【MUSIC】四星球

メディアコミュニケーション部の青山です。
猛暑に次ぐ猛暑、そして長かった残暑も終わり、
急激に寒くなってまいりましたが、
みなさま体調は崩されてませんか?

昨今、胸が痛むような出来事もたくさん起こっている日本列島ですが、、、
今回は、そんな日本を元気づけてくれる(かもしれない?)
おすすめコミックバンドをご紹介したいと思います。

まずは、バンド結成17年、今や全国のライブハウスやフェスで活躍中の『四星球』。

確実に「ドラゴンボール」から取ったこのバンド名は「スーシンチュー」と読みます。
法被(はっぴ)にブリーフという潔いステージ衣装。
手作りの小道具を駆使し、トークと音楽で大爆笑のライブを繰り広げる彼らですが、
なんと、彼らのキャッチコピーは「日本一泣けるコミックバンド」。

笑いに包まれつつも、最後の最後にウルっとさせてくれるライブは一見の価値あり!
「どういうこと?」な方は、是非一度、彼らのライブを体験してみてください。

そんな彼らの最近のMVはこちら↓
四星球「モスキートーンブルース」Music Video(耳年齢診断つき)

四星球 「YouTube動画『言うてますけども』」

続いては、そんな四星球の先輩にあたる、京都出身のコミックバンド『花団』。
1999年に結成。その後、拠点を東京に移し、2011年にはメジャーデビュー。

2013年に一度解散したものの、バンド仲間たちからの熱烈なオファーを受け、
(何事もなかったかのように)現在は活動を再開しています。
シナリオなのか?アドリブなのか?(実際アドリブ多め)
どんなハプニングも笑いに変える姿勢は打たれ強く前向きです。
…ま、機会があったら観てやってください。(笑)

メジャーデビューした時の貴重なMVはこちら↓
花団 / 俺のブーメラン(short ver.)

そして最後は、特別編として、ヘビーメタルバンド『THE冠』。
ボーカルの『冠徹弥』さんは、またしても京都出身。底抜けにコミックな48歳です。

「北斗の拳」に出てくるラオウの鉄兜、ロード・ウォリアーズの鎧、
スタン・ハンセンのベストなど個性的なステージ衣装がトレードマーク。

ユーモアに溢れた歌詞を重厚なヘビメタサウンドに乗せ、
ふざけながらも圧倒的な声量で歌い上げるライブは、
笑いと感動が入り混じるエンターテインメント性の高いものとなっています。

(それもそのはず、冠さんは「劇団☆新感線」の舞台にも出演するほどの実力の持ち主!)

正直、今となっては人気が落ちているヘビーメタルですが、
そんな中でも『THE冠』の音はかなりかっこいいです!なんとか売れてほしい!!

THE冠「糞野郎」MV

https://youtu.be/LllBj89X7

今回は、僕個人の想いが入ってまい、少々偏った紹介でしたが、、、
嫌なことがあった日は、彼らのライブを観ればきっと立ち直れる(かもしれない)。
そんなおすすめコミックバンドを紹介してみました。

(青山)

【Shop in Azabu】麻布十番 嘉 YOSHI

今回は、この記事を書くためにこっそり通っていた、

とっておきのお店を紹介させていただきます。

和食、フレンチ、肉の創作料理の「嘉(よし)」です。

和食の板長さんとフレンチのシェフがタッグを組んで

和と洋のフュージョン料理を提供しているお店です。

 

まずは外観、ガラス張りの端整な佇まい、初めて入る時は少々緊張しつつ

暖簾をくぐりました。

2階はコース専用の個室ですが、1階はすっきり瀟洒なL字型カウンターで

12席。リーズナブルなランチはこちらでいただけます。

ランチメニューは季節によって変わりますが、だいたい10種類ほど。

丼や、パスタ、お魚やお肉の定食、時にはアジアンなものも。

(夏にタイ料理のパッタイをいただいたことがあります)

どれも和の滋味とフレンチのテイストが絶妙に融合した

個性的なランチメニューです。迷います!!

私は秋刀魚の蒲焼丼を注文しました。

まずはサラダが来ます、水菜にゴマダレでさっぱり美味しいです。

香ばしく味の染みた蒲焼に煮付けた大根、半熟卵に

ミョウガのはいった薬味、絶妙かつ極上の味!

 

そして同伴者は「鶏モモ肉の赤ワイン煮込み」

コクのあるソースにほろほろとやわらかい鶏肉、

さっぱり味の鳥スープ、パンはおかわりも出来ます。

ボリュームにも大満足!

 

最後に必ず熱いお茶を出して下さるので

ホッと一息ついてお昼休憩の区切りがつきます。

 

和の寛ぎ感とフレンチの高級感が同時に味わえる稀有なお店です。

来年は銀座に移転するとの情報も!

その前に是非!行ってみてください。

 

  • 麻布十番 嘉 YOSHI

〔住所〕東京都港区麻布十番3-7-4

麻布十番駅1番出口 徒歩2分

〔Tel〕    03-6809-3190

〔営業時間〕[昼]12:00~14:30(14:00LO)                                                                                                 

[夜]17:00~23:00(22:00LO)

〔定休日〕 日曜日

 

             (フクイ)

 

 

 

 

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 November 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

             

 

 最近私は非常に悩んでいます。Amazonのサービスを利用し続けるべきか、やめるべきか…。いやこれはくだらない話のようで実はくだらない話ではないのです。つまりこれは、最近アメリカで大きな問題として取り上げられているプラスチック製品や容器の使用のように、単に使用をやめたり分別ごみを徹底させるというような話ではなく、自分の音楽ライフのみならず、ライフそのものに関わってくる問題もであるからです。

 私自身は現在、Amazonプライムの会員であることでAmazon Musicの特典(プライムに指定されているAmazon Music音源の無料ダウンロード/ストリーミング)やプライム商品の送料無料というサービスの“恩恵”を受けています。また、音楽関連のみならず、いわゆる生活必需品の類に至るまで、Amazonのオンライン・ショッピングというのは本当に便利なサービスであることは間違いありませんが、実はAmazonの触手はオンライン上の販売やサービスという世界とは別の分野にまで伸び、様々な面から人々の生活に大きな影響を及ぼしています。

 先月のニュース・レーターでも少し触れましたが、Amazonというのは今や流通業界を制しているだけでなく、データ・ビジネスの世界をも制しているわけですが、更に国や行政、軍ともつながることで、政治や一般社会のレベルにまでその影響力を広げてきているのは、まだ気づいていない人も多い重要な事実であると言えます。

 現時点において、この問題のコアな部分というのは、AmazonがICE(移民税関捜査局)に対して自社の顔認識テクノロジー(ソフトウェア)を提供しているという点です。つまり、現在のアメリカを二分する要因の一つにもなっている不法移民の摘発と強制退去に関してAmazonは“多大な貢献”を果たしているというわけで、サンフランシスコ市議会では市当局による顔認証監視技術の利用を禁止する条例案が可決しましたし、先日は400人近いミュージシャン達による抗議行動も行われました。

 Amazonはそれ以前から、プライバシーの問題に関する疑惑がありました。それはスマート・スピーカーとも呼ばれるAmazonのAI搭載スピーカーEcho(エコー)のユーザー達に起きたトラブルという形で話題沸騰したわけですが、このAI部分であるAlexa(アレクサ)が、プライバシーの侵害というよりも、結果的に個人情報の監視と盗用に一役買うという恐ろしい事態を招いたわけです。当のAmazonは中国内からのハッキング行為を理由にこの事件について弁明しましたが、何でも気軽に話せる“お相手”と思っていたAlexaの“ご乱心”(Hal 9000を思わせる異常な誤動作)に多くのユーザーは青ざめ、実はAmazon自体がAlexaを通して個人情報を監視・盗用しているのではないか、という疑惑も出てきたわけです。

 もう一つは、ニューヨークのロング・アイランド・シティに建設予定であったAmazonの第二本社に関する騒動です。ここは実は私が住んでいるエリアなのですが、もしもAmazonの第二本社ができると、地価が急上昇して多くの地元民が追い出される結果となりますし、Amazon移転による公共交通機関の大混雑と整備の必要性(つまり莫大な金がかかる)、そしてニューヨーク市や州による地元市民のための再開発費予算がAmazonへの助成金や税優遇措置によって大幅に削られる結果にもなります。そのため、この移転計画は地元の猛反発を食らって結果的には撤退となりましたが、Amazonは地元行政を抱き込んで引き続き移転の実現を画策していると言われています。

「今、中国よりも危険なのはAmazon」こんな意見も巷ではあちらこちらで聞かれます。

さて、皆さんはAmazonとどう付き合われますか?

 

 

トピック:ドリー・パートンはアメリカを癒せるか?

