【I Love NY】永遠のポップ・アイコン、マイケルよ安らかに…

(ここではSTEPのNYスタッフから届く、現地の最新音楽情報の一部をご紹介しています!)

多人種・多宗教で貧富の差がとてつもない階層社会のアメリカ、特にニューヨークで一般的な物言いというのは意味がないのですが、それでもほとんどのアメリカ人は新型インフルエンザなど気にせず、北朝鮮の問題にも興味がない(北朝鮮がどこにあるのかも知らない)と言えますが、さすがに今回のイランの問題にはかなり騒いでいます。

しかし、そんなイラン問題さえも吹き飛ばしてしまったのが、稀代のポップ・アイコン、マイケル・ジャクソンの死でした。
テレビ、ラジオ、新聞などメディアは連日マイケル一色。彼の存在の大きさを改めて感じましたが、プレスリーなどと違い、彼には保守的な人達に嫌悪されるようなゴシップ、スキャンダルが多かったため、人々の反応も様々です。
まず今の10台の若い子達はマイケルのことなどほとんど知りません。知っていも“白人になった黒人”とか、“児童性的虐待の変態”くらいにしか理解しておらず、彼が偉大なポップ・スターであったことを今回の急死後の報道や特別番組で知った子供達も多いようです。

しかし、私のようにマイケルと同世代の人間や、昔からリアルタイムで彼の音楽を聴いてきた人達にとって、やはりマイケルは永遠のアイドル・スターと言えます(ハーレムなどでは、マイケルのTシャツを着たおばちゃん達なども良く見かけられます)。
また、マッチョ好きのアメリカでは珍しく、か弱くピースフルなイメージのマイケルは特に女性達から愛されたと思いますし、彼ほど多くの白人ファンを得た黒人(色は白くなっても)はいないと思います。また、物静かで恥ずかしがり屋の彼は、ジョン・レノンなどの行動派とは違った形ではありますが、実は立派なプロテスター/アクティビストでもあり、そのことについては度々賛否両論・論争の的にもなってきました。

私自身、小学生の頃はモータウンのポップスが大好きだったのでジャクソン5はよく聴きました(恐らくマイケルはあの頃が一番歌が上手かったかも)。
ビートルズには興味がなかったですが、「レット・イット・ビー」を全米ナンバー1から引き摺り下ろした「恋のABC」は大のお気に入り曲でしたし、
マイケルを大スターにしたソロ・アルバム「オフ・ザ・ウォール」は今でも私のフェイバリットの一枚です。本当にたくさんの人々がいろんな時代の
マイケルに思いを寄せてきたと思いますが、私は「オフ・ザ・ウォール」の中の美しく切ないジャジーなラブソング「アイ・キャント・ヘルプ・イット」
(作曲:スティーヴィー・ワンダー、プロデュース:クインシー・ジョーンズ)を久しぶりに聴き、自分の中でマイケルの音楽やスピリットが占めている部分の大きさを改めて感じ、涙がこみ上げてきました。心から彼の冥福を祈りたいと思います。

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