【STEP INFO】令和2年のスタート

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
 
いよいよ今年はオリンピックイヤーですね。
第32回オリンピック競技大会は7月24日から8月9日までで33競技、
東京2020パラピンピック競技大会は8月25日から9月6日までで22競技が
行われます。

思い起こせば、2013年9月8日、当時のIOC会長ジャック・ロゲ氏が
手元のカードをくるりと返し、「ト-キョ」と開催都市を発表したのが
もう遠い昔のことのよう…?いやいやまるで昨日のことのよう…?
いずれにしても新年を迎え、改めて時代がどんどん進んでいくことを
感じずにはいられません。

弊社は昨年、東京渋谷に新たにスタジオをオープンしました。
今年も時代の流れに乗れるよう、いや一歩先取りできるよう
邁進してまいりますので何卒よろしくお願いいたします。

それでは今年初のメルマガ、スタートです。

            (フクイ)

【MUSIC】FAITH

2020年の一発目を担当させていただきます
メディアコミュニケーション部の門脇です!!

2019年も何組か気になるアーティストに出会いましたが、
2020年個人的に注目しているのは「FAITH」というバンドです!!

メンバー5人のうち3人がハーフ!!今年メンバー全員が20歳という若さ!!
そして数多くの素晴らしいアーティストが在籍するオフィスオーガスタ所属で、
出身は「信州そば発祥の地」という長野県の伊那市。

音楽性はキャッチーで、POPで聴いていて元気が出る!!

何度かライブも見ましたが、本当に楽しそうに演奏するんです!!
自然と笑顔になるような!!

1月15日にメジャーデビューアルバム『Capture it』でメジャーデビューするんですが、
これまでのキャッチーさ、POPさに加え10代ならではの葛藤、不満、
不安を描いた楽曲などもあり新たな「FAITH」の一面を感じました。

ボーカルのアカリ・ドリチュラーさんはモデルとしても活動!!
国境も世代も超えて愛させる存在になっていくのではと思っています。
ぜひLIVEに足を運んで欲しいです!!

(門脇)

【Shop in Azabu】川上庵

皆様、あけましておめでとうございます。
今年一番にご紹介させていただくのは、麻布スタジオから徒歩5分の所にある「麻布 川上庵」です。

蕎麦をメインとした和食ダイニング。
ランチ、コースもあります。

こんな素敵なお店を、過去のメルマガでご紹介してなかったというのが不思議でなりません。

のれんをくぐると、地下へと降りる階段があり、
右写真の奥に見える扉の向こうがお店です。
佇まいからして、すでにお洒落な空気が漂っています。

       

「かけそば(920円+税)」をはじめとする、様々な種類の蕎麦をランチタイムでも食べることができますが、
今回は奮発して昼のコース(1,800円+税)を注文してみました!

4種の前菜は左から、
豆腐の醤油豆味噌、蒸し鶏の鬼おろし餡、鯵の南蛮漬け、金目鯛のカルパッチョです。

コースの蕎麦は、かけ・せいろ・クルミだれせいろ・おろしから選べます。
川上庵の名物は「クルミだれせいろ」という事でこちらをチョイス。

「クルミだれせいろ」はその名の通り、濃厚なつけダレにクルミが入っています。
細すぎず、太すぎず、丁度良い二八蕎麦と、このクリーミーなタレが良く絡み、口の中いっぱいに満たされます。

最後のデザートの杏仁豆腐もおいしくいただきました。
お昼からなんとも贅沢な気分になれる、川上庵ランチコースのご紹介でした。

そして一緒に行ったスタッフは「かき揚げ天丼と一口そば(1,500+税)」を注文しました。
王冠のような~という表現がぴったりかもしれません!
かき揚丼と蕎麦、どちらも楽しめるよくばりメニューです。
お昼からガッツリいきたい方は是非。

夜にも伺ったことがありますが、蕎麦はもちろん、一品料理もどれも美味かったです。
お酒の種類も豊富で、料理に合わせてお酒をチョイスできるところも魅力的です。
そしてなんと
朝4:30まで営業していますので、
お蕎麦屋さんでは珍しい、とことん(!)楽しめてしまうお店でもあります。

「川上庵」で検索したら、あの世界のグルメ(!?)渡部さんも
イチオシのお店としてブログで紹介しており、
あたたかい「鴨煮込み蕎麦」も絶品なんだとか。

テーブル席とカウンター席、そしてペット可のテラス席、合わせて50席程あるようです。
年中通して楽しめるお蕎麦、
麻布十番に来た際は是非。

麻布 川上庵
【住所】東京都港区麻布十番 3-5-7 B1階
東京メトロ南北線、都営大江戸線「麻布十番駅」1番出口より徒歩2分
【営業時間】11:30~4:30 (3:30 LO)  (ランチメニューの提供は11:30~17:00)
【定休日】なし
【予約・お問い合わせ】 ‎03-5439-5757

(山中)

【月刊紐育音楽通信 January 2020】

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

                     


 いよいよ時代は「20年代」に突入しました。10年単位で時代を切る言い方は90年代(1990年代)までは一般的でしたが、21世紀という新しいミレミアムを迎えて「00年代」、「10年代」という言い方は今一つしっくりとこなかったようですし、一般的に浸透しませんでした。「20年代」と言うと、まだまだ1920年代を彷彿とさせるものがありますが、私のような古い時代の人間でも、20年代の記憶やリアリティというものは持ち合わせていませんし、今後は新しい“20年代”、“30年代”という言い方が普及していくと思われます。

