【I Love NY】The RootsがTVショーのハウス・バンドに!
(ここではSTEPのNYスタッフから届く、現地の最新音楽情報の一部をご紹介しています!)
アメリカでは今も「レイト・ショー」と「トゥナイト・ショー」いうNBCのテレビ番組が人気です。
前者はデヴィッド・レターマン、後者はジェイ・レノという人気コメディアンをホストにした長寿番組です。これに続いて人気があるのが、更にその後の時間帯に放送される「レイト・ナイト」です。こちらはコナン・オブライエンというレターマンやレノよりも若い世代のコメディアンがホストで、ひょうきんなパーソナリティと、パンチの効いたちょっと危ないジョークが魅力になっています。
これらの番組には必ずハウス・バンドがいて、レターマンにはカナダ出身でブルース・ブラザースの音楽監督も務めていたキーボーディストのポール・シェーファー率いるバンド(ベースはウィル・リー)が、レノにはジャズ・ギタリストのケヴィン・ユーバンクス率いるバンド(ドラムはマーヴィン・スミッティ・スミス)が付いており、オブライエンにはなんとブルース・スプリングスティーンのEストリート・バンドのドラマー、マックス・ワインバーグ率いる7人編成のジャズ・バンドが付いています。
そのオブライエンはこの度出世・昇進し、レノの後釜として「トゥナイト・ショー」のホストを務めることになりました。そのオブライエンの後を受けて「レイト・ナイト」のホストを務めることになったのが、これまた人気テレビ番組「サタデイ・ナイト・ライヴ」の人気コメディアン(彼はミュージシャンでもあります)でもあったジミー・ファロンです。
このファロンの起用には当初から賛否両論が渦巻いていました。なにしろファロンは「サタデイ・ナイト・ライヴ」の中では“最も面白くないコメディアン”とも言われ、いわゆる“ハズし系”で笑いを取るタイプのコメディアンとも言われていました。
このファロンの起用に続いて更に賛否両論を巻き起こしたのがハウス・バンドです。
なんとファロンの「レイト・ナイト」のハウス・バンドには、ヒップホップ界のカリスマ・バンドであるThe Rootsが起用されたのです。TV番組のハウス・バンドというのは、いわゆるショーのための“ハコバン”です。音楽性や音楽の中身よりも、トークとの掛け合いが重視され、バラエティ色も強くなります。これにはThe Rootsのファン達からは猛反発が巻き起こりました。
「The Rootsはコマーシャリズムに魂を売った」
というファン達の反発に加え、「カリスマ性も薄れ、人気も落ちているThe Rootsが金欲しさにテレビに身売りした」という辛辣な音楽ファン達からの批判も起こり、「これはThe Rootsの新しいステップ・可能性だ」という前向きな意見はまだ少数派のようです。
事実、YouTubeや様々なブログを見る限り、3月2日から始まった彼のショーに対する意見は批判的なものが目立ちますし、「何故The Rootsなのか?」という声も多く見られます。しかし、まだまだ番組は始まったばかり。レターマンもレノも、そしてオブライエンも最初は皆批判的な意見にさらされましたし(特にNYのメディアやファンは辛辣ですので)、ファロンとThe Rootsが今後どのように番組を作っていくのか、大変気になるところです。
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