【I Love NY】 ??R&Bドラミングのシークレットとは?
(ここではSTEPのNYスタッフから届く、現地の最新音楽情報の一部をご紹介しています!)
これまで数多くのレコーディングを手掛けてきて、私がいつも日米の差を強く感じていることの一つに、ドラマーのドラミングとドラム・サウンドがあります。
ジャズ・ドラマーに関しては本当に素晴らしい日本人ドラマーが増えてきました。その繊細さやリアクションの良さに、多くの黒人ジャズメン達がNY在住の日本人ドラマーを起用しています。
しかし、R&Bやファンク、ソウル系となると、これはもう日本人にはどうしても手の届かない世界になってしまいます。
特に最近のR&B系ドラムは皆パワー・ヒッターです。明快でタイトでクリアで、ズシリとした重みとパンチのあるドラム・サウンドが基本になっています。最近でもアリシア・キーズ、レイラ・ハサウェイ、チャカ・カーンなどR&B系のショーを見ましたが、ドラマーは皆無名で若いながらも実にビビッドで体に痛いくらいのシャープなサウンドを聴かせていました。
PAやミキシングの問題は別として、多くの人は、それはパワーの違いであるとか、
ノリの違いであると言います。もちろんそれもあるでしょう。しかしいつも間近でそれを聴き続け、見続けている私には、シークレットは他にもあるように感じます。
その一つはストロークのスピードとリバウンド(アップ・ストローク)です。彼等のほとんどは決して力を込めては叩きません。もっと正確に言うならばドラムを叩きつけたりるようにはプレイしません。問題はスティックを振り下ろす強さだけではなく、振り下ろすスピードと振り下ろした後に振り上げるスピードの素早さでもあるのです。これによって音の粒が圧倒的に異なり、ハリのあるパワフルなサウンドが生み出されるとも言えます。
果たして日本人ドラマーがR&B系のドラマーに起用される日は来るでしょうか。