 しかし、アメリカでは既に10年単位で時代を語る感覚は、特に若い人達の間では薄らいでいると言われます。それは時代の進み方が20世紀とは桁違いに速く、10年で時代をくくる捉え方自体にリアリティがないため、と様々なメディアや論者は語っています。
 私自身にとっては、特に「60年代」と「70年代」というのは強烈なインパクトと記憶、そしてリアリティが今でもあると言えますが、確かに「00年代」や「10年代」というくくりは言葉の響きだけでなく、実際にもほとんどリアリティは感じられませんでしたし、「20年代」という言い方も言葉の響きとしては少々親近感も感じられますが、激動の時代の只中にいると、10年単位というくくりには、もうリアリティが感じられなくなっています。

 それよりも、やはり「2020年」という言葉と響きには、アメリカにおいても日本においても、期待と不安が入り乱れた様々な思いが交錯し、多くの人々にそれなりのリアリティと、それなりの影響を与えているのではないでしょうか。
 日本は何と言ってもオリンピックの年ですし、昨年「令和」という新しい時代を迎えて何かしらの期待感や明るさも漂っているのではないかと思われますが、アメリカにおいてははっきり言って“真っ暗”と言っても良い状況であると感じます(笑)。何しろ、その結果の行方は別として「大統領弾劾」という大事件(快挙?)が起きたまま突入した2020年です(アメリカにおける「大統領」という存在の大きさは「首相」の比ではなく、それは“敬意を集める国のリーダー”であり、国の「最高指揮官・司令官」であり、ある種「国王」にも通じる絶対性をも有しています)。
 更に今年の大統領選挙はトランプ再選が濃厚と言われることによる期待感(トランプ支持者側)と絶望感(反トランプ側)の完全な二分化を引き起こしていますし(もっとも、4年前は“まさかの”トランプ当選となりましたので、今回は逆の“まさか”が起こる可能性もゼロではないと言えます)、失業率は近年最低で雇用率は上がり景気も良いなどとメディアは伝えますが、富裕層にはリアリティがあっても、ミドルクラス以下には全くといって良いほどリアリティの無い不透明・不確実な状況が続いていると言えます。
 また、その理解・解釈によって対立が続く環境問題は、現実的には自然災害が激増する更に深刻な状況を迎えてきていますし、最近は他のニュースに振り回されて取り上げられる機会が減っている移民問題は実は全く好転しないどころか益々憂慮すべき事態を迎えています。

 そして実はこれがアメリカ(のみならず全世界)にとって2020年最大のリスクとなる可能性が高いと言われる中国との問題は、香港と台湾との問題も絡めて益々ヒステリックな状況となっていますし、それ以外にも問題は山ほどあって、四方八方に“暗く巨大な壁”が横たわっていると言えます。
 そんな状況ですから、暗く不安なニュースに振り回されていては、それだけで一日が終わってしまいますし、何も前に進みません。社会意識の低い人達は、景気が良くなっている(と言われている)のだからエンジョイすれば良いではないかと様々な問題に対して益々無関心となっていますが、逆に社会意識の強い人達の中にも「無関心」・「無視」というスタンスは徐々に広がり始めているとも言われています。
 これは、ここまでどん詰まりの状況になると、参加することやプロテストすることでは何も解決しないので、「無関心」と「無視」を徹底させて、ある種のボイコット運動や意識改革に発展させようという解釈や試みとも言われていますが、果たしてその行方はいかに、といったところでしょうか。

 いずれにせよ、2020年は“和”の意識は益々薄れ、良い意味でも悪い意味でも“身勝手さ”が益々強くなっていくのは確かかもしれません。
 新年早々、先行きの不安ばかりですが、どちらにどう転ぼうとも、皆さんのご健康と ご活躍を祈り、Happy 2020!


トピック:“神聖不可侵”のクリスマス・ソング

 遅ればせながらの話題ではありますが、2019年、皆さんはどんなクリスマスを過ごされたでしょうか。チャーチ・ミュージシャンとしても活動する自分としては、この時期は大変忙しく、また心温まる季節でもあるのですが、普段の生活レベルで言えば、クリスマス・シーズンはいかに人混みを避けるか、というのが課題の一つでもあります。  
 この時期にニューヨークに来られたことのある人には言わずもがなですが、マンハッタンの中心部というのは本当にまともに移動することもできない、観光客と買い物客でごった返した“人混みの嵐”となります。そんな人混みを見学して楽しむ観光客の人達は良いですが、日々の仕事に追われ、時間に追われている人間にとってはたまったものではありません。まあこの時期に仕事をしなければならないというのが哀れというか悲しむべき状況とも言えますし、本当は長期休暇を取って暖かい場所で過ごすのが理想ではあるのですが…。