 

 アメリカは11月の第一月曜日の翌日火曜日が「エレクション・デー」、つまり選挙日です。よって、10月は選挙と政界絡みの話題が一層賑やかになりましたが、先日は故プリンスの地元ミネアポリスにおけるトランプの再選キャンペーン中に「パープル・レイン」が使用されたことにプリンスの財団が強く抗議したというニュースがありました。

 プリンスは2006年大統領選の6か月少しほど前に亡くなりましたが、選挙戦から大統領就任後もプリンスの財団はトランプに対してプリンスの一切の楽曲の使用不許可を通告し、昨年はプリンスの弁護団がトランプに対して公式・法的な手紙も出していました。ですが、法規などまるで気にしない(つまり無法者)トランプですから、性懲りもなくプリンスの曲を使っていたようです。

 

 2016年の大統領選時の本ニュー・レターでもお伝えしましたが、トランプはアメリカ史上で最も有名ミュージシャン達に嫌われている大統領と言え、逆に彼を支持する有名ミュージシャンというのは数える程しかいません。

 どこを向いてもアンチ・トランプだらけの有名ミュージシャン達の中でも特に目立っているのは、ニール・ヤング、リアナ、ジョン・レジェンド(とパートナーのクリッシー・テイガン)、エルトン・ジョン、ファレル・ウィリアムス、テイラー・スウィフト、セリーナ・ゴメス、スヌープ・ドッグ、エミネム、ブルース・スプリングスティーンなどといったところではないでしょうか。

 中でもジョン・レジェンドとクリッシー・テイガンに関してはトランプ自身も目の敵にしており、ことあるごとにツイッターで非難を浴びせていますが、不思議なことにトランプが毛嫌いしているジェイZとビヨンセは、トランプを非難しつつもあまり相手にはしていないようで、まだこれといった“直接対決”は実現していません。

 

 トランプにとっては”A級戦犯”とも言える上記有名ミュージシャン達に続いて、“B級戦犯”的存在とも言えるのがポール・マッカートニー、ジョージ・ハリソン財団、ローリング・ストーンズ、ポール・ロジャース(フリー)、クイーン、(特にブライアン・メイ)、エアロスミス(特にスティーヴン・タイラー)、ガンズ&ローゼズ(特にアクセル)、R.E.M.(特にマイケル・スタイプ)、アデル、シャナイア・トゥウェイン、ルチアーノ・パヴァロッティなどと言ったところで、彼等は楽曲不使用を中心にトランプに対するノーを公表し続けています。

 

 そうした中で先日、「ドリー・パートンはアメリカを癒せるか」という面白い記事を見つけました。カントリー音楽のみならず、アメリカ音楽界を代表するアイコン的な元祖ディーヴァ&女王の一人であり、アメリカの国民的大スターとして、日本で言えば美空ひばり級の人気・地位・評価を誇るドリーですが、彼女こそが、南北戦争以来と言われるほどに分断され、反目・憎悪と攻撃的な姿勢・論争に満ち溢れた今のアメリカを、その音楽と人間性または存在感によって癒すことができるのではないかという内容でした。

 

 そもそもこの記事の発端となったのは、ニューヨークのローカルFM局であるWNYCのポッドキャスト(インターネット・ラジオ)・プログラムとして去る10月15日から12月8日まで週一でスタートしたトーク番組で、10月末の時点で既に3つのエピソードが配信されています。プロデューサー兼ホストのジャド・アブムラドはレバノン移民のアメリカ人ですが、ドリー・パートンと同じくテネシー州の出身で、アメリカの社会・世相を反映した切り口の鋭いラジオ番組をプロデュース(そしてホスト)することで知られています。

 今回のドリー・パートンの番組でも、彼自身によるドリーへのインタビューを軸に、ゲストも交えながら自らコメント・分析し、話の前後で、過去のドリーのインタビューやレコード、コンサート、テレビ番組などの音源も実に手際よくカットアップしてつなぎ合わせ、1時間近いプログラムを全く飽きさせずに仕上げています。

 

 番組の作りも実に印象的で興味深いと言えますし、ドリー・パートンの功績よりも、その実像をアメリカの社会や動きと対比させながらくっきりと浮かび上がらせる手法は見事と言えますが、やはり最も印象的なのは、ドリー・パートンという稀有なミュージシャンその人であると言えます。

 ドリーはジョークのセンスにも非常に長けた人で、相手のジョークや突っ込みを一層のジョークで笑い飛ばすことでも知られています。とにかく明るく陽気で優しいお姉さん(かなり過去)⇒おばさん(少し過去)⇒お婆さん(現在)というイメージで、これまでも特定の個人やグループを傷つけることも怒らせることもなく(狂った性差別主義者から脅迫されたことなどはありましたが)、50年以上その強烈なキャラを維持し、愛されてきたことは驚くべきことです。

 

 また、彼女はファン層の広さにおいてもダントツで、そのグラマラスな容姿やキャラからLGBTQコミュニティでも非常に高い支持を集めている一方で、ゴリゴリの保守派・原理派クリスチャンのおばさん達にも愛され、フェミニストのキツいお姉さんたちからも一目置かれている一方で、トラック野郎や炭鉱労働者などのマッチョな男達からも愛されるという点は、マリリン・モンローとレディ・ガガが合体?したような振れの大きさとでも言うのか、他に類を見ないユニークな存在と言えます。

 しかも、ドリーの面白さは、そうした幅広い層の全てに対して愛情を持ちつつも、特定のグループとは同調・共闘はしない(逆の言い方をするならば、相手を攻撃しない)という、全てに関してある一定の距離を置いているとも言える点で、そこには本来アメリカの美徳でもあった個人(尊重)主義が貫かれているという見方もできます。

 

 シンガー/パフォーマーとしてのインパクトが強い彼女ですが、実は彼女自身はシンガーである前に作曲家として活躍・成功したシンガー・ソングライターです。

 これは私自身、今回のラジオ番組で再認識したことですが、彼女の初期の曲というのは、彼女自身が「Sad Ass Songs」(「悲しい歌」に「Ass=ケツ(尻)」という言葉を挟むことで汚っぽく強調しているスラング。彼女はちょっと汚いスラングをよく使うのですが、それも逆に親しまれている点でもあります)と呼んでいるように、ひどい話の悲しい歌というのが数多くあります。

 それは、女性ならではの心の痛み、古い女性観から来る女性の行動(主に性行動)に対する偏見・非難、女性(妻)に対する家庭内暴力、男(夫)に騙されること・男(夫)を騙すことによる苦痛、を告白・代弁するといったかなり生々しい内容です。そうした中の頂点の一つとして、未婚の若い女性が妊娠したことで相手の彼氏や自分の家族にも見放され、最後は孤独な状況の中で陣痛が起きて死産を迎えるという、あまりにも悲惨な曲もあります(これはラジオ番組中、ドリー自身が最もお気に入りの曲と語っていました)。

 この曲はその後、ナンシー・シナトラやマリアンヌ・フェイスフルなどにも歌われましたが、発表された1970年当時はラジオで放送禁止にもなりました。しかし、こんな悲惨で物議を醸す歌を歌っても、そのイメージが崩れることなく、明るいキャラを維持しているというのは本当に驚きでもありますし、それは恐らく彼女の深い人間性に根差しているようにも思えます。

 

 今回の記事、そして上記の話を含めたドリーのラジオ番組を聴いていて感じたのは、彼女のシンパシーや社会意識というのは、最近話題となっているような様々な問題よりももっと世の中の根底・底辺にあるという点です。

 アメリカでは多くの人達が知る有名な話ですが、ドリーはテネシーの片田舎で12人兄弟の4番目として生まれ育ち、幼少の頃は一部屋しかない“掘っ立て小屋”で暮らす極貧生活であったそうです(その家の写真が昔、彼女のアルバムのカバーに使われたこともありました)。

 厳しい冬を前にお母さんが端切れを縫い合わせてコートを作ってくれて、学校ではみんなに馬鹿にされても、彼女自身はそのコートを誇りに思う、という涙ものの話も有名ですが(これは彼女の代表曲の一つにもなっています)、そうした極貧時代の辛かった経験が、逆に彼女の優しさと芯の強さの基盤となっているようです。

 ドリーの慈善活動に関しては彼女自身が設立したドリーウッド基金による取り組みがよく知られていますが、彼女自身の経験がバックグラウンドとなっていることもあり、その対象は識字率の向上であったり、景気の落ち込んだ地域の雇用促進であったり、常に忘れられ、切り捨てられそうになっている社会の底辺に生きる人々に向けられています。

 彼女は保守か革新かと問われれば、間違いなく保守に属する人であると言えます。ですが、彼女の保守というのは世に言うところの政治的スタンスとしての保守ではなく、アメリカの良心、というよりも人間としての良心を保ち守る、という意味での保守と言えます。

 自分がかつて徹底的に弱者であったことから弱者を絶対に見捨てないという強い信念と行動(音楽においても、慈善活動においても)が彼女の“保守”であり、この極端なまでのピラミッド社会(つまり底辺の数が圧倒的に多い)であるアメリカにおいて、彼女の活動は保守も革新も、右も左も、誰もが支持する結果となっていることも特筆すべきことでしょう。

 

