【I Love NY】ジョン・レノン没後30周年&生誕70周年

(ここではSTEPのNYスタッフから届く、現地の最新音楽情報の一部をご紹介しています!)

あの忌まわしい射殺事件から、もう30年が経とうとしています。1980年の12月8日
夜11時近く、マンハッタンのアッパー・ウェスト・サイドにある高級アパートメント、ダコタ・ハウスの自宅に帰ってきたジョン・レノンを一人の男が待ちかまえていました。男の名はマーク・チャップマン。その日の夕方に同じ場所でジョンからサインをもらったばかりの“自称ジョン・レノン・ファン”チャップマンは、車から降りてきたジョンを呼び止めたと同時に、ジョンに向かって5発の銃弾を発射しました。あの日の衝撃・喪失感というのは、今でも忘れることができません。 


チャップマンは終身刑となりましたが、実際には20年以上の不定期刑という不明瞭
ものでした。刑期は延長され、事件から30年経った今も彼はニューヨークのアッティカ刑務所に収容されています。この間、チャップマンは仮釈放の申請を5回行っていますが、いずれも却下され、今年7月に行われた申請も却下。チャップマンが仮釈放される可能性は早くて2012年だそうです。

命日というのは忘れられない、忘れてはならないものではありますが、事が殺人と
いうことになると恨みや憎しみといったネガティヴな感情も伴ってしまいます。ですから、アメリカではマーティン・ルーサー・キング・デー(1月の第3月曜日。実際の誕生日は1月15日)のように、命日よりも誕生日を記念日とする傾向があります。

ジョンの誕生日は10月9日。しかも今年は生誕70周年ということで、ニューヨークで
も大小様々なイベントやコンサートが行われています。まずは、9月25日ラジオ・シティ・ミュージック・ホールにて、ジョンの70歳バースデイ・コンサートが行われました。
メイン・アクトは、“カツラを付けない最高のビートルズ・トリビュート・バンド”と言われるFab Faux(ビートルズの別称でもあるFab Fourの”Four”に引っかけて、“人造”の意味である”Faux”にしたものです)。
70年代以降、ファースト・コールのスタジオ・ミュージシャンとして大活躍し、現在は米人気テレビ番組デヴィッド・レターマン・ショーのベーシストとして有名なウィル・リーが、同じ人気テレビ番組コナン・オブライエン・ショーのギタリスト、ジミー・ヴィヴィーノと組んで、ビートルズへの愛情をストレートに形にして98年に結成したバンドです。
Fab Fauxは、単なるビートルズのコピー・バンドとは違い、曲ごとに様々なサポート・メンバーも加えながら、ライヴ活動停止後のビートルズの曲や、ビートルズがライヴで演奏しなかった曲まで見事に再現するのが特徴です。メンター達は皆、百戦錬磨で超多忙なセッション・ミュージシャン達ですが、ビートルズ(ジョン)の音楽だけをフューチャーしたショーで大舞台に立つのは初めてのことゆえ、ウィル達も今回のショーには大興奮だったようです。

続いて11月12日、ジョンの誕生日からは約一ヶ月後になりますが、ビーコン・シア
ターでもバースデイ・コンサートが行われます。こちらはジャクソン・ブラウン、パティ・スミス、シンディ・ローパーなどが出演予定。
ラジオ・シティのFab Fauxがちょっとマニアックな内容であるのに対し、こちらは幅広い客層に向けた大物アーティスト達によるトリビュートとなるようです。

ところでジョンの誕生日を前に、先日興味深い新聞記事を一つ見つけました。内容
はジョンの長男ジュリアンのことです。ジョンの息子と言えば、日本ではショーンの方が有名かもしれませんが、ショーンの活動はあまりに散発的で散漫であり、一方のジュリアンは84年に一度グラミー賞を受賞しているということもあり、アメリカではジュリアンの方が認知度も高いようです。
あまりに偉大な父親を持つプレッシャーというのは、一般人には計り知れないほど巨大なもののようで、ジュリアンもそうした束縛から逃れるために“父親がやらなかった何か”を探し求めていたそうです。それが、ふとしたきっかけで撮り始めた写真が有名フォトグラファーに注目されて励まされ、今ではU2などの有名アーティストの写真を手掛けるフォトグラファーにまで成長したそうです。
そんなジュリアンの個展がニューヨークのモリソン・ホテル・ギャラリーで10月10日まで開催されました。きっと天国のジョンは、自分の誕生日よりもジュリアンの新たな出世を喜んでいるに違いありません。

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