 といった愚痴はさておき、今年のアメリカ音楽業界では、クリスマスは久々にいろいろな話題がありました。まずは、既に“クリスマス・シンガー”または“ホリデー・シーズン・シンガー”とのレッテルを貼られつつあるマライア・キャリーです。マライアは2014年から、彼女としては小規模なホールと言える、マンハッタンはアッパー・ウェストにあるビーコン・シアターでのクリスマス・コンサートが相変わらずソールドアウトで、この時期は毎年話題となりますが、今年は彼女の代表曲の一つと言える「恋人達のクリスマス(原題は「All I Want for Christmas Is You」ですから「クリスマスに欲しいのはあなただけ」といったところでしょうか)が、なんと25年という長い歳月を経て、アメリカで最も権威あるチャートとされるビルボードのHot 100でナンバー・ワンになるという出来事がありました。ちなみに今回晴れてナンバー・ワンとなったのは、本人によるニュー・リミックス/ニュー・アレンジでもなく、1994年にリリースされたオリジナル曲そのものそのままです。

 チャートのナンバー・ワンに到達するまでに長い時間がかかった曲というのはこれまでにもたくさんありました。しかし、25年というのは何とも気の長いというか気の遠くなるような話であり、快挙と言えば快挙ですし、話題性としても充分と言えました。
 実はそれよりも、今回の同曲のナンバー・ワンによって、マライアの同チャートでのナンバー・ワン曲数は計19曲となり、未来永劫記録が塗り替えられることはないであろうと思われていたビートルズの20曲に、あと1曲と迫る結果となったことの方が間違いなく快挙であると言われています。

 ちなみに、マライアと共に計18曲のナンバー・ワン曲を誇っていたアーティストにはエルヴィス・プレスリーとダイアナ・ロスがいます。ですが、プレスリーの場合は18曲中半数以上がHot 100というチャートが始まった1957年以前の別チャートによるナンバー・ワンであるため、それらを加算して18曲とすることには異論もあります。
 一方、ダイアナ・ロスに関してはソロ活動前のスプリームス(発音的には「サプリームス」に近いですし、「シュープリームス」では英語として全く通じません)のナンバー・ワン曲も含めての18曲ですから(更にはライオネル・リッチーとの共作/デュエット曲もあり)、こちらもやはり異論のあるところです。

 これに対してマライアの場合は解釈的にも異論の無い19曲と言えますし、しかも一応まだバリバリの現役ですから、今後ナンバー・ワン曲を送り出して、ビートルズと並び、更にはビートルズを上回る可能性も残されています。
 ですが、音楽業界では“神聖不可侵”とも言えるビートルズですし、アメリカの音楽業界においても、既に少数とはなっていながらも、ビートルズ世代というのは長老・重鎮クラスにまだ残っています。よって、これはビートルズ・ファンのみならず、音楽業界内としても、あまり諸手を挙げて歓迎・祝福できる愉快で喜ばしい話とは言えないようです。

 そもそもマライアは、今回のチャート・ナンバー・ワン達成の前から、この自分自身の名曲の“広報宣伝”活動を活発に展開していました。テレビ・メディアへの出演、クリスマスやホリデイ・シーズン絡みの様々なイベントへの出演、そして極めつけは同曲の新ミュージック・ビデオの発表です。
 ご存じの方も多いでしょうが、同曲は1984年のリリースと共に2つのオフィシャル・ミュージック・ビデオが発表されました(その他にもリミックス・バージョンでのビデオや、ジャスティン・ビーバーとのデュエット時のビデオ等もありますが)。どちらもマライア自身のディレクションによる作品でしたが、特に最初のビデオは当時マライアが結婚していた元ソニー・ミュージック(元CBSレコード)のCEOとしてアメリカ音楽業界の帝王の一人(カサブランソニー・ミュージック・エンターテイメントを)と言われるトニー・モトーラもサンタクロース役で出演するホーム・ビデオ風の作りで、今のマライアにとってはあまり嬉しくない作品であると言われていました。

 ですから、同曲のリリース25周年として全く新しいミュージック・ビデオをリリースした意図は充分理解できますし、そのビデオ作品に続いて様々なメディアやイベントに出演して大々的なパブリシティを行ったのも当然と言えば当然です。ですが、その結果として25年後に同曲がナンバー・ワンに輝くというのは、あまりにもできすぎた話であり、できすぎたお膳立てである、というわけで、そうした中で今回の同チャート・ナンバー・ワンに対する不信・疑惑もささやかれました。

 今や大スター中の大スターであり、アメリカ音楽界における“女王様”として君臨し、誰も彼女に口を挟めるものはいないと言われ、音楽界における“トランプ級”の存在でもあるマライアですし、“豪腕”で知られるマライアと彼女のプロダクション・チームが巧みにメディア操作/チャート操作を行ったとしても何の不思議はありません。
 そもそもメディア操作というのは、今の音楽・芸能界のパブリシティにおける一つの手段ですし、ビジネス上のアドバンテージや金の動きといった部分を除けば、今やチャート自体の権威というものが完全に失墜している状況で、チャートの信頼性・信憑性をどうこう論議しても、それは大した意味もなく、やっかみにも聞こえがちです。
 実は同曲は昨年もクリスマス時期に同チャートで3位まで上昇したという経緯・伏線もありました。そのため、毎年この時期になるとチャートで上昇するこの名曲を、25年という節目を利用して一気にナンバー・ワンに上り詰めることを実現したマライア陣営の“戦略・手腕”は、実に見事であったと言うべきでしょう。