 ドリーはカントリー音楽界を代表する白人のアーティストですが、パティ・ラベルや故マイケル・ジャクソンを始めとする数多くの黒人アーティスト達との交友でもよく知られ、故ホイットニー・ヒューストンがドリーの曲をお気に入りのレパートリーにしていたこともよく知られています(映画「ボディ・ガード」で歌われた「I Will Always Love You」)。

 ドリーは私生活においては二十歳の時に結婚(相手は道路舗装業を営んでいた一般人)して以来、今もおしどり夫婦であり続けています。子供はありませんが、マイリー・サイラスの名付け親であるなど、多くの人達から母親的な存在ともされてきましたが、容姿ではなく中からにじみ出る彼女の母性というのは、若いころ幼い妹や弟たちの母親代わりを務めてきたことから来ているとも言われます。

 

 私自身も70年代からドリーのファンでしたが、この人の圧倒的なカリスマ的存在感と、それでいて温かで優しい包容力溢れる隣のお姉さん(当時)的な親しみやすさというのは、膨大な数のスター達の中でも全くもって唯一無二のものであり、極めてユニークであるとも言えます。

 また、彼女はアメリカのスター達の中では珍しく完全なノンポリであり、政治的な発言は決してしない人でもあるので、その意味でも益々左右両極化が進み、中道でさえも引き裂かれつつある今の荒れ果てたアメリカを、音楽によって癒すことのできる”切り札”となるかもしれない、という今回のラジオ番組や記事における意見は中々面白いと感じました。

 もしかするとドリー・パートンが2020年の大統領に?いや、そんなことはあり得ないと思いますが(笑)、トランプが大統領ということ自体があり得ないことでもあるので、今のアメリカであり得ないことは何もない、と言えるのかもしれません。

 なにしろ映画俳優が大統領(ロナルド・レーガン)になる国ですから、そろそろミュージシャンが大統領になってもおかしくはないかもしれませんね(ジェイZやカニエ・ウェストはその座を狙っているとも言われていますが…)。

 

【After Word】衣替えの時期

今月のメルマガはいかがでしたでしょうか。

気温はぐっと下がりまして、天気も不安定な日が続いてますし、
体調管理には十分気をつけたいですね。

そしてこの時期、迷うのが着るもの!

皆さん気温を基準に衣服を選ばれていると思いますが、
改めて振り返ってみます。

■26度以上:暑い、半袖・Tシャツ
THE「夏」の気温ですね。これは当然迷う所なし。

■21度〜25度:心地よい、半袖と長袖の分かれ目
日陰などでは割と涼しくなるので長袖、七分袖も大活躍ですね。

■16度〜20度:やや肌寒い、重ね着を多用
まさに今の時期ですね。長袖に重ねる服を考えて外出、て感じですね。

■12度〜15度:じわじわ寒い、軽めのアウター
本格的なコートは早いけど、軽めのコート等はこの時期に活躍できますね。

■7度〜11度:なかなか寒い、冬の本番近い
一般的に寒い、と感じるのはここからですね。出し惜しみせず、コートを羽織りましょう。

■6度以下:冬が参りました
言うこと無しですが、マフラー・手袋など冬物で万全の防寒対策しましょう。


という感じでしょうか。
着るものに迷いましたら、なんとなく参考にしてくださいませ。


そして、音楽の「衣替え」が必要でしたら、
ぜひ弊社へご相談くださいませ。たくさんのアイディアを出させて頂きます!


それでは来月のメールマガジンもよろしくお願いいたします。

お問い合わせ、配信停止希望はコチラ>>!!

(成瀬)

【STEP INFO】ラグビーワールカップ2019

バレーボールワールドカップJAPAN2019、世界陸上2019DOHA、
そして日本プロ野球は、ペナントレースが終わりCSへ。スポーツイベント目白押しの10月。

その中、ひときわ盛り上がっているのがラグビーワールカップ2019

4年に1度開催される15人制ラグビー世界王者決定戦となるのがラグビーワールドカップです。
約7週間に渡って行われいるラグビーワールドカップは、夏季オリンピック、FIFAワールドカップと並ぶ世界三大スポーツイベントのひとつと言われており、開催初日の日本代表の勝利をきっかけに「こんなにラグビーファンいたっけ??」と思うぐらい大きな盛り上がりをみせてます。

私自身もパブリックビューイングではありましたが、日本中を熱く感動させてくれたアイルランド戦の勝利の瞬間を観させていただきました。
そんなラグビーワールカップ2019にお仕事で携わらせていただけている事への感謝の気持ちを噛み締めながらタイピングしております。

10月は、11月2日の決勝戦で桜ジャージの選手たちが横浜国際総合競技場のフィールドに立っている姿を想像しながら業務に励みたいと思います。
選手と共に闘いましょー!!

ということでステップメルマガ10月号のスタートです。

(いとう) 

【MUSIC】京都音楽博覧会2019&京都水族館

メディアコミュニケーション部のナカヤマです。

「秋分の日」を迎え、
”あの夏の暑さ”を忘れかけてしまう今日この頃。

これから、秋が深くなり、
冬を迎える準備をそろそろしなくてはいけない気がしています。

まずは、先シーズン、クリーニングに出し損なった
毛布とコートをどうにかしなければと・・・

さて、先月、このblogで
「メディアコミュニケーション部のメガネ担当」が書いていた
「京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園」。

台風の影響が危惧されていましたが
9月22日に無事開催されました。

暑くも無く、寒くも無く、風もあり
今年は、とても過ごしやすかったです。
(「NUMBER GIRL」の出演前後時に降った雨を除けば)

毎年、関西での野外フェスの締めくくりだなーと
帰り道になんだかさみしい気持ちが溢れてきますが、
今年も、とても楽しかったです。

そして、この「京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園」の
リストバンドを提示すると「京都水族館」の入場料が半額になる!!!
ということで、こちらも行ってきました。
私は、今まで行くタイミングがなく、初「京都水族館」だったので、
うっかり年パスを買おうかと思うくらい楽しめました。

このように、
「京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園」と「京都水族館」で
私の2019夏の疲れは、スルリと落ちました。

そんな夏の疲れと言いますと・・・
身体はもちろんですが、
髪の毛や頭皮も夏の紫外線でダメージを受けていると言われています。

さらに、最近は、カラーリングしている方も多く、
私の担当をしてくれているスタイリストさんいわく
「近頃は、カラーリングしていない人の方が少ない気がする。」とのこと。

髪の毛も頭皮も大切に!!!ということで、
私が使って良かったアイテムをご紹介します。

「リトルサイエンティスト リケラエマルジョン」。

こちら、
以前は「ベータレイヤーエマルジョン」という名で販売されていましたが、
マイナーチェンジを繰り返し、現在形となっています。

「インバス」でも「アウトバス」でも使える優れもの!!!
特にブリーチをして、ダブルカラーやトリプルカラーをしている方には
とてもオススメです。

私は、出張や旅行など、
これを忘れた時は、どうしたらいいか分からないくらい落ち込みます。

続いては「アリミノ シェルパ バッファーソーダ」。

こちらは、私の場合、基本、
美容院でカラー後に施術してくれるものなんですが、
「頭皮の状況が良くなること」と
「使った後、髪の毛がツルツルになる」と言う理由から、
ホームケアに取り入れました。

週に1回、
スーッとして気持ちがいい、という所と、
毛穴が洗浄されている気がするのでオススメです。

では、みなさん、夏の疲れを残さずに、
優雅な秋をお楽しみ下さい。。。

(ナカヤマ)

【Shop in Tanimachi】蕎麦 守破離

今回ご紹介するお店は、大人気店の本格手打蕎麦『守破離(しゅはり)谷町四丁目店』です。


ランチタイムはいつも長蛇の列。

満員覚悟で行ってみたら……空いていました!

お席はカウンター席とテーブル席、個室がありますので、1名から8名ぐらい入れます。

ランチメニューはこちら


私は少し贅沢に「旬菜天盛りそば」 1,530円を十割にグレードアップ 。(プラス150円)


 一緒に行ったスタッフは「野菜天おろし」 960円を注文しました。

        


こだわりの食材で、薬味のネギまでもフワフワにカットされていてとても美味しいです。     

      


旬菜の内容はトマト、ゴボウ、ナス、山芋、レンコン、ミョウガ、サヤエンドウ、ブロッコリー、カブ、ニンジン、ビーズの全11種類。
もちろん全部美味しいのですが、小さくて細いニンジンが甘くて以外にも印象に残りました。

       


生わさびも大好きなので、いっぱいスリスリしていただきました。
突き刺さるような辛さがやみつきになります!

     


蕎麦は文句無しの美味しさです。説明不要。

最後に蕎麦湯でダシも残さずいただき完食いたしました。


夜は一品もののメニューがたくさんあります。
何を食べてもいちいち美味しいお店、是非行ってみてください!
ご予約必須です!!

