフのみなさんと一緒に頑張っております。

この黒豆ロックの中心人物は、FM京都・ABCラジオのパーソナリティ「しもぐち☆雅充」
そして、京都屈指のギタリストであり、FM京都DJの「後藤晃宏」、
さらにFM OH、FM京都など関西のラジオを牽引する「谷口キヨコ」。

この3人のバンドはもちろん、関西を中心に活動しているバンド、ミュージシャン
そして、仲の良いDJさんなどに来ていただき、
食と音楽、TALKで、お客さんの1日を演出!!
天気が良ければ、最高の1日になること間違いなしですー♪

今年の出演者は、花*花、LOVE LOVE LOVE、ベベチオをはじめ・・・→→こちら

是非、心の片隅に小さく・・・いや、大きくメモをお願いします!!

そして、毎年同じ日になってしまう音楽イベントが・・・
こちらは、後輩ディレクター杉本からご紹介させていただきます。

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橋本先輩よりバトンを引き継がせていただきます、杉本です。
私が紹介させていただくのは、同じく5月27日(日)に京都市内で開催される
いつまでも世界は…第七回」です。

このイベントは京都の街を使ったライブサーキットで、
タイトル通り、今年で七回目の開催となります。
このイベントを主催するのは「ザ・シックスブリッツ」というロックバンド。
そのフロントマンの「西島衛」という人物が中心となって開催。

東は木屋町、西は新町、三条から四条界隈までぐるっと巻き込んで、
ライブハウス、飲食店、クラブなど様々な場所、全27会場でライブが行われます。

出演者は、ザ・シックスブリッツをはじめ、
京都のみならず全国区で活躍するバンド・ミュージシャンから、
地元・京都で活動を行うアーティストまで全140組以上が出演。
1日を通して、京都市内中心部のあちこちで音楽が鳴り響くイベントです。

音楽はもちろんですが、様々なお店でライブが行われると言うことで、
初めて足を踏み入れる場所、お店の出会いなどもあり、
興味、活動の幅が広がる1日になると思います。

27会場の中には無料で入ることができる場所もありますし、
ミュージシャンやオーガナイザー、レーベルが、
1日イベントをプロデュースするという会場もあります。

キッズスペース、お子さんの一時預かりとなる場所もあり、
しかも高校生以下は、学生証を持参すると無料で参加できるなど、
幅広い層に1日音楽を楽しんでもらえるよう、毎年様々な取り組みが行われています。

野外でノビノビ音楽を楽しみたい方は「黒豆ロック」へ、
街なかで様々な音楽に出会いたい方は「いつまでも世界は…」へ。
5月27日は、各地で音楽が鳴り響く「京都」へぜひお越しください!!

【After Word】 5月

5月に入ると日差しの中に初夏のにおいが混じってきますね。

 

「目に青葉、山ホトトギス、初ガツオ」、

これは江戸時代の俳人・山口素堂の有名な句。

粋を重んじる江戸庶民がこの季節に好んだものを並べて詠んだものです。

 

新しい葉がぴかぴかと輝き出し、山ではホトトギスが鳴き、

初物のカツオを、高くても盛りの前に食すのが粋の極み!

とばかりに人々が食卓にのせていく。

何百年も前から、この時期は、皆が活気を帯び、生命力が溢れる季節なのでしょう。

 

ここで、ちょっと気になったのが、ホトトギスの鳴き声。

ホトトギスって、どんな鳴き声?

「ホーホケキョ」、、、、、、

それはウグイス。

 

ホトトギスはというと、、、

「キョ、キョキョキョ」や「テッペンカケタカ」

「クワ、クェ、クワクワ」や「特許許可局」、、、など

その鳴き声にはいろんな表現があるようなのですが、、、、。

ここは私もステップの一員!正確無比に表現せねばと聞いてみました。

https://www.youtube.com/watch?v=JyEYApCY-dM

んん~、「ホト、、、トギスよっ!」にしか聞こえない。。。

まだまだ私の精進は続くようです。

 

もちろんステップのスタッフは「ええ耳」の持ち主ばかり。

皆さまからのご用命お待ちしております。

 

5月は新しい芽吹きの季節!目も耳も口も新鮮にして溌剌にまいりましょう!

 

    (フクイ)

 

次の配信は6月上旬の予定です。

 

お問い合わせ、配信停止希望はコチラ>>!!