 クリスマス・ソングと言えば昨年と今年、もう一つ興味深い動きがありました。それは既存のクリスマス・ソングの名曲の放送禁止という措置です。
 具体的には昨年は「ベイビー、イッツ・コールド・アウトサイド」、そして今年は「イッツ・ビギニング・トゥ・ルック・ア・ロット・ライク・クリスマス」というクリスマス・シーズンには欠かせない代表的な名曲が立て続けに放送禁止となりました。
 ただし、放送禁止と言っても、現在はかつてのラジオ黄金時代とは違い、音楽が様々なメディアを通して流され、聴かれている世の中ですので、いわゆる全面放送禁止というわけではあいません。
 今の時代は放送に関しては、メディア・ブロードキャスティング・カンパニーという存在が、契約を結んでいる様々なメディアの企業・組織に対して音楽を供給するという形態が一般的になっていますが、今年の場合は、その大手メディア・ブロードキャスティング・カンパニーの一つであるMood Musicという会社が「イッツ・ビギニング・トゥ・ルック・ア・ロット・ライク・クリスマス」の放送禁止を発表しました。
 その結果、Mood Musicと契約しているストリーミング(パンドラ)、大型店舗(ターゲット)、ホテル(マリオット、ヒルトン、ハイアット)といった企業・組織に対しては同曲が供給されなくなり、それらを通しては同曲を耳にすることはできなくなったというわけです。

 このMood Musicは、2011年にケーブル・ラジオやインターネット・ラジオを通して商業ユースの音楽供給企業として歴史のあるMuzakを買収したことで知られています。  
1930年代のラジオ黄金時代において急成長したMuzakは、間もなくしてワーナー・ブラザーズに買収され、その後もオリジナル・コンテンツやテクノロジーの分野で発展し続けましたが、2009年に破産申請して2010年に倒産。その後、Mood Musicに買収されたという経緯を持ってます。
 ですが、商業ユースの音楽ビジネスにおいては長い歴史と豊富な経験・実績を持っており、それを受け継いだMood Musicは、上記のように大型企業に対する商業ユース音楽供給において巨大なシェアを誇っているので、その影響力は決して小さくはありません。

 今回、「イッツ・ビギニング・トゥ・ルック・ア・ロット・ライク・クリスマス」が放送禁止となった理由は、歌詞の中に「ピストル」という言葉が入っていたためでした。 
 トランプ政権下の政府や社会一般の動きとは全く逆に、リベラルなスタンスが際立ち、銃規制にも積極的である音楽業界サイドから、例えクリスマスの名曲であっても歌詞において銃を肯定的に扱う歌は放送を禁止するという、非常に明快な理念やロジックに基づいた対応であったとも言えました。
 しかし、ペリー・コモを始め、ビング・クロスビーやジョニー・マティスの名唱で知られ、毎年クリスマス・シーズンになると街中(店舗)やラジオからは必ずと言って良いほど流れてくる名曲が、一部の場所ではあっても消えてしまったというのは、何とも寂しい思いもあります。

 一方、昨年の「ベイビー、イッツ・コールド・アウトサイド」はもっと事情が複雑です。この曲の場合は、歌詞の内容が#Mee Tooムーブメントを中心とした女性の権利運動サイドからの批判を浴びて、アメリカの地方(オハイオ州クリーブランド)ラジオ局が放送禁止を発表し、続いてカナダのラジオ局も同調の動きに出ました。
 同曲は基本的に男女のデュエット曲で、クリスマス・ソングの中でもいわゆる“恋愛ソング”と言われる範疇に入るため、神聖なクリスマスに相応しい曲ではないと昔から批判や論争もあったいわく付きの曲でもあります。
 ですが、これまで実に膨大な数の有名アーティストのコンビによって歌われ続け、ざっと代表的なところを挙げると、ルイ・ジョーダンとエラ・フィッツジェラルド、ボブ・ホープとドリス・デイ、サミー・デイヴィスJrとカーメン・マクレエ、レイ・チャールズとベティ・カーター、ロッド・スチュアートとドリー・パートン、ボビー・コールドウェルとヴァネッサ・ウィリアムス、ジェイムス・テイラーとナタリー・コール、ウィリー・ネルソンとノーラ・ジョーンズ、シーロー・グリーンとクリスティーナ・アギュレラ、ダリアス・ラッカーとシェリル・クロウ等々、実に数多くの、そして意外な組み合わせのバージョンがリリースされてきました。

 ちなみに、この“意外な組み合わせ”の理由としては、歌詞の危なさから、歌う二人の危ない関係を連想させない少々ミスマッチな組み合わせが必要なため、という説もあるくらいですが、実際にこの歌の“危険度”は、ある意味で「イッツ・ビギニング・トゥ・ルック・ア・ロット・ライク・クリスマス」の比ではありません。
 そもそも歌う男女はオオカミとネズミに例えられ、簡単に言えば、デートの後に二人はオオカミの家に立ち寄り、遅くなったので帰らねばと思い迷うネズミを、オオカミがあの手この手で引き留めて口説こうとするという内容の歌であるわけです。
 「外は寒いし」と誘いをかけるオオカミの巧妙な歌詞(セリフ)も女性にとっては眉をひそめるものと言えるでしょうが、ネズミの言い訳も本心がどこにあるのかわからない曖昧な部分もあり、特に#Mee Tooムーヴメント側からは、「男性の家にいるという絶対的に不利な状況下で女性の揺れる心を描くというのは女性の地位をおとしめるもの」、「同意の下でのレイプという言い訳を容認しかねない」など、その批判はかなりエスカレートしました。しかも歌の最後の方では、ネズミが「私の飲み物に何か入れた?」とオオカミに尋ねる部分があり、これはレイプの常套手段であると糾弾されました。