 

守破離 谷町四丁目店
06-6944-8808

〒540-0028
大阪市中央区常盤町1-30-20 安藤ビル1F (地下鉄谷町四丁目駅6番出口から徒歩3分)

営業時間:昼 11:30〜14:30/夜 17:30〜21:30
定休日:年中無休
座席:カウンターテーブル 8席、テーブル席 6名掛け4卓、小座敷8席

※堂島店と黒門店もあり

http://shuhari.main.jp/


(ハルキ)

 

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 October 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

             


 最近、どうにもスマホやiPodで聴く音楽(音質)に飽き飽きして、時代と逆行するのは承知の上でポータブルのCDプレイヤーを購入しました。アメリカでは中高年層や人種・人口的にマイノリティとされる移民を中心に、ポータブルCDプレイヤーの需要というのはまだまだあります。SONYやパナソニックも依然人気ブランドですし、アメリカのオーディオ機器メーカーや家電メーカーの安価ブランドも根強い人気がありますが、それらのほとんどは中国製です。更に最近は、中国ブランドの進出が著しく、高級モデル並みの高音質やスペックを破格の値段で実現しているため、評価・レビューも高く、ダントツの人気とベスト・セラーを誇っています。

 しかし、天邪鬼の私はそうした製品には手を出す気になれず、いろいろと探して日本製日本ブランドのプレイヤーを見つけて手に入れました。ブランドはオンキヨー(オンキョーではありません)で、裏には1992年8月製造というラベルが貼ってあり、「MADE IN JAPAN, NISSHIN-CHO NEYAGAWA-SHI OSAKA」と明記されています。

 発売当時は、カセット・ウォークマンもCDウォークマンも、そのコンパクトさと軽量化に感動したものですが、スマホ時代の今となっては「ポータブル」とも言えないほどデカいし、重いし、すぐに音飛びするし、ディスクや電池の交換も面倒だし、若者には驚きのまなざしで見られるし、という有様。人によってはジャンクとも言われてしまうビンテージ機器をカバンに入れて、ニューヨークの地下鉄やストリートで音楽を聴いている私をアホな物好きと呼ぶ人もいますが、しかしこの音には何故か安心感や心地良さを感じます。状態の良い品に当たったため、27年経っても再生機能はもちろんのこと、全て問題無く作動するのもラッキーでしたが、思えば90年代半ばころまでは、日本はオーディオ機器でも楽器でも車でも、本当にクオリティの高い製品を作っていたと思います。実はアメリカ人の中にもそのことを良く知っている人間は多いですし、今も日本製を愛用している人間にも時折出会うことがあります。

 肝心の音質ですが、ポータブル機器はやはりポータブル機器ですし、最近の高品質指向をこの機器に求めようとは思いませんし、高級なイヤホン/ヘッドホンを組み合わせようとも思いません。そもそも、耳の問題で密閉型ヘッドホンやイヤホンが苦手な私は必然的にノイズ・キャンセリングとは無縁であり、最近流行りのハイレス(ハイレゾ)ヘッドフォンにもそれほど興味がなく、この古びたディバイスとの相性も考えて小さな開放型ヘッドホンを使っています。そもそも、世界一の騒音都市ニューヨークの街中では音質も何もあったものではない、とも言えますが、私自身は街の騒音と音楽の混ざり具合というのが結構好きで、ちょっと違った(変わった?)音楽鑑賞法の一つとして楽しんでいます。
 ですが、この機器の本領発揮となるのは、やはりカフェなどの静かなスペースでゆったりと音楽を聴く時であると言えます。最近はすっかり耳慣れたスマホの音とは違う音の質感を、どう説明すれば良いのでしょうか。そこに90年代当時のCD主流であった音楽制作現場の“息吹”のようなものをも感じるというのは私の妄想でしょうか。今回は、そんなイントロから本題に入っていきたいと思います。

トピック:「ハイレゾ」と「ロスレス」の魅力と罠?
世の音楽ファン、特にオーディオ・マニア系の音楽ファンには、「音質はレコードからCD への移行、更にCD からダウンロードやストリーミング(デジタル・ファイル)への移行によって悪化している」と主張する人が多いと言えますが、この主張に対して皆さんは同意されますでしょうか。または、どのように反論されますでしょうか。音質というのは、可聴範囲というフィジカルな面と、好みや心地よさといったメンタル面や感覚面の両方に関わってきますので、万人にとっての統一見解や回答というのはあり得ないと言えます。

 例えば私自身は以前、耳の病気を患ったときに聴力検査というものを何度となく受けた経験がありますが、その時の検査によって、私の聴力はあるレベルの高周波の音には非常に敏感で、逆にあるレベルの低周波の音には鈍感であるということが分かった(診断された)のですが、こうした可聴範囲の差異というのは誰にでも少なからずあることであると思います。

音質の好みや心地よさといったメンタル・感覚面に関しては、更に人によって千差万別です。特にその人にとっての”良い音”というのは極めて感覚的・主観的なものと言えますし、透き通ったような高域のクリアなサウンドが好きなのか、中域の膨らんだ温かなサウンドが好きなのか、いわゆるドンシャリの音が好きなのか、または、とにかく重低音がブーストしてないと気持ちよくない等々、人によって好みはそれぞれです。「原音再生」や「ライヴ音再現」、また「音の解像度」といった言い方や音のクオリティの基準と言われるものもありますが、これも「原音」やライヴの音を捉える聴覚や感性によって“再生度”・“再生具合”も変わってきますし、音を数値で解像することは可能であっても、実際にそれらをどう知覚し、感じるかによって、「解像度」自体も絶対的な価値を持つとは言えなくなってきます。ですが、そうした中にも音の良し悪しではなく、聴覚や感性でもない、テクノロジーに関する明確な“違い”というものは明らかに存在します。それはつまりアナログ(LP)とデジタル(CD)という音の記録・再生方式の違いと、同じデジタルにおいても圧縮の有(MP3 などのデジタル・ファイル)無(CD)といった音の保存方式の違いです。改めて説明するまでもなく、圧縮というのは言葉通り音を圧縮するわけではなく、聴感上において問題ないと思われる(つまり、人間の可聴範囲を超える音域情報)を間引き(カット)してデータ量を減らすわけです。よって、カットされること自体は音質の低下と言えますが、要はカットされた音を人間は聞き分けられるのか、という問題が残ります。

圧縮率はビットレート(kbps)という単位で表されますが、諸説異論はあるものの、一般的に人間が圧縮音源の音質差を聞き分けられるのは、せいぜい128kbps か160kbps程度までとも言われています。例えばアメリカにおいて最も人気の高いストリーミング・サービスであるSpotify の場合、モバイル向けには96kbps、デスクトップ向けには160kbps、そして有料のプレミ
アム会員は、高音質の320kbps のビットレートとに分けて圧縮して配信しています。Spotify のプレミアムは音質の良さが売りですし、実際に私の周りのプレミアム会員達もそのことを強調しますが、その一方で私の周りのAmazon Music やApple Music(どちらも256kbps)愛用者達の多くは、Spotify プレミアムの高音質というのは聴覚上はAmazon Music やApple Music と変わらないとも主張しています。また、Spotify に続く人気ストリーミング・サイトのTidal は1411kbps という、い
わゆる「ロスレス」を実現させ、Spotify やAmazon、Apple などとは比較にならない高音質を売りにしていますが、ここまで来ると判別・比較は更に難しいと言えるようです。実際にこちらのメディアでは以前、数曲の音源をそれぞれ160kbps、320kbps、1140kbps の3 種類のビットレートで聞かせる比較テストを一般に公表して話題になりましたが、その違いを判別できた人は半数にも満たなかったとのことです。そうした中で、Spotify がTidal 並み、またはそれ以上の高音質を実現するSpotifyHiFi の開発に取り組んでいるというニュースがあったのが2 年以上も前のことでした。しかし、2019 年9 月現在、このSpotify HiFi のサービスはまだ登場してはおらず、どうなったのかと思っていたところに、何とアマゾンが去る9 月にAmazon Music のコンテンツを高音質の「ロスレス」で聴くことのできるストリーミング・サービス、Amazon Music HD をスタートさせました。デジタル・ファイルの圧縮に関しては、これまでほとんどがデータ量を削減するロッシー圧縮(非可逆圧縮)によって行われてきたわけですが、今回のAmazon の新サービス登場によって、時代はいよいよ、データを削減しないロスレス圧縮(可逆圧縮)の時代に突入したと言えるのかもしれません。

 ちなみに、Amazon Music HD のビットレートは最大850kbps とのことで、Tidal には少々及びませんが、それでもこれまでの2.5 倍以上の数値です。更に今回、Amazon はHD の上のULTRA HD という目下最高音質のサービスも開始させ、こちらは何と3730kbp という、これまでの10 倍以上の数値となっています。また、Amazon のHD はビット深度(量子化ビット数)16 ビットにサンプリング周波数44.1kHZ という、通常のCD 仕様(リニアPCM 方式)を実現していますが、その上ULTRA は24 ビットで192kHZ という「ハイレゾ」CD、またはDVD-Audio と同じ規格を実現しています。