 

【I Love NY】月刊紐育音楽通信 May 2018

天候的には中々春らしくならないニューヨークですし、気温の変化は激しく、そもそも日本に比べて四季のバランスが偏っている(つまり、夏と冬が長く、春と秋は短い)ニューヨークですので、ワシントンDCのみならず、近年は益々ニューヨークでも春の風物詩の一つとなりつつある桜の花見も、満開の期間は僅かであり、またタイミングも読みにくいため、今一つ注目度や盛り上がりに欠けるものがあります。

 とは言え、春の兆しを感じれば、多少肌寒くても薄着で我慢しながら(?)日光浴をするのがニューヨーカーとも言えますし、ニューヨーク市内の公園は週末のみならず、平日の日中も人で溢れています。

 マンハッタンを代表する公園と言えばセントラル・パークですが、広さは圧倒的に小さくはなりますが、ミッドタウンのド真ん中に位置するブライアント・パークは、実はセントラル・パークよりも歴史の古い公園です。四方を摩天楼に囲まれた公園内にある広場は冬場はスケート・リンクとなり、冬場以外は映画、ミュージカル、クラシック音楽のコンサート、ジャズ演奏なども行われ、周辺に居住・勤務するニューヨーカー達がランチや趣味など思い思いにくつろぐ憩いの場であるわけですが、この公園に隣接した名所にニューヨーク公共図書館があります(市内に数多くある市立・公立図書館とは別の独立法人による私立図書館です)。

 ここは正面玄関前の2頭のライオン像とその建築様式(ボザール建築)で有名で、膨大な蔵書自体に関しては一般的にはそれほどの関心度はありませんが、実はこの図書館内には「くまのプーさん」のオリジナルの人形達という意外な展示物があります。

 「くまのプーさん」は、作者A.A.ミルンが自分の息子クリストファー・ロビンと息子が大事にしていた人形達を主人公に仕立てたファンタジー・ストーリーであることはよく知られていますが、その息子が実際に所有していた人形達が、この図書館に保管されているのです。保管・展示と言っても大袈裟なものではなく、地下にある子供の蔵書&読書スペースの一角に、プーさん、コブタくん、ティガー、イーヨ、カンガ達が仲良く並んでガラス・ケースの中に収まっているだけです。しかし、これは私を含め、「くまのプーさん」で育ったような“プーさんファン”にはたまらない展示物であると言えますし、すっかり擦り切れてボロボロになった“本物のキャラ達”と対面できるのは何とも感慨深く、心癒されるものがあります。

 

 

 

トピック1:タイムズ・スクエアの名物ライヴ・ハウス「B.B.Kings」閉店

 

 ライヴ・ハウスの閉店は、ニューヨーク特にマンハッタンにおいては珍しいことでも驚くべきことでもありません。何しろ家賃は常に目を見張るほど高騰し続けているわけですから、マンハッタンでは大型CDショップは消滅し、本屋も風前の灯となり、人気レストランでさえも一寸先は闇と言っても良い情況であるわけです。

 ダンス・ミュージックやクラブが若者カルチャーの主流となり、音楽鑑賞自体もダウンロードやストリーミングが主流となることによって、ライヴ・ミュージックは益々退潮の一途を辿っていきましたが、それでも中高年齢層や観光客をうまく取り込んだミュージック・クラブは何とか生き残っていると言えました。

 

 そうした中で最近、ライヴ・ミュージック自体が活性化とまではいきませんが、少しずつ復調の兆しも見せてきていたことは事実でした。それなのに、“中高年齢層や観光客をうまく取り込んだミュージック・クラブ”の典型とも言える名物人気ライヴ・ハウス「B.B.Kings」の閉店は、音楽関係者の間でも少なからずショックを与えています。

 「B.B.Kings」はタイムズ・スクエアは42丁目のど真ん中にあるという最高の立地条件と、懐メロ系音楽&バンドをラインナップの中心にしつつ、新進・中堅・隠れた実力派アーティストなどのコアな音楽ファン向けのブッキングも取り入れ、また観光客を惹きつける企画、という多角的なアプローチで常に満員状態であったべニューでした。もちろん場所が場所ですので、以前から家賃高騰で移転・閉店の噂はありましたが、それでも「なんとか維持できるだろう」と楽観視もされていました。それが遂に不安が現実となってしまったというわけです。

 

 私自身もこれまで観客としてはもちろんのこと、プロデュースやマネージメントしていたアーティストが何度か出演し、長きに渡ってその表も裏も体験してきただけに、今回の閉店には何とも寂しい思いがあります。

 しかも、全ての料金がニューヨーク(マンハッタン)の中でもダントツに高いタイムズ・スクエアにあって、「B.B.Kings」のミュージック・チャージは大半が$50前後という良心的と言えるものでした。ウェイターやウェイトレスを始めとする従業員の数も決して少なくは無く、待たされることが当たり前のニューヨークにおいても、そのサービスは決して悪くはありませんでした。しかし考えてみれば、こうしたクオリティの維持も、残念ながら今の不動産状況から考えれば、あまり現実に即した合理的・経済的なものとは言えなかったのかもしれません。