 確かに1940年代半ばに書かれたこの歌詞の内容が、今の時代には全くそぐわないものであることは間違いないと言えます。今や#Mee Tooムーヴメントが多くの男性達を恐怖に陥れている(?)アメリカも、いわゆる女性の権利運動やウーマンリブ運動が盛んになるまでは、女性の地位は極めて低く、音楽の世界、中でも歌詞において女性を単に性的な対象・存在と見なす、男性側からの身勝手で差別的な視点が主流であり容認されてきました。
 それは現代においても根強く残って様々な問題や事件、悲劇を生み出し続けているというのが#Mee Tooムーブメントの主張の根底にあるわけですし、今後このようなケースは音楽、映画、演劇、文学など様々なアート&エンターテイメントの分野で噴出してくることは必死であると言えます。

 ちなみに、この曲に関しては今年のクリスマス・シーズンにジョン・レジェンドがケリー・クラークソンを相手役に迎えて、危ない部分の歌詞を変更する新バージョンを発表して話題になりました。
 つまりこれは、単に送信するメディア・サイドによる規制ではなく、アーティスト・サイド(しかも男女両サイドから)が自主的に規制・調整を行ったケースとして特筆すべき点があると言えます。
 しかしそうした試みも、前述の銃規制の観点から放送禁止とした措置も、トランプ・サポーターを始めとする保守勢力からは、“愚かなリベラル達によるアメリカ文化の破壊行為”と目の敵にされて、ここでも激しい対立の構図を生み出してしまっています。
 何をやっても国が二分されていがみ合うという今のアメリカの図式は、まだまだ当分続いていきそうです。

【After Word】1月

今月のメルマガはいかがだったでしょうか。

今年はオリンピックも開催され、日本が賑わう1年となりそうですね。
オリンピックに合わせて街の様々な部分変わっていき、
少し寂しいような嬉しいような複雑な気持ちです。

弊社も様々な事に挑戦して、日々皆様のニーズにお応えできるよう努力してまいりますので、
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

(鈴木)

【STEP INFO】冬野菜

年の終わり、12月ですね。
1年が本当にあっという間に感じます。

ここ数年の中でも特に暖かい今年の冬ですが、
それでも寒暖差による不調やインフルエンザの流行などで、体調管理に気を付けたいこの頃。


そんな冬に免疫力を高める旬の冬野菜を食べましょう!

冬野菜といえば白菜、小松菜、ほうれん草、など
定番の野菜たちは主に鍋の具材になるような葉菜類が多いですね。
あとは、冬至にいただくかぼちゃだったり、なぜか寒い日に食べると美味しいさつまいも。

これらの野菜を鍋で煮込んで食べるのもいいですが、
僕は旬の野菜たちを好物のカレーに放り込んで食べようと思っています。
いわゆる冬野菜カレーです!

    

かぼちゃとさつまいもの甘みのあるマイルドなカレーや
蓮根、ほうれん草をみじんぎりにしてドライカレーにしてみたり…

さっそく週末に作ってみようと思います。


それではメルマガ12月号スタートです!


(宮道)

【MUSIC】Gully Boyとインドのヒップホップ

メディアコミュニケーション部の江渕です。

前回
は88 Risingというレーベルとアジアのヒップホップについて寄稿しました。
今回はある映画から知ったインドの
ヒップホップアーティストについて書かせていただきます。

10月、「ガリーボーイ」というインド映画が日本で公開されました。
インド映画と言うと「ムトゥ踊るマハラジャ」に代表される
歌って踊るボリウッド作品を連想される方も多いかと思いますが、
この「ガリーボーイ」の題材はヒップホップ。
「ガリー=Gully」とは路地裏の事で、インドはムンバイにあるスラムで暮らす青年が
ラッパーとして成り上がるサクセスストーリーです。

プロデューサーはあのNAS、
インド社会が抱える格差、宗教的差別なども描き、
インド版「8 Mile」と高い評価を得ています。
インド版「8 Mile」と呼ばれたのにはその題材、サクセスストーリー以外にも
実在のインド人ラッパーの半生を描いた点も理由に挙げられます。
モデルとなったのは二人のインド人ラッパー、NaezyとDevineです。
まずは主人公にラップを教えるMCシェールのモデルとなったDevineの曲を。
Yeh mera Bombay。

インドの伝統音楽を取り入れたビートと上物に
ヒンディー語(恐らく)のラップは衝撃的なカッコよさ。
MVもインドの下町が舞台となっていて、そこに暮らす様々な人が登場します。
まさに「Gully」、路地裏のラップです。
続いて主人公、ムラドのモデル、Naezy。

Devineの曲、Mere Gully Meinにフィーチャーされています。
Yeh mera Bombayと同じ様にDevineと共にスラムを舞台に暴れまわるMVです。
そして、Naezyがブレイクしたのは2014年のこの曲でした。