 アメリカのメディアは音楽系を中心に今回のAmazon Music HD のニュースを様々な面からかなりポジティヴに捉えていると言えますし、ストリーミングに関して特に若年層ユーザーではSpotify などに遅れ気味であったAmazon が、いよいよストリーミングの最前線におどり出し、物販の世界を制覇したAmazon が今度はデータ販売の世界も制覇するであろう、といった扇動的な論調まで出ています。しかし、Amazon は何かと敵やAmazon 嫌いも多いですし、一般レベルから専門分野に至るまで、Amazon Music HD の高音質、そして「ロスレス」そのものに対しての懐疑的な意見・論調も見受けられます。特に肝心の音質面においては、再生機器がスマホとイヤホン使用が圧倒的な現状においては、ディバイス側の対応や互換性の問題も含め、ユーザーの耳に届く音の段階で、HD やULTRA の優越性というものがどれだけ感じられるのか、という疑問です。また、音質を追求すれば容量が増えていくことになるわけで、益々「データ・ビジネス」の罠にはまっていくことになり、つまりそれこそがAmazon の狙いである、という別の見方もあります。

 そうした状況の中で、イヤホン/ヘッドホンも高級・高品質化がかなり進み、イヤホン/ヘッドホンに100 ドル台(人によっては200~300 ドル台)のお金をかける若い音楽ファンもずいぶんと増えてきているようです(私は地下鉄に乗っている時でも、周囲の人間が使用しているイヤホン/ヘッドホンにどうしても目が行ってしまいます)。そうした機器の中には「ハイレゾ」(英語ではハイレス:Hi-Res)仕様のものも増えてきていますが、これに関してもユーザーとメディアの両サイド(更にはメーカー・サイドにおいても)で賛否両論があると言えます。この問題は冒頭でも述べたように、聴覚というフィジカルな部分と“聴いた感じ”という感性的な部分との両面が関わってくるため、数値のみで立証したり、優劣をはっきりと結論付けるのは難しいのですが、私がこちらで長年一緒に仕事をし、信頼している優れたマスタリング・エンジニア(アメリカ人)の話が私としてはかなり同意・納得できるものと言えました。それは、例えば再生周波数帯域が広い、いわゆる「ハイレゾ」仕様のイヤホン/ヘッドホンで聴いたからといって今まで聴こえなかった音が聴こえるということではなく、“聴こえ方”が違ってくるのだ、というものです。
人間の可聴範囲というのは大体20Hz~20kHz と言われていますので、その範囲をカバーしているイヤホン/ヘッドホンであれば問題はないわけですが、例えば5Hz~40kHzなどといった「ハイレゾ」仕様のイヤホン/ヘッドホンの場合は、可聴範囲外の音が直接聴こえるわけではなく“含まれている”ことによって、音の緻密さや自然さといった“聴こえ方”に影響を及ぼすというわけです。

 しかし、騒音に満ちたニューヨークで、特に地下鉄などで音楽を聴くのであれば、そんなものは何の意味もなく、ノイズ・キャンセリング機能をもったイヤホン/ヘッドホンの方が高音質を求める上でははるかに効果的だ、とも彼は言っていました。
そしてこの“聴こえ方”の問題に関して、このエンジニア氏は再生周波数よりもサンプリング周波数の違いの方が重要であるとも話していました。つまり、サンプリング周波数が44.1kHz に比べて192kHz というのは1 秒間に読み込むデータの細かさが4.5 倍近いわけで、その細かさの方が音の緻密さや自然さに直結するというわけです。実はこれは結果的にレコードの音質に近いものとも言えるようですが、これも再生機次第であることには変わりがありませんので、現在のスマホ自体または対応ディバイス自体が更にグレードアップしていかない限り、現状においてHD やULTRA の優位性をそのまま捉えることには懐疑的である、との意見でした。それよりもこのエンジニア氏が強調していたのは、感性と経験に支えられたマスタリングの意義・重要性でした。これはマスタリング・エンジニアとしてはもっともな意見であると思いますが、レコードの時代からCD を経てデジタル・ファイルに変わり、今回の「ハイレゾ」に至るまで、マスタリングというのはそのフォーマットの特性に合った、そしてその時代や人々(アーティストとリスナー双方)が求める音に仕上げられていったという背景があります。

 このエンジニア氏が音楽の世界、特にミュージシャンからエンジニアの世界に入っていくきっかけとなったのは、ビリー・ジョエルの「ニューヨーク52 番街」であったというのも興味深い話です。ご存じのようにこのアルバムは1992 年に世界で初めて商業CD 化された作品であるわけですが、1978 年の発売直後からレコードで愛聴していたこのエンジニア氏は、CD 版発売後、あるミュージシャンの家でCD 版を聴いてその音の違いに驚愕したそうです。そして彼は、音楽を作曲や演奏という方法で生み出さなくても、エンジニアリングという技術と才能で生み出す方法がある、と確信したのだそうです。実際に、音楽・音源は同じでも、レンジや音質特性の異なるレコード、CD、デジタル・ファイル、そして「ハイレゾ」ではマスタリングは異なるわけですし、そこには単なるテクノロジーや数値だけではない、職人の感性と経験というものがしっかりと介在しているわけです。

 そうして生み出された音楽メディアに接するリスナーは、そこから更に自分の聴覚と感性に応じていろいろな“聴こえ方”を楽しむことができる(事実これまでも楽しんできた)のだと思います。「ハイレゾ」、「ロスレス」の議論はこれからも続くでしょうし、それらに合わせた機器やアプリは次々と登場してくると思います。ですが、そこには常に送り手と受け手の側の知覚と感性という両面が、記録された音楽を感動と共に生き生きとしたものに甦らせてきたことを忘れてはならないと思います。

 つまり、そうした“作業”をAI の手に譲り渡してはならない、というオチで今回のニュースレターの〆(シメ)とさせていただきます。

【After Word】10月

日本ではINFOでも書きましたように、ラグビーワールド杯が盛り上がっていますね。
先日の試合で日本がアイルランドに勝利したことで、より注目が集まったのではないでしょうか。

日本を応援するのは勿論ですが、僕が気になったのはスコットランドです。

スコットランドの試合日、あちらこちらでスカートを履いた
スコットランドのジェントルマン達を見つけました。

日本では見慣れない光景に驚いたのですが、
これはスカートではなく、キルトと呼ばれるスコットランドの男性用伝統衣装のようです。
ラグビーのように、スポーツの試合の日やお祭りなど、大事な日に着用します。
タータン柄が中々かわいらしいのです!

また、キルトを着た人達の中に、管楽器が3つ付いてる独特な楽器を奏でている方も居ました。
バグパイプと呼ばれる伝統的な楽器のようですね。袋にためた空気をパイプに送ることで音がでるので、袋(bag)と管(pipe)が名前の由来です。

自国の応援のためにおそろいの伝統衣装で臨むってかっこいいですね。
陽気で幻想的な音色と、異国の文化に間近で触れることが出来て感激してました。

(宮道)

 

今月のメルマガはいかがでしたか?

次回は11月上旬の配信予定です。

お問い合わせ、配信停止希望はコチラ≫≫≫

【STEP INFO】新スタジオのお知らせ

令和最初の夏も終わりに近づいているのを、朝通勤する時の風の匂いで感じます。

9月、食欲の秋ですね。
さつま芋、栗、秋刀魚、牡蠣…食べることが大好きな私にとって、
一番生きているのを実感する季節です。
まだまだ麻布十番のご飯屋さんを攻略できていないので
このステップメルマガの【Shop In Azabu】を頼りに食欲の秋を楽しみたいと思います。

さてここで、ステップからお知らせがあります。
現在渋谷にて、小さな編集スタジオとMAルームを備えた新スタジオの工事を行っております。
東急ハンズ近くで9月中旬始動予定でございます。
これからはMA作業にプラスして、編集作業でもお役に立てるかと思いますので、
どうぞよろしくお願い致します。
詳細に関しましては、各営業担当からご報告させて頂きます。

それではステップメルマガ9月号、スタートです!

(森田)

【MUSIC】京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園

メディアコミュニケーション部のメガネ担当・仲川です。
夏が終わっていきますね。例年より短かったとはいえ、
海と川と公園を往復し(といっても 1 対 1 対 8 ぐらいの比率ですが笑)、
今年も満喫することができました!

