【I Love NY】1.「アメリカン・アイドル2011」がいよいよスタート! 2.最近のインディ・ポップ事情

(ここではSTEPのNYスタッフから届く、現地の最新音楽情報の一部をご紹介しています!)

1.「アメリカン・アイドル2011」がいよいよスタート!

新たな審査員を迎えて、いよいよ“アメリカ版スター誕生”「アメリカン・アイドル2011」がスタートします。新たな審査員については随分と前からいろいろと噂されていましたが、最終的な候補に関してはみんなが「ウッソ〜!」「マジ?」「引き受けるわけないじゃん!」とたかをくくっていましたが、それがなんと見事に実現してしまったのです。新審査員は3名。ベーシスト&プロデューサーのランディ・ジャクソンは残留ですが、その他の二人はこれまにない超大物達。なんと、エアロスミスのスティーヴン・タイラーとジェニファー・ロペスというラインナップです。


コンテストの審査員というのは大体甘口・辛口を取り混ぜてバランスを取るものですし、これまでの「アメリカン・アイドル」はサイモン・カウエルが“超”辛口で、ポーラ・アブドゥルがどちらかというと甘口傾向でした。今回のアメリカン・アイドルでは、スティーヴン・タイラーが甘口で、ジェニファー・ロペスが辛口のようです。と言ってもスティーヴンが超ストレートな感激屋さんタイプですので、「お前、スゲーよ!天才だぜ!」などと興奮する一方で、ダメなものはダメとバッサリ切り落としてしまう傾向が強いそうですが、一方のジェニファー・ロペスは生真面目な辛口評が基本ながらも、良い面もしっかりと見抜いてフォローも忘れないようです。

そんなところで、今回のこの超大物二人もうまくバランスが取れているのかもしれません。そこに最長老の審査員であり、大ベテラン・プロデューサーの立場からディテールまで実によく見抜くことの出来るランディ・ジャクソンが、二人の間に入って全体をうまくまとめるという図式になるようです。
そうした中で数日前、「アメリカン・アイドル2011」のTVコマーシャルの放映が始まりました。期待にそぐわず、エモーショナルなスティーヴンとクールなジェニファーが実に対照的で、ランディがしっかりと脇を固めて、絶妙な審査員トリオが誕生、と言ったところです。

もう一つ今度の「2011」が興味深いのは、「アメリカン・アイドル」はシンガー対象の“のど自慢”故、どうしてもR&Bやカントリー系のポップ・シンガーというのが主流でしたが、今回ロック系とラテン系のスーパースターが審査員に加わることにより、ジャンルの拡大も望めるのではないかという声も出ています。確かに、彼等の存在はロック・マーケットやスパニッシュ・マーケットにとっても絶大なものがありますし、そうした分野から新たなスーパースターが誕生してくるという期待は十分に持てます。
いずれにせよ、現在本選に残るトップ24の選考が進められているとのこと。どんな才能が飛び出してくるのか、今から楽しみなところです。

2:最近のインディ・ポップ事情

インディと言えば、一昔前はオルタナティヴ系やグランジ系などといった、ちょっとマイナーでちょっとアバンギャルドでちょっと暗いロックというイメージが強かったものでした。しかし、時代は変わり、インディは音楽ジャンルではなく、単なる音楽活動や露出方法の一手段となり、ジャンル的な特徴といったものは無くなっていきました。つまり、インディとはジャンルではなく“手段”であり、あらゆるジャンルに“インディ”が存在するようになっていったわけです。

そうは言っても、今も“インディ”と呼ばれる音楽ジャンルは存在しますし、メディアはそれを商売の種として利用しようとするわけです。ほとんどの場合、それらはアーティスト達当事者にとっては甚だ迷惑なだけでもあるのですが、そうした時流・流行に乗ってチャンスをつかんだラッキーな才能が世に出てくるということも事実です。
最近のインディと言えば、“インディ・ポップ”と呼ばれるジャンルが人気・注目度も高いようです。インディ・ポップと言っても、その音楽は多岐に渡るわけですが、中でもアフロ・ビートやアフロ・ポップに影響を受けた、ポップなロックが最近メディアの注目を集めています。

ここNYでは、どの筆頭に挙げられるのが地元出身のヴァンパイア・ウィークエンド。メンバーはコロンビア大学出身という“エリート”な若者達であるのが話題です。極めて独特のお洒落なセンスでアフロ・ビートやアフロ・ポップを取り入れているので、一聴すると“アフロ”っぽさはあまり感じられませんし、どちらかというと一昔前のスカに近い感じでしょうか。ただし、良く聴くとギターのリフやベースライン、ドラムパターンなどはアフロ的センスを巧みに取り入れて実に良く構築されており、この辺りは彼等のスマートな才能が現れていると言えるかもしれません。

東のヴァンパイア・ウィークエンドに対して西のロサンゼルス出身で話題になっているのがローカル・ネイティヴです。彼等の場合は音楽的にも実に懐が深く、アフロ的要素もヴァンパイア・ウィークエンドよりも顕著なだけでなく、ビーチ・ボーイズなどの60年代ロックのハーモニー・センスや、トーキング・ヘッズなどの80年代ニューウェーブ・センス、そして70年代のフリー・ジャズなどのアバンギャルドな感覚までも持ち合わせているという実にユニークなバンドです。彼等は10月末にニューヨークにやってきて、ニューヨークのトレンディーなミュージック・ライヴ・カルチャーの拠点でもあるウェブスター・ホールで週末に二日間ライヴを行いました。
様々なメディアでも取り上げられ、ライヴも超満員の大盛況でした。ある意味でNY受けするワイルドでライヴ感覚溢れるバンドと言えるかもしれません。

今話題のミュージカルの一つ、フェラ・クティの生涯を題材にした「Fela!」もそうですが、NYと“アフロ”は実に緊密な関係にあって、様々なミックス・カルチャーを生み出していると言えます。そこには、西からやってきたローカル・ネイティヴスのサウンドやテイスト、スピリットもどん欲に取り入れて、更に新たなムーヴメントを生み出してしまうパワーを秘めているように思います。熱狂のローカル・ネイティヴのライヴに狂喜するニューヨーカー達を観ていると、そんな感想を抱いてしまいます。

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