彼はこの曲を、iPadだけで作り上げました。
iPadでビートをダウンロードし、そこにラップを乗せ、さらに近所でこのMVを撮影。
You Tubeで「凄いラッパーがいる」とたちまち話題になったそうです。
Devine、Naezy、Nasがコラボした曲もありました。
「ガリーボーイ」の為に作成したようです。

そして、こちらは「ガリーボーイ」のサントラにも収められている曲、India 91。
91というのはインドの国番号だそうです。
インドラッパーオールスター的な曲でワクワクします。
(ほぼ誰かはわからないのですが…)

「ガリーボーイ」周辺をネットで探すだけでも
これだけかっこいい曲が見つかるインドのヒップホップ。
映画のヒットと共に世界的ブームが巻き起こる可能性もあるのではないでしょうか?
他にも気になるアーティストが山盛りでしたので、
機会があればまたインドのヒップホップアーティストを紹介できればと思います。

ちなみにインドのラッパーというとバングラビートの伝道師、
Jay-Zをフィーチャリングゲストに迎えた「Beware of the Boys」がヒットした
Panjabi MCを思い浮かべる方は30代以上ではないでしょうか(笑)
こちらはJay-Zが参加していないオリジナルVer、「Mundian To Bach Ke」。

 

(江渕)

【Shop in TEMMA】中華料理「新京」

Stepのメルマガは、奇数月は東京、偶数月は大阪のかわりばんこで配信させていただいてます。
また、各コーナーの担当は恒例のあみだくじで決定(大阪のみ)するのですが最近やたらとShopInTEMMAのくじを引いちゃいます。
毎日お弁当持参のボクはこの記事の担当になるたび会社の近くの新しいお店を探してランチに行きます。
しかし今回はひょんな事から出前を取ることに。という訳で今回は出前したお店を紹介させていただきます。

美味しい中華をスピーディーにお届け
中華料理の「新京」さん。

昔(会社が出来た頃?)は、よく利用していたお店のようで最近新しいメニューが届けられました。

今日は、新京定食/1,250円7名分を注文。
お昼時なのでかなり待たされることを覚悟してましが20分ぐらいで到着。

まずは、そのボリュームにびっくり!?

※分かりづらくてすみません。2段重ねになってます。

上段は、おかず専用
下段は、ご飯&おかず
内容は、
上段:酢豚、八宝菜、ポテトサラダ、キムチ(中華だけど)
下段:唐揚げ(千切りキャベツ添え)、シュウマイ、卵焼き、そしてご飯(お新香付)

お味も申し分なし!!どれも美味しかったです。


食べる前は、「こんなにたくさん絶対に食べられない~~」とか言うてましたが、美味しかったし届いてすぐ温かいままいただけたのでペロっと完食しちゃいました。

スタジオ作業で出前を取る際は、是非ご利用下さい。
中華以外にもいろいろな出前リストをご用意してますので詳しくは担当者まで。


ご注文はこちらから
中華料理「新京」
06-6356-6331
■年中無休(但し例外あり)
■営業時間 午前11時~翌朝5時
      出前受付は翌朝4時30分まで

(伊藤)

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 December 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある   



 アメリカはホリデイ・シーズンを迎え、各地でコンサートや音楽イベントが盛大に繰り広げられていますが、この時期ニューヨークを代表する音楽系のショー/イベントとしては、やはりラジオ・シティ・ミュージック・ホールの「クリスマス・スペクタキュラー」(特に女性ダンサー「ロケッツ」によるラインダンス)とロックフェラー・センターの巨大クリスマス・ツリーの点灯式というのが観光客向けの2大イベントと言えるでしょう。

 ですが正直言いますと、私の周りのニューヨーカー達(アメリカ人)で、これらのイベントを観に行ったという人はほとんど皆無です(笑)。強いて言えば、子供の頃に連れて行ってもらった記憶がある、という程度で、特に音楽業界の人間で上記のショー/イベントに出向くというのは仕事目的のみと言っても過言ではありません。

 特にロックフェラー・センターのクリスマス・ツリー点灯式は零下の夜の野外イベントですから、集まるのはやはり観光客ばかりということになってきます。また、このイベントは出演者側にとっても厳しいパフォーマンス環境となるのは当然で、今年出演のジョン・レジェンドを始め、生のスタジオ・ライヴを巨大スクリーンに映し出すという方法を取るパターンが増えてきているようです。

 実は笑い話としてアーティスト/ミュージシャン内では話されることもあるのですが、アーティスト/ミュージシャンにとってアメリカにおける2大“拷問”音楽イベントと言えるのは、このロックフェラー・センターのクリスマス・ツリー点灯式でのパフォーマンスと、4年に一回、1月にワシントンDCのUSキャピトル(連邦議会議事堂)の前(野外)で行われる大統領就任式典におけるパフォーマンスであるという話があります。これは本当にその通りであると思いますし、極寒の中でのパフォーマンスというのは、パフォーマーにとっても、楽器(声も含め)にとっても実に過酷なものと言わざるを得ません。

 2009年、オバマ前大統領の1期目就任式典に出演したヨーヨー・マやイツァーク・パールマン達や、2013年の2期目の就任式典に出演したビヨンセが、リップシンクによるパフォーマンスを披露して、随分とメディアに叩かれましたが、パフォーマンスを行う側から言えば、彼等が取った方法はベストとは言えなくても、責めることはできません(その一方で、1期目就任式典において“生”で熱唱したアレサ・フランクリンには頭が下がる思いです)。

