【I Love NY】21世紀のNYに生きるスウィング・ジャズ
(ここではSTEPのNYスタッフから届く、現地の最新音楽情報の一部をご紹介しています!)
音楽とダンスは切っても切れない関係にありますし、常に音楽とダンスは共に歩んできた
関係とも言えます。アメリカの誇る音楽文化の一つであるジャズも同様です。
特にスウィング・ジャズは30〜40年代の最もヒップなダンス・ミュージックでした。タップ・ダンスやチャールストン、そしてリンディ・ホップなど様々なスタイルを生み出してきたスウィング・ダンスは、スウィング・ジャズと共に大きなムーブメントを生み出し、一つのカルチャーを形成していったと言えます。
そんなカルチャーを今も大事にし、そして愛する人達がNYにはたくさんいます。
NYには今も数多くのジャズ・ビッグバンドまたはジャズ・オーケストラが存在しますが、
スウィング・ジャズ・オーケストラでは、ジョージ・ジー率いるメイク・ビリーヴ・ボールルーム・オーストラとデヴィッド・バーガー率いるサルタンズ・オブ・スウィングがその代表格と言えると思います。ジャズの巨人達の音楽が現代に蘇ったと思うほど、彼等の演奏はエネルギッシュで楽しく、
体を動かさずにはいられないほどの躍動感に満ちています。
特にジョージ・ジーは、中国系アメリカ人であるということでも注目を集めています。
ジャズと中国は妙な組み合わせと思うかもしれませんが、上海は20〜30年代、ジャズが
盛んであったことは良く知られています。自分自身のルーツにおいてもジャズと深い関わりを持つ中国系アメリカ人のジョージが、NYで(というか世界で)最もヒップなスイング・オーケストラの一つを率いていることはとても興味深いと言えます。
ジョージのオーケストラはツアーに出るとき以外は毎週火曜日、ミッドタウンにある
Swing 46 Jazz & Supper Clubをホームグラウンドにして活動を行っていますが、年末年始はタイムズスクエアにあるエジソン・ホテルのボールルーム(ダンス・ホール)で歌とダンスをミックスしたクリスマス向けのエンターテイメント・ショーを行いました。
ジョージのバンドのメンバーには私の友人も何人かいるので足を運びましたが、ショーはまさに40年代に舞い戻ったか、映画の中にいるかのような錯覚を起こすほどに絢爛豪華で
ノスタルジックでありながら、現代のNYの音楽カルチャーの一つをしっかりと
見せつけてくれるパワフルで素晴らしいものでした。
スウィングは聴いて楽しく踊って楽しい音楽です。演奏するメンバー達も実に楽しそうで、
観ているだけでも楽しくなってしまいます。ジャズの歴史という時間の縦軸を自由にこだわりなく楽しむことができれば、NYのジャズの醍醐味を一層深く味わうことができると思います。