 偉大なるその店名の主であるB.B.キングは既に3年前にこの世を去りましたが、B.B.に次ぐ伝説的な巨匠ブルース・ギタリストと言えるバディ・ガイが「B.B.Kings」の最後のステージを飾ることになりました。

 

 

トピック2:音楽もの・アーティストものが目白押しのミュージカル

 

 アメリカ3大ネットワークのテレビ局が、1日1回限りのスタジオ・“ライブ”・ミュージカルの放映を始めたことは、以前にもお話しましたが、その後も、この試みは続いており、今年はイースター(キリスト教におけるイエス・キリストの復活祭)の日となった4月1日の夜に「ジーザス・クライスト・スーパースター」が上演・放映されました。

 このミュージカルは、基本的に音楽を伴わない台詞のみというのは無く、歌(音楽)が全てという、ミュージカル史上最も音楽的なミュージカルとも言えますし、1971年の初演前にまずは音楽のみのレコード版が発売され、ディープ・パープルのイアン・ギランがイエス役を務めたことも当時大きな話題となりました。

 

 ストーリーはイエスと彼を裏切ったユダの愛憎劇を中心としたイエスの最後の7日間をテーマにしたものですが、イエスの7日間の生涯というよりも、主役はユダとも言えるほど彼の存在感が圧倒的で、苦悩するイエスと共に、ユダのイエスに対する批判や失望という新解釈が加えられたため、初演から常に保守・原理主義的なキリスト教徒やユダヤ教徒の間では批判や抗議行動が起こってきた問題のミュージカルと言えます。

 今回のテレビ・ミュージカル版では更に、非白人がイエス・キリストやユダを始めとする使徒達を演じる快挙となったため、それも更に論争を巻き起すことにもなりました。しかもトランプ政権下で政治的にも宗教的にも偏った保守右派が再び台頭している今のご時勢ですから、何とも残念な批判酷評(というか誹謗中傷)もいろいろとあり、有名人・著名人・一部のメディアも含めて「黒人のイエスや刺青をした使徒などは受け入れられない(観るに耐えない)」といった声も上がり、それらには白人至上主義者のみならず多くの保守派キリスト教徒達から賛同・賞賛の声も上がるなど、相変わらずの分裂・対立ぶりも見せています。

 

 主演は既にグラミー賞10冠に輝き、実力的には圧倒的な評価を受けているジョン・レジェンド。彼はマーティン・ルーサー・キングJrに率いられたアラバマ州セルマからモンゴメリーへの行進(いわゆる「血の日曜日事件」)をテーマにした映画「グローリー/明日への行進」の主題歌でアカデミー賞を、そしてプロデューサーを務めた舞台「Jitney」でトニー賞を受賞していますので、もしも今回のミュージカルでエミー賞を受賞すれば、何とショービジネス界の4大アワードを制覇することになります。

 出演者は他にも中々豪華且つ興味深く、ヘロデ王には、アリス・クーパー。イスカリオテのユダには、これまで数回トニー賞にもノミネートされている若手実力派のブランドン・ヴィクター・ディクソン。マグダラのマリアには、これまで数回グラミー賞にノミネートされている若手実力派シンガー・ソングライターのサラ・バレリスが本格的なミュージカル初挑戦となりました。

 レジェントの熱演とアリス・クーパーの“怪演”は大きな賞賛を受けましたが、特に最近、歴史的にも宗教的にも、そして女性の権利運動が盛んな今の世相的にも益々再評価が高まっているマグダラのマリアを見事に演じ表現したバレリスは、今後益々注目の存在となりそうです。

 

 そうした中で、テレビ業界のみならず本家ミュージカル界でも音楽系・音楽アーティスト系の新作プログラムが続々と登場してきました。中でもドナ・サマーとシェールのミュージカルは今年一番の話題作とも言えそうな勢いです。

 この二人はどちらもアメリカのポピュラー音楽を代表するアイコン的なクイーンでありディーヴァであると言えますし、しかもどちらも声の存在感は圧倒的です。地声の凄さではアレサ・フランクリンやチャカ・カーンも敵わないと言われるドナ・サマー(ドナ本人は子供時代、自分の声は警察のサイレンみたいで嫌いだったそうですが)。見た目のインパクトに圧倒されがちですが、実はドスの効いた凄みのある声も誰にも真似のできないシェール。文字通り唯一無二のクイーン/ディーヴァと言える2人のミュージカル作品は今、アメリカの音楽業界においても大変話題となっています。

 