 そんなわけで聴き手の側でも、これらのイベントにおけるパフォーマンスは余程の理由(パフォーマーの支持者・大ファンなど)が無い限り、地元の人間にとってはテレビ観戦するのが一番と言われるのも頷けますが、そうは言ってもパフォーマンスはやはり“生”に接するのが一番であることは間違いありません。私自身、今年のホリデイ・シーズンも可能な限り足を運んで、“生”のパフォーマンスを楽しむようにしていますが、先日のサンクスギヴィング(感謝祭)の連休では、ヘヴィ・メタルのクラブでクラウド・サーフィンやモッシングも楽しんできました。ですが、大汗をかいてクラブを出た時の寒さはさすがに身に堪えました。冬のライヴはパフォーマンスだけでなく、パフォーマンスの後も考えなければいけないと、いい歳をして思い知らされた次第でした。

 

トピック:チケット販売の大変革(取り締まり)は実現するか

 アメリカにおける興行ビジネス、特にチケット販売ビジネスの問題については、これまで何度かご紹介してきました。これまで不法・違法とされてきたチケット転売というものが、ある一定の範囲内ではあっても適法・正当なものとなり、金さえ出せば買えないチケットはない、逆に言えば、転売業者による独占で正規チケットが中々手に入らない、という事態を招いていることは、今や誰もが認める状況であると言えます。

 そうした中で先日、アメリカの下院議会の一組織であるエネルギー・商業委員会が、Live Nation、AEG、StubHub、Vivid Seats、TicketNetwork、Tickets.comといったアメリカのコンサート・ライブ/イベント発券業界に対して新たな調査開始を通告しました。その理由は、同委員会が“現状における一次及び二次チケット市場で発生する可能性のある不公正な行為について懸念している”というもので、同委員会はそうしたチケット市場を牛耳っているとも言える上記の企業に対して、懸念事項に関する文書や情報・資料の提出、そして説明会などを要求することになったというわけです。

 今回の動きの目的はもちろん、イベント・チケット販売市場において消費者を保護するためのものですが、その伏線として、コンピュータ・ソフトウェアを使用してチケットを購入することを禁止した「オンライン・チケット販売改善法」というものがあります。これは原語(英語)では「Better On-line Ticket Sales Act of 2016」というもので、通称「ボッツ・アクト(BOTS Act)」と呼ばれており、約3年前の2016年12月に当時のオバマ大統領によって調印されて発動されました。これは、簡単に言うと「チケット・ボット(BOT)」と呼ばれるテクノロジーを使って、個人や組織がチケットをまとめて購入・転売することを阻止・禁止するための法案で、正規チケット発券・販売サイトのためのセキュリティ対策とも言えました。

 具体的に言いますと、チケット・ボットとは、Ticketmasterなどのチケット・ベンダーが販売する正規チケットを自動検索・購入できるソフトウェア・プログラムです。チケット・ブローカーと呼ばれる転売(業)者&組織は、このチケット・ボットを利用すると、自動的に且つ瞬時にチケット検索と購入が可能になり、同時に数百や数千もの取引(購入)が実行できるわけです。つまり、人間が手動で行う何百・何千倍も早く、超高速で瞬時に膨大な数のチケットを一括検索・購入でき、しかも通常はパスワードなどのセキュリティ機能があるものをもスルーできてしまうという、中々優れものでありながらも恐ろしいソフトなわけです。

 但し、問題はこのチケット・ボットを使って転売を行う個人や組織のみというわけでなく、そこにはチケット・ボットを利用した転売行為が生まれてきた背景というものもあります。

 上記の「ボッツ・アクト」と呼ばれる法案が通過する少し前のことでしたが、ニューヨークの司法長官がチケット販売の現状を調査した際に、市場で販売されるチケットの内、一般の人が購入可能となっているのは全体の46%のチケットのみで、残る54%が内部の者や会員、また特別のクレジット・カードなどをもった優遇者達の手に渡っているという驚くべき結果が発表されました。要するに、一般人が購入できるチケットというのは、全体のチケット販売数の半数にも満たないというわけで、この一般への供給量の半減(以上)という状況が、転売・再販チケットの高額化という結果をもたらしたとも言えるわけです。

 そのため、正規料金の1.5倍などというのは良い方で、2倍、3倍から10倍も高くなる状況が出てきてしまったわけですが、そうした事態の中で、転売・再販業者が、圧倒的な供給量の低さに対する需要の高さにフォーカスし、チケット・ボットというソフトを使って、できるだけ多くのチケットを即座に購入するという事態が生まれたと言われています。

 購買者から見れば、チケット・ボットを使った転売・再販チケットは、それまでのいわゆる“ダフ屋”による超高額な転売・再販チケットよりは圧倒的に安いわけですから歓迎すべきものとも言えるのですが、やはりこれは不正・不法行為であることには変わりなく、正規のチケット販売業者にとっては大きな打撃となったとされています。

