【I Love NY】1:マイケルの一周忌と更に評価が高まる彼の功績 2:女性シンガー達に影響を及ぼすレディ・ガガ旋風

(ここではSTEPのNYスタッフから届く、現地の最新音楽情報の一部をご紹介しています!)

1:マイケルの一周忌と更に評価が高まる彼の功績

昨年の6月25日は今もまだ信じられない日でした。その時私は仕事中でしたが、娘が
「Michael Jackson dead…」とテキスト・メールを送ってきたときは冗談かと思いました。テレビのスイッチをひねると、なんとどこもマイケルの報道。それでも私はまだ信じられませんでした。そして一年経った今もまだ信じられません…。それは私だけでなく、私の周りの友人・知人、そして多くのアメリカ人にとっても同じことであると思います。


マイケルの死に関しては、しばらくスキャンダルな報道が続き、賛否両論も飛び交いました。その死があまりに唐突で不可解であっただけに、それは仕方のないことであったと思いますが、時と共にそうした浮ついた興味本位のほとぼりは徐々に冷め、マイケルの真の功績についての評価が音楽業界やメディア、ミュージシャンやファン達の間で更に高まってきているというのが一種気を迎えた最近の印象と言えます。そうしたマイケルの偉業に関しては、ここで私などが改めて述べる必要はないでしょうし、このニュースレターはそのためのものではないので差し控えますが、最近こちらの音楽業界やミュージシャンの間でよく言われるのが、マイケルの音楽ジャンルを越えた才能や活動です。

それが一つの形・成果として結集したのが、今考えると正に奇跡と呼ぶしかない、様々な音楽分野のスーパースター達が大結集したあのオリジナル「We Are The World」であると言えますが、マイケルは実はバックボーカルとしても様々なレコーディングに参加しており、ファンやメディアも知らなかった隠れレコーディングというのも結構あるそうです。この辺もファンの方々なら先刻承知であるとは思いますが、

私自身が今まで知らず、驚いたのがドゥービー・ブラザーズとの共演です。
なんとマイケル・マクドナルド参加後の大ヒット・アルバム「ミニット・バイ・
ミニット」に数曲、バック・ボーカルとして参加していたということが判明し、方々で大きな話題となりました。マイケルのダンス・ヒーローはフレッド・アステアでしたし、チャイコフスキーのクラシック音楽も大好きでした。彼のアーティスティックなバックグラウンドや、それをいかに誰にも真似のできない彼自身のスタイルとして昇華していったかを知れば知るほど、彼の計り知れない才能と功績に圧倒されるばかりです。

2:女性シンガー達に影響を及ぼすレディ・ガガ旋風

現在もツアー続行中のレディ・ガガですが、ツアーの合間もいろいろとお騒がせな
事件を起こし、メディアの注目の的となりつづけているようです。先日もニューヨークで大リーグ観戦に訪れたそうなのですが、まずはメッツの試合を観にシティ・フィールドに現れ、人気コメディアン、ジェリー・サインフェルドのスイーツ席でビールをがぶ飲みしながら報道陣に中指を立てて挑発。サインフェルドはガガの態度にかなり腹を立てていたそうです。

続いて、ヤンキース対メッツのサブウェイ・シリーズを観戦にヤンキー・スタジアムにセクシーな下着姿にヤンキースのピン・ストライプ・ジャージを羽織った出で立ちで泥酔して現れ、試合後はそのまま無断で選手のクラブハウスに侵入。これにはヤンキースのスタインブレイナー・オーナーが激怒したと言われます。

そうしたことも重なり、ガガに関しては最近メディアのバッシングも強まってきて
いるようです。実際に彼女がこれからも人気話題の的となり続けられるのか、後世に残る大アーティストとなるのかはわかりませんが、とにかくガガの奇抜なコスチュームや表面的なスタイルは、他の人気女性シンガー達にも大きな影響を与えているようです。
中でも、クリスティーナ・アギュレラは新作のPR写真がまるでガガのスタイルそっくり。アギュレラはシンガーとして本当に才能のある人ですから、これにはファンやメディアも「何でクリスティーナまでが」「そこまでしなくても」と、一斉に非難・失望を表しているようです。

また、アメリカの大人気ティーン・アイドル、マイリー・サイラスも、ガガのスタイルに影響を受けたようなコスチュームや出で立ちがバッシングされているようです。
結局こういったメディアのバッシングというのは単なるゴシップネタですから、音
楽面から言えば関係のないことではあるのですが、ガガというあまりに強烈で影響力の強い存在が登場したことで、他の有名女性シンガー達(本人というよりも、レコード会社やマネージメントなどの周囲)が敏感に反応し、ビジュアル面での追従を始めているというのは、あまり歓迎すべきこととは言えないと思います。

最近の女性シンガー(アーティスト)には、ガガを始め、ピンクやビヨンセ、リアナ、MIAなど、過激なセクシーさや奇抜さが目立つ人が増えていますが、これは子供達への影響云々といったPTA的な批判ではなく、アーティスト自身の個性も潰してしまう可能性が高いことが指摘され、危惧されているようです。

過激さや奇抜さが特徴の女性アーティストというのは過去にもたくさんいました。ジャニス・ジョプリンやダイアナ・ロス、スティーヴィー・ニックスやシンディ・ローパーなどもそうでしたが、彼女達の場合は、過激さや奇抜さが作られたものではなく、それ自体が彼女達の素の個性であったり、例え作られたものであったとしても、本人の個性がそうした表面的なものを遙かに超えていたと言えます。過激さ奇抜さというのは、更に過激に奇抜にしていかなければ話題になりませんし、エスカレートし続けていった先には必ず惨めな崩壊・終焉が訪れます。せっかくの才能を上辺だけの流行やメディアが先導する浮かれ騒ぎに翻弄されないように大事にしてほしいと願うばかりです。

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