 ドナ・サマーは言わずと知れたディスコ・クイーン。シェールも98年に世界的な大ヒットとなった「Believe」ではグラミー賞の最優秀ダンス・レコーディング賞も受賞し、新しいタイプのディスコ・クイーンとしても君臨するようになったと言えます。どちらも強烈なパブリック・イメージを持ちながらも、それらに縛られること無く、素のまま地のままに生きてきた力強い女性達ですし、それぞれに様々な葛藤を乗り越えてきた人間であるのも興味深い点です。

 

 ボストン生まれで黒人教会育ちのドナは、10歳の時に通っていた黒人教会で歌い始めたのがきっかけという、黒人シンガーとしては典型的なパターンとも言えますが、プロとしてはミュージカル「ヘアー」のドイツ公演に参加後約8年間ドイツを拠点に活動し(故にドイツ語堪能)、最初の夫はオーストリア人で、その死去まで良きパートナーであった再婚の夫も白人(ドナと共演活動も行っていたニューヨークのバンド、Brooklyn Dreamsのメンバー)ということで、その後の活動や私生活は“典型的”とは言えない興味深い点が多々あります。

 “ディスコ・クイーン、ドナ”は、ドイツ時代に出会ったジョルジオ・モロダーによってビジネス的・プロダクション的に作り上げられたものですが、ドナとモロダーの関係には一つの理想的なシンガーとプロデューサーの関係を見ることもできます。それはアイディア・戦略だけではない本当の意味での共同制作と良い信頼関係とも言えます。

 ドナは単なるシンガーではなく、優れたソングライターでもあり、彼女のヒット曲の多くは実は彼女自身の作品でした。ちなみに、ドナ自作自演の代表曲の一つに彼女のメジャー・デビュー曲となった「Love To Love You Baby(愛の誘惑)」がありますが、曲中で囁くような歌声と共に喘ぎ悶え続け、23回のオルガスムが訪れる(どうやって数えたのか…)とも言われたこの曲は、元々他のシンガーのためのデモ曲としてドナがレコーディングしたものが、結局ドナ自身の作品として発売されることになり、しかもそれによってセックス・シンボル的なレッテルまで貼られることになりました。敬虔なクリスチャンであるドナは、そのことに罪悪感を感じ、ある時期から約25年間、この曲を自分のコンサートでは取り上げないという“封印”を行ったわけですが、これにはドナ自身の長年に渡る葛藤があったと言えます。

 そんなドナのドイツからの“出戻りアメリカン・ドリーム人生”を、3人のドナが登場して歌い踊るという新ミュージカル「Summer」は、昨年11月にサンディエゴでプレミア公演が行われ、いよいよ4月からニューヨーク・デビューとなります。

 

 一方のシェールは、60年代からソロ活動をスタートさせていますが、10台からのデビューでしたので、実は年齢はドナよりも2歳上なだけです。

 ネイティヴ・アメリカン、ドイツ系、アイルランド系、アルメニア系の血が流れ、実にエキゾチックな顔立ちのシェールはソニー・ボノとのコンビで60年代後半には次々と大ヒット曲を連発し、70年代前半はTV番組「ソニー&シェール・ショー」で更に爆発的な人気を得ていきました。しかし、この栄光の時代は、マス・メディアの中心にあって極めてパブリック・イメージが重視され、またそれに束縛された点で、シェールにとっては本領を発揮できない葛藤の時期でもあったようです。よって、ソニーとの離婚・独立以降が、いよいよシェールの本領発揮となる真の“女王誕生ストーリー”とも言えます。

 とは言え、ボノとの離婚後のシェールの人生は正に波乱万丈と言えるものでした。先日亡くなったサザン・ロックの帝王とも言えるグレッグ・オールマンとの再婚は大変話題にはなりましたが、シェールのみによるTVショーやソロ・アルバムの商業的不成功と、常に各方面からの批判にさらされてきました。

 それらをはねのけながら、また浮き静みしながらも、何度も何度もカムバックを果たしてはヒット曲を出したり、ある意味音楽界以上に映画界において評価・成功を勝ち得たり、といった不屈の精神力と活動が、現在のシェールに対する(特に女性から)圧倒的な人気・支持になっていると言えます。

 しかも、アーティストとしての活動以外にも、戦没者や退役軍人達、難病の子供達、AIDS患者や犠牲者に対する基金の設立・運営、LGBTQの権利活動や最近ではトランプとその政権に対する激しい批判など、慈善運動や権利活動家としての側面も、彼女の人間的魅力を一層強めています。

 そんなシェールの伝記ミュージカル「The Sher Show」は、まずはシカゴにて6月中旬から1ヶ月開演され、その後いよいよ11月にニューヨークにやってきます。