 一例を挙げますと、現在もブロードウェイで一番人気の「ハミルトン」というミュージカルがあります。これは、アメリカ建国の父の一人であるアレクサンダー・ハミルトンの生涯をヒップホップの音楽で綴ったミュージカル作品で、ハミルトンを含めた歴史上の白人達を有色人種が演じるという、異色・斬新とも言える解釈と演出を施した、ブロードウェイのミュージカル史上に輝く最高傑作の一つとも言われています。興業成績もダントツに素晴らしく、批評家達の評価も絶大で、2016年にはトニー賞史上最多のノミネート記録を達成して、結局11部門も受賞した他、グラミー賞でもミュージカル・シアター・アルバム賞を受賞しました。

 そんな評価・評判もあって、このミュージカルはとにかくチケットが取れないことで有名で、しばらくの間、通常$200前後のチケットが$1000も$2000もするという、異常な事態となっていました。

 そうした中で、プレステージ社というイベント・コーディネーション会社が、アメリカ最大のチケット業者と言えるTicketmasterが販売するハミルトンのチケットの約40%をチケット・ボットを使用して買い占めて転売・再販したということで、Ticketmasterがプレステージ社に対して訴訟を起こしました。

 つまりこれは、「ボッツ・アクト」で定められたオンライン・チケット販売法に違反した行為とみなされ、そうした違反行為を受けた者は訴訟を行う権利が「ボッツ・アクト」によって国(合州国連邦)レベルで認められ、例えば違法行為を受けたチケット業者が複数となる場合は、州がチケット業者に変わって集団訴訟を起こす権利も与えられるようになったわけです。

 

 少々話がややこしくなってきましたが、要は現在、チケット・ボットというソフトウェア/テクノロジーを利用した転売・再販チケットというものが大きな問題となって、チケット・ブローカー(転売(業)者&組織)達がやり玉に挙がっているわけですが、その元凶は、正規チケット業者による富裕層や手堅い高収入を狙った特待・優遇措置が現在の問題を引き起こしているとも言えるわけです。

 よって、チケット転売・再販側だけを取り締まればそれで良いのか、という問題が大きく横たわっています。法によって守られてチケットの料と量をコントロールできる正規チケット業者と、違法ではあるが明らかに安価なチケットを購入可能にしている転売・再販チケット業者。どちらを取るかと言われれば、チケット購入者側の心情としては安い方になると思いますが、業界の統制やマーケットの維持、そして利潤の集中(または拡散の防止)を目指す側からすれば、チケット転売・再販というビジネスは、足元をすくわれる危険な存在と言えるわけです。

 実は「ボッツ・アクト」の推進・施行についてはGoogleも深く関わっていると言われています。また先日、オークション・サイトのeBayが、同社のチケット販売部門であるオンライン再販チケット・サイトStubHubを同業ライバル会社とも言えるViagogoに売却するというニュースも、エネルギー・商業委員会による調査開始通告の直後というタイミングでもあったため、中々興味深い(疑惑を呼ぶ?)動きであると言えます。

 昔から国を問わず、アルコール販売と興行というのはマフィアの領域とされてきましたし、今もその構図は表には見えないレベルで残っていると言えます(ニューヨークでは更にタクシー業界というのがマフィアの領域でした。これについては何故ニューヨークではUber(ウーバー)が他州よりも高額なのかという理由・背景の一つにもなっています)。

 現在の再販・転売チケット・システムが出来上がる以前は、私自身もよくイタリアン・マフィアが運営するブローカーからチケットを購入したりしていました。しかし、80年代以降チャイニーズ・マフィアの勢力に押され、更に現在トランプの顧問弁護士として逮捕・監獄行きも噂されるジュリアーニ元ニューヨーク市長が市長時代の90年代末にマフィアを事実上表舞台から一掃したことで、イタリアン・マフィアはビジネス的にも地理的にも益々ニューヨークの外に追いやられていったと言われます。

 しかし、マフィアというのはそもそも裏舞台から表舞台を操作する組織・集団ですから、彼らは場所や形態を変えて生き残り続けていますし、興行収益の大部分を担うチケット販売に関しても、様々な形態を取って関わり続けていると言えます。

 今回は、チケットの正規販売と転売・再販に関する少々複雑な話となりましたが、国の対応がどうあれ、企業の戦略がどうあれ、またマフィアの存在がどうあれ、購買者としては少しでも求めやすい料金で入手しやすいチケット購入が実現することが最重要ですので、それを願いながら、今回の行政レベルの介入と業者の対応を注視してみたいと思っています。

 この法案は、セキュリティ対策、アクセス制御システム、またはチケット発行者がイベントチケットの購入制限を実施するため、またはオンラインの整合性を維持するために使用するチケット販売者の別の制御手段を回避しようとしている当事者を罰するために設計されましたチケット購入注文ルール。誰かが上記の意図に違反してチケットを販売したことが判明した場合、その人は訴追することができます。

 この法律は、連邦取引委員会がBOTS行為の違反が発生したと信じる理由がある場合に行動する権限を与えます。州はまた、複数のチケット所有者に代わって集団訴訟を起こす権利を有します。

 

 BOTS法は米国の法律に署名された立法行為でしたが、オンラインチケット再販市場がチケットの調達を報告する方法にさまざまな変更を加えました。

 主な変更点は次のとおりです。

 Googleは、有料広告プラットフォームを使用するセカンダリチケット再販業者に、プライマリチケット販売者ではないことを開示することを要求しています。 StubHub、Viagogo、Seatwaveなどは、2018年2月現在、これに準拠していました。