さてラジオDJさんの番組だけでなく
ミュージシャンやお笑い芸人さんの番組も担当するメディアコミュニケーション部。

    https://stepjapan.jp/radio/


その中には くるりのレギュラー番組「FLAG RADIO 月曜日」もあります。

番組では メンバーが世界中の音楽を紹介しているのですが
そんな彼らが主宰する音楽イベント「京都音楽博覧会2019 in 梅小路公園」が
9月22日に開催されます。

    http://kyotoonpaku.net/2019/

13 回目となる今年の注目は、
なんといっても 17 年ぶりに再結成となった「NUMBER GIRL」。

約17年振りの活動として出演が予定されていた
「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO」の1 日目が中止となった今、
音博への期待値は半端ないことになっていますが・・・。

音博といえば、博覧会というタイトル通り
毎回 海外からのアーティストも招聘されています。
しかも 日本ではまったく無名に近い、でも くるりの音楽が好きなら
「あ~このセレクト分かるわ!」となる人選には ほんと脱帽です。

2007 年の第 1 回に出演したルーマニアのバンド「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」


2014 年に出演したアルゼンチンのアコーディオン奏者「トミ・レブレロ」


2015 年に出演した UK のマルチプレイヤー「コスモ・シェルドレイク」


番組の中でも話してくれていますが
毎年誰を呼ぶか会議をしている中で、
くるりの各メンバー(岸田さん、佐藤さん、ファンファンさん)が
お気に入りのアーティストを挙げていっているそうです。

ちなみに 今年は
チリの SSW「カミラ・メサ」とイスラエル出身の Jazz ピアニスト「シャイ・マエストロ」

聴いたことがない音楽に出会えるのも音楽フェスの醍醐味ですよね!

これから徐々にアウトドアが気持ちの良い秋へと移り変わります。
9 月も 10 月も素敵な野外フェスがたくさんありますので
ぜひ未知の音楽に触れてみてください♪


追伸:
音博に参加する方はぜひ京都駅界隈グルメもお楽しみください!
会場近くにある「京都市中央卸売市場」の場外には BBQ コートもあり。
https://rurubu.jp/andmore/article/7174

個人的なオススメは「ミスター・ギョーザ」です!
https://www.mr-gyo-za.com/

(仲川)

【Shop in Azabu】きのくにや(旧ユーマート)

今日ご紹介するのはコチラ!

 

麻布十番駅前にあるお弁当屋さん「きのくにや」です。

昔はユーマートという名前でした。

お昼時には多くのお客さんが並んでいます。

その理由は、リーズナブル!ボリューム!ヤミー!です。

まずはメニューをご覧ください。

基本500円~600円で食べられるお得なお弁当です。

麻布近辺のランチ処は大体1000円前後しますので、

この価格でお昼御飯が食べられるのは大変魅力的です。

数あるメニューの中から今日はこちらの3品をPICK UPです!

・黒むつの西京焼き幕の内弁当

ドーン!と乗った黒むつが、食欲をそそります。

お惣菜も健康志向の煮物と春雨です。

ランチで魚を食べられるのは非常に嬉しいですね!

 

・鶏肉とカシューナッツ炒め弁当

みんな大好き鶏肉にカシューナッツが加わった逸品です。

唐揚げは飽きたな…なんて方にピッタリ!お手頃価格で本格中華が楽しめちゃいます。

 

・ジャンボチキンカツ弁当

最後に紹介するのはコチラ!沢山食べたい方も大満足!

ボリュームたっぷりなチキンカツが贅沢に乗ったお弁当です。

 

いかがだったでしょうか?

お弁当を食べたくなった時には是非立ち寄ってみてください!

ちなみに僕のお勧めはジャンボチキンカツ弁当です!!

 

(鈴木)

 

■きのくにや■

【住所】東京都港区麻布十番2-20-2
【TEL】03-3456-4074
【営業時間】
営業時間 9:00~20:00

【定休日】 日曜日・祝日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

【I Love NY】月刊紐育音楽通信 September 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

             

 

 私がニューヨークが好きな理由の一つに、大都会でありながらも緑が多いということがあります。マンハッタンを初めとするニューヨーク市内には、本当に公園と木々が数多くあり、それが理由に鳥や小動物達も数多く共存しています。

 更に市外に出れば、あっという間に豊かな自然の中に包まれていくことになりますし、州として見れば、ナイアガラの滝も州内にあるニューヨーク州は全米でも屈指の自然の豊かな州でもあるわけです。

 物価の安さや、人々の優しさ・暖かさ・穏やかさという面も大きな魅力です。東海岸は都心部を離れると圧倒的に白人が多くなり、有色人種にとっては居心地の悪さや問題も無いとは言えませんが、それでも全米50州の中でもニューヨークは自由と平等に対するリベラル感覚がダントツに高いと思うのは少々地元びいきが過ぎるでしょうか。

 音楽に関しても、マンハッタンから車で1時間ほどのエリアでも魅力的なミュージック・ヴェニューが数多くありますが、マンハッタンの東側ロングアイランドのウェストバリーという町にあるシアター・アット・ウェストバリーは、キャパ3000人弱のアリーナ・タイプの中型シアターで、ステージがゆっくりと回転することから、客席のどこに座っても同様に楽しめるという点が特徴です。

 シアター内の飲食物もマンハッタンに比べると圧倒的に安くて量も多くて種類も豊富ということで、観客には嬉しいことばかりであると言えます。しかも、観客は地元の人達がほとんどですので、シアター内は演奏前後の飲食エリアも演奏中の観客席も和気あいあいといった感じで、マンハッタンでは味わえないくつろいだ雰囲気は、ニューヨークの豊かな音楽カルチャーの一面を物語っているとも言えるでしょう、

 

トピック:ニューヨークを代表するコンサート・ヴェニュー

 

 今年の夏は、私自身としては例年以上にライヴ・パフォーマンスに足を運んだ感がありますが、ニューヨークのコンサート事情が大分変化してきていることも実感します。私が始めてニューヨークでコンサートに足を運んだのは1977年2月、マジソン・スクエア・ガーデン(以下MSG)におけるKISSの全米ツアー(その約1ヵ月半後に日本初来日公演を果たします)でしたが、思えばそれ以降、数々のコンサートに足を運びつつも、数々の名演を残してきたホール/シアターが生まれては消え、消えては生まれていきました。

 以前、私よりもちょっと世代が上の人達からは「フィルモア・イーストはもう無いんですよね?」と尋ねられたこともよくありましたが、1968年から1971年までの約3年ちょっとの間に、当時“ロックの教会”とまで言われて多くの名盤も残した、イーストヴィレッジにあったこの歴史的なコンサート・ホールなどはその代表的な存在と言えるでしょう。このホールはその後ゲイ・バーにもなりましたが、その入り口は今は銀行となっており、当時を偲ばせるものはありません。

 

 いわゆるスタジアムやアリーナ、また大ホールを除くと、ニューヨークのホールというのは昔、様々な人種や民族の移民達の集会所的な劇場や、かつては富裕層が集まって賑わったいわゆるボールルームと呼ばれる“舞踏場”であったケースが多いと言えます。  

 従って、改装は何度か行っていても、元々が古い建物ですし、内装も昔の雰囲気を残しているホールが非常に多いと言えます(それが“ニューヨークのホールはボロい”とよく言われる所以でもあります)。

 例えば、フィルモア・イーストというのは、そもそもはユダヤ人達の居住エリアにあったこともあって、ユダヤ人達の劇場の一つだったわけです。

 更にこのフィルモア・イーストは、70年代末から80年代にかけてパンクやニュー・ウェーヴの拠点的なホールであったアーヴィング・プラザ(約1000人収容)にその名前を付け加えて、2000年代には「フィルモア・ニューヨーク・アット・アーヴィング・プラザ」と名付けられていましたが(その後、フィルモアの部分は取り除かれて、現在は以前のアーヴィング・プラザの名称に戻っています)、このホールもそもそもはポーランド系移民のコミュニティ・センターでした。

 

 そんなわけで、今回はニューヨーク(ニューヨーク市内中心)を代表する現在運営中のミュージック・ホール/シアター/アリーナについて少しお話しようと思います。と言っても全てをご紹介できるわけではありませんし、いわゆるクラブと呼ばれるライヴハウスに関しては今回は除外しました。

 

 まず規模の大きさから話を始めるとなれば、ニューヨーク最大級のアリーナは旧名ジャイアンツ・スタジアムのメットライフ・スタジアム(約8万人収容)です(厳密に言えば、ここはニュージャージー州、つまり他州となるわけですが)。例えばローリング・ストーンズやブルース・スプリングスティーンといった超大物のコンサートとなれば、まずはこことなります。

 他にはヤンキー・スタジアム(約5万人収容)とシティ・フィールド(約4万5千人収容)もありますが、前者はヤンキース、後者はメッツというニューヨークの大リーグ(MLB)・チームの球場で、春から秋までがシーズンとなるため、音楽イベントとして使用できる回数はそれほど多くはありません。それに対してメットライフ・スタジアムはニューヨークのアメフト(NFL)・チーム、ジャイアンツとジェッツの本拠地で、フットボールは秋から冬にかけての寒い時期に行われますので、NFLのシーズン・オフとなる春夏のコンサート・シーズンにはうってつけとなるわけです。

 ちなみに、ビートルズのニューヨーク公演でも有名なシェイ・スタジアム(約6万人収容)は上記メッツの本拠地でしたが、隣接した当時の駐車場部分に新たにできたのが上記シティ・フィールドであり、シェイ・スタジアムの跡地は現在シティ・フィールドの駐車場となっています。

 

