【MUSIC】Gully Boyとインドのヒップホップ
メディアコミュニケーション部の江渕です。
前回は88 Risingというレーベルとアジアのヒップホップについて寄稿しました。
今回はある映画から知ったインドの
ヒップホップアーティストについて書かせていただきます。
10月、「ガリーボーイ」というインド映画が日本で公開されました。
インド映画と言うと「ムトゥ踊るマハラジャ」に代表される
歌って踊るボリウッド作品を連想される方も多いかと思いますが、
この「ガリーボーイ」の題材はヒップホップ。
「ガリー=Gully」とは路地裏の事で、インドはムンバイにあるスラムで暮らす青年が
ラッパーとして成り上がるサクセスストーリーです。
プロデューサーはあのNAS、
インド社会が抱える格差、宗教的差別なども描き、
インド版「8 Mile」と高い評価を得ています。
インド版「8 Mile」と呼ばれたのにはその題材、サクセスストーリー以外にも
実在のインド人ラッパーの半生を描いた点も理由に挙げられます。
モデルとなったのは二人のインド人ラッパー、NaezyとDevineです。
まずは主人公にラップを教えるMCシェールのモデルとなったDevineの曲を。
Yeh mera Bombay。
インドの伝統音楽を取り入れたビートと上物に
ヒンディー語(恐らく)のラップは衝撃的なカッコよさ。
MVもインドの下町が舞台となっていて、そこに暮らす様々な人が登場します。
まさに「Gully」、路地裏のラップです。
続いて主人公、ムラドのモデル、Naezy。
Devineの曲、Mere Gully Meinにフィーチャーされています。
Yeh mera Bombayと同じ様にDevineと共にスラムを舞台に暴れまわるMVです。
そして、Naezyがブレイクしたのは2014年のこの曲でした。
彼はこの曲を、iPadだけで作り上げました。
iPadでビートをダウンロードし、そこにラップを乗せ、さらに近所でこのMVを撮影。
You Tubeで「凄いラッパーがいる」とたちまち話題になったそうです。
Devine、Naezy、Nasがコラボした曲もありました。
「ガリーボーイ」の為に作成したようです。
そして、こちらは「ガリーボーイ」のサントラにも収められている曲、India 91。
91というのはインドの国番号だそうです。
インドラッパーオールスター的な曲でワクワクします。
(ほぼ誰かはわからないのですが…)
「ガリーボーイ」周辺をネットで探すだけでも
これだけかっこいい曲が見つかるインドのヒップホップ。
映画のヒットと共に世界的ブームが巻き起こる可能性もあるのではないでしょうか?
他にも気になるアーティストが山盛りでしたので、
機会があればまたインドのヒップホップアーティストを紹介できればと思います。
ちなみにインドのラッパーというとバングラビートの伝道師、
Jay-Zをフィーチャリングゲストに迎えた「Beware of the Boys」がヒットした
Panjabi MCを思い浮かべる方は30代以上ではないでしょうか(笑)
こちらはJay-Zが参加していないオリジナルVer、「Mundian To Bach Ke」。
(江渕)
記事一覧