 規模の大きさで言えば、これまで何度も歴史に残る野外コンサートが行われたセントラル・パーク(サイモン&ガーファンクルのコンサートで50万人以上収容)もありますが、ここは特設の音楽イベント・エリアとなりますので、今回はそれ以上は触れません。

 

 スタジアムに続く、いわゆるコロシアムやアリーナとも呼ばれるクラスが前述のMSG(約2万人収容)、ブルックリンのバークレーズ・センター(約1万7千人収容)、そしてNY市外・郊外のロングアイランドにあるナッソ-・コロシアム(約1万7千人収容)となり、スタジアムは別格として、通常はこれらがメジャー・アーティストの最大級コンサート会場となります。

 これらのコロシアムは基本的にはスポーツ・アリーナであり、MSGはバスケ(NBA)のニックスとホッケー(NHL)のレンジャースの本拠地であり、バークレーズはバスケ(NBA)のネッツ、そしてナッソーはホッケー(NHL)のアイランダーズの本拠地となります。

 

 これらに近いキャパシティー規模ですが、マンハッタンを離れた野外アリーナとして夏を中心に人気の高い音楽ヴェニューが、ニューヨーク郊外ロングアイランドの海に面したジョーンズ・ビーチ・シアター(約1万5千人収容)と、昔のUSオープン・テニスの会場であったニューヨーク市クイーンズ区のフォレスト・ヒルズ・スタジアム(約1万4千人収容)です。

 ジョーンズ・ビーチは、セントラル・パークの無料野外コンサートであるサマー・ステージと共に、ニューヨークの夏の音楽風物詩を物語る人気ヴェニューで、潮風を受けながら飲み物を片手に音楽を楽しめるのが魅力ですが、意外とニューヨーカーでもあまり知らない人がいて、行ったことがない人も多いのがフォレスト・ヒルズ・スタジアムです。

 それもそのはず、全米初のテニス・スタジアムであるこのスタジアムは、USオープン・テニスのメイン・コートとして1923年にオープンしましたが、1978年にUSオープン・テニスの会場が現在のフラッシング(同じくニューヨーク市クイーンズ区でメッツのシティ・フィールドの隣り)に移ってからは、90年代まではまだコンサートも行われていましたが、それ以降は半ば廃墟と化していきました。それが2013年からは野外コンサート・ホールとして復活したのですが、閑静な高級住宅街の中にあるため、近隣住民との騒音問題でコンサート自体はそれほど頻繁に行っていません。

 しかし、このスタジアムは特に1960年代から70年代にかけてはニューヨークを代表する音楽ヴェニューとして知られ、ビートルズ、フランク・シナトラ、ジュディ・ガーランド、ダイアナ・ロスとスプリームス、ジミ・ヘンドリクス、ローリング・ストーンズ、バーバラ・ストライザンド、ドナ・サマーなどといった様々な音楽ジャンルの錚々たるアーティスト達が名演を繰り広げてきた、“忘れ去られたコンサート会場”でもあるわけです(かつて、日本のアルフィーもここでコンサートを行いました)。

 

 次に1万人以下ながら大ホールとして代表的なのがラジオ・シティ・ミュージック・ホール(約6千人収容)です。1932年オープンという歴史のあるホールで、既に85年も続いているニューヨークを代表するクリスマス・ショー「クリスマス・スペクタキュラー」の会場として知られています。

 建設当時の流行でもあったアール・デコ調のデザイン(1930年には同じくアール・デコ調のクライスラー・ビルがオープン)が特徴的なこのラジオ・シティは、元々メトロポリタン歌劇場のオペラ・ハウスとして計画されたのですが、ロックフェラー・センターの建設で劇場はその一部となり、結果的に複合メディアの大シアターに計画変更されたといういきさつがあります。名前も当時最大のメディアであったラジオにちなんでいるわけですが、オープン当時は世界最大のオーデトリアムと言われ、2つの劇場がありましたが、その後、改築・増築、破産・再建といった紆余曲折の長い歴史を経て、現在の姿となったのが1980年のことです。

 今も大物アーティストの公演が行われていますが、どちらかというとイベントやスペシャル・プログラムといった傾向が強く、これまでトニー賞、エミー賞、グラミー賞の受賞式、MTVビデオ・ミュージック・アワードの受賞式、またアメフトのNFLのドラフトなども行われています。

 

 メトロポリタン歌劇場のオペラ・ハウスは1880年代からありましたが、その後上記ロックフェラー・センターによる計画断念を経て、現在のオペラ・ハウス(約3800人収容。アメリカン・バレエ・シアターの本拠地でもある)がリンカーン・センターにできたのは1966年です。

 このリンカーン・センターには他に2つの大劇場があり、ニューヨーク・フィルの本拠地であるデヴィッド・ゲフィン・ホール(約2700人収容)とニューヨーク・シティ・バレエの本拠地であるデヴィッド・コーク・シアター(約2500人収容)が隣接して建ち並び、これらに加えて、ミッドタウンにあるカーネギー・ホール(約3000人収容)がクラシック音楽における代表的な大ホールとなります。

 

 カーネギー・ホールは1891年オープンという、ニューヨークで現存する最古のミュージック・ホールとなりますが(実は1886年オープンのウェブスター・ホールという現クラブがありますが、場所と建築はそのままながら、中身はすっかり改装されています)、アコースティック音響は今も本当に素晴らしく、時折通りの騒音が聞えてくるという驚くべき欠点もありますが、実は上記のデヴィッド・ゲフィン・ホールの音響の悪さはニューヨークでも有名ですし、いまや地元の名門ニューヨーク・フィルの演奏をこの名門ホールであるカーネギーで聴けないというのは何とも残念でなりません(1962年までは、このカーネギーがニューヨーク・フィルの本拠地でした)。

 ちなみに、カーネギーは今や完全な貸ホールとなっており、基本的にはレンタル料さえ払えば借りることは可能となっています。

 

 クラシック音楽においては3000人前後の規模は大ホールと言えますが、ロック/ポップスなどのポピュラー音楽系ですと、ニューヨークではこのキャパ・クラスは中規模または小ぶりの大ホールといった括りになります。代表的なホールとしては、どちらも歴史のあるハマースタイン・ボールルーム(約3500人収容)とビーコン・シアター(約3000人収容)が挙げられます。

 1906年オープンのハマースタインは、メトロポリタンとは別のオペラ団の本拠地としてスタートし、スポーツ、受賞式、テレビ番組収録、大会議などにも対応できる構造・設備となっていることから、これまで音源のみならず映像としても様々な名作品を世に送り出してきました。昔はフリー・メーソンの集会場としても使用され、70年代には統一教会に買い取られもしましたが、かなり老朽していながらもアコースティック音響は中々素晴らしいと言えます。

 もう一つのビーコンは1929年にオープンした映画館でしたが、70年代以降はコンサート会場としてニューヨーカーに愛されてきたシアターで、様々な有名バンドが定期的なコンサートを行っていることでもよく知られています。中でも1992年から2014年の解散まで、ほぼ毎年10回以上の連続公演を行ってきたオールマン・ブラザーズ・バンドは、このビーコンをニューヨークの本拠地にしてきたと言えます。

 

 この3000人キャパ・クラスのホール/シアターは、音楽興業ビジネスにおいては最もディマンドや利用率も集客数も高い、ニューヨークのコンサート・カルチャーの中心とも言えます。もちろん、ニューヨークの音楽シーンは多数のクラブ(ライヴ・ハウス)によっても支えられているわけですが、コンサート形式となれば、2000~3000人規模のヴェニューが、運営サイドとしても最も魅力的且つリスクの少ないビジネスであるとも言えますし、今も新たなヴェニューが次々と登場しています。

 

 タイムズ・スクエアのど真ん中にあるプレイステーション・シアター(約2100人収容)は、2005年オープンですので、もう14年が経ちますが、巨大スクリーンや無数のテレビ・モニター、最新型の電光掲示板などのマルチ・メディア機能を備えた新しいタイプのシアターとして登場し、その後のシアター作りにも大きな影響を与えました。ですが、残念なことに今年12月にはクローズと発表されています。

 

 このプレイステーション・シアターを運営するイベント会社のザ・バワリー・プレゼンツ(現在はAEG Liveが株式取得)は、ここ数年特に注目の存在で、マンハッタンとブルックリンに斬新なコンセプトのホール/シアターを次々とオープンさせています(前述のフォレスト・ヒルズ・スタジアムやウェブスター・ホールも運営)。

 その中でも特に、以前麻薬取り締まりによってクローズした有名なナイトクラブを改築・改装し、2007年に改装オープンしたターミナル5(約3000人収容)と、鉄工所をそのまま利用したライヴ・スペースである2017年オープンのブルックリン・スティール(約1800人収容)は、今最も注目度の高いミュージック・ヴェニューであると言えます。

 また、ハリケーンによる壊滅的な損害から復興したサウス・ストリート・シーポートにあるピア17のルーフトップに昨年2018年にオープンしたルーフトップ・アット・ピア17(約3000人収容)は、特にニューヨーカーには人気の高いスポットであるルーフトップそのものをコンサート会場に仕上げるという新しいコンセプトのヴェニューと言えます。

 

 その他にも小規模のシアター/ホール、クラブとホールの中間的なヴェニューなど、ご紹介したいニューヨークの音楽ヴェニューはまだまだたくさんありますが、それらはまた機会がありましたらご紹介したいと思います。

【After Word】9月

今月のメルマガ、いかがでしたか?

お盆を過ぎてだんだん涼しくなると思いきや、
厳しい残暑が思い出したように顔を出しており、
まだまだ油断ができない、この季節。

でも気温があっても心地よい風があったりすると、少し和らいで、
涼しく感じることがありますよね。
街中でハンディ扇風機の持ち歩きを随所で見られますし、
社内でも愛用者が数名おり、みんな風を求めているのだと。

 

そんなちょっとした「心地よさ」ということで、
音楽のヘルツの話を。

 

音楽の音程合わせをする際に、当然基準となる音が存在します。

ピアノで言う真ん中のラ(A)の音。
この49鍵目のラの音をどの高さにするかを決めて、
そこから音階は展開していきます。

音の「音色」については、1回の音の振動でどのような波形になるかで
決定されますが、音の高さは、その波形が1秒間に何回繰り返されるかで、
決定されます。

その繰り返しが多ければ、音を「高く」感じ、少なければ「低く」感じます。

現在は、1939年ロンドン国際会議と1953年ISOによって制定された
国際基準値として、それは「440Hz」と決められています。

昨今では様々なソフト音源で、打ち込みベースで制作する事が多々ありますが、
ほとんどの音源は440Hzが基準となっていますので、
意図が無い限り、制作現場ではこの数値での音を聴くことが多いと思います。

しかしながら、実際、ピアノや弦楽器など、生楽器の現場の立場になると、
日本では442Hzが主流です。
ちなみにアメリカでは440Hz、ヨーロッパでは443Hz〜446Hz等が多いそうです。

ギターやベース等のバンド系は、チューナーの基本設定が440Hzになっているので、
気にしなければ、その設定でやることがほとんどです。

ということで、割と音の基準値は、曲によって結構混在しています。

生楽器が入る録音現場では、予め録音の際に確認しなければいけないのですが、
打ち込みベースだと、440Hzに合わせてもらうか、録音時に442Hzにしたい場合、
ヘルツを変更して作家さんにソフト音源の音を書き出してもらったりします。

この数ヘルツの違い、ちょっとした事ではあるのですが、
そもそものヘルツ構造を上記で説明した通り、高くなると音程は当然高くなります。
高くすると音が華やかになったり、明るくなったりするので、
オーケストラ等では曲にも寄りますが、高めを設定しようとする傾向が強い様です。

本当にちょっとした変化なのですが、
音楽の印象はわりと変わります。


・・・かなり前置き的な説明が長くなりましたが、
この音楽のヘルツは、冒頭で書きました、ちょっとした「心地よさ」を
求めるために気にする必要があるのではないかと。

ですので、音楽にほどよい「風」を当てたくなりましたら、
ヘルツ変更について、気にしてみてもいいかもしれません。

 


次回は10月上旬の配信予定です。
お問い合わせ、配信停止希望はコチラ>>!!

(成瀬)

【STEP INFO】14作目PDCD完成!

一年で最も暑い8月!
猛暑が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

「暑いですねー!」ばかりがどうしても挨拶になってしまう今日この頃ですが、
さらにHOTなお知らせがあります!

弊社制作で通算14枚目となるPD楽曲CD「拾景」(JYUKKEI)が完成しました。

※PD曲=著作権消滅曲





今回は日本の童謡・唱歌より、お馴染みの10曲をセレクト。
各曲2バージョンアレンジし、同じ楽曲でも全然違う感じで素敵に仕上がっております。

音源使用の企画に是非ご活用ください!
全ての楽曲は弊社が権利を管理しておりますので、ロイヤリティフリー音源として使用可能です

アルバムのダイジェスト版はこちらでどうぞ



書家の福詩家たろうさん書いて頂いたジャケットの撮影映像はこちらからご覧ください。



ご覧いただきましたらSTEPRESSTONEチャンネルの登録もよろしくお願いします。

まだCDがお手元に届いて方がいらっしゃいましたらいつでも担当までご連絡ください。
すぐにお持ちいたします。

それでは今月号のメルマガ、どうぞお楽しみください。


(ハルキ)

【MUSIC】羊文学&んoon

8月。
令和初の夏は、いろんなところに出かけたい
メディアコミュニケーション部の藤澤です。

stepに入社してはや1年半。
今日はまず、私がちょうど入社した頃に知ったバンド
羊文学」から紹介いたします!

イントロから心を持っていかれるこちらの曲は、
タイトルが「step」。
去年、たまたま見つけたこの曲を仕事帰りに聴きながら、
なんだか今年はstepに縁があるなぁ、なんて
勝手に思っていました。私事ですが(笑)

あと個人的に羊が好きなこともあって惹かれました。
私事ですが(笑)

「羊文学」は、Vo &Gtの塩塚モエカさん、
Bassゆりか、Drumsフクダヒロアさんによる
スリーピースロックバンドで、活動の拠点は東京・下北沢。

おととしリリースした1st EP「トンネルを抜けたら」は、
Apple Musicの「今週のNEW ARTIST」に選出され、
去年7月には1stアルバム「若者たちへ」をリリース。
益々活躍が期待される、注目の若手バンドです。

ちなみにドラムのフクダヒロアさんの髪型は
サラサラの黒髪マッシュで前髪が長く、
目が見えている写真が見つかりません。
個人的に素顔が気になっています。

そんな羊文学、今年7月3日には
新作EP「きらめき」をリリースしています。

どこか切ないメロディながら、
かっこよさも持ち合わせているバンドだと思います。
進化し続ける「羊文学」にぜひ注目ください!

「羊文学」オフィシャルサイト
https://hitsujibungaku.jimdo.com/

そして入社から1年半経った今、
気になっているのが「んoon」というバンド。

読み方は「ふーん」です。ふーん。

由来は、相づちなどでよく使う「ふーん」から。
「ん」は「h」のことだそうなので、
「hoon」→「んoon」ってことですね!

こちらのバンドは、ボーカル・ベース・キーボード・ドラム、
そしてハープという構成となっております。
ハープって素敵ですよね…!

「んoon」の活動の拠点は、東京・巣鴨。
(先ほどの羊文学とは対照的な感じがします笑)

去年6月に1st EP「Freeway」、
今年6月には2nd EP「Body」をリリースしています。

そしてミュージックビデオ。

シュール!のひとことです。
すべてを理解するには、
私にはまだ何百年も早いのではないかと感じさせられます。

しかし、まさに“チル”といったこの感じ。
夏の暑さを乗り切るのにはピッタリではないでしょうか。

「んoon」オフィシャルサイト
https://hoon.tokyo/

それではみなさま、素敵な夏をお過ごしください!

(フジサワ)

【Shop in Tenma】洋食鉄板焼 OPEN SESAME!

今回ご紹介するお店は「洋食鉄板焼き OPEN SESAME!」です。
地下鉄堺筋線 扇町駅1番出口からすぐ目の前にあります。

鉄板焼きのお店なので、カウンター席に座ると目の前でお肉や魚を料理してくれます。
店主が料理している姿を夢中で眺めていると、店内にいい香りが漂ってきます。
落ち着いた雰囲気でとてもリラックスできました。


11:00から14:30のランチタイムでは
ビーフステーキのAランチ、焼き肉のBランチ、ハンバーグランチの中から選べます。
本日は少し遅かったのか、Bランチとハンバーグランチは売り切れていたようです…

注文したのはAランチ ビーフステーキ
お肉の量は選ぶことができるので、たくさんお肉を堪能したい方にもおすすめです

シェフが目の前で焼いてくれたステーキをすぐに出してもらえます!
プレートにはメインのビーフステーキ、きすフライ、海老フライと
お手製のお惣菜が添えられています。

お肉がかなり柔らかくて驚きました!
胡椒の味付け加減も抜群でとても美味しいです……

ビーフステーキはおろしポン酢がついてくるのでさっぱりいただけます。
まずはそのままの味付けで味わってから、ポン酢につけて食べるのもいいかもしれません!

今度は早めに行って食べられなかったハンバーグランチを
食べに再訪したいと思います!

(宮道)

店休日
8/8  14~16  28

洋食 鉄板焼き「OPEN SESAME!」
住所:大阪府大阪市北区天神橋4-7-20 ウイング扇町 1F
TEL:06-6881-0117

営業時間:11:30~14:30(L.O)
                   17:30~21:00(L.O)
                  日曜営業

定休日:火曜・第2水曜
営業時間・定休日は変更となる場合がありますので
来店前にご確認ください。

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 August 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

 

 

 

 

 

 

 先日、既に独立した私の子供達がそれぞれの高校時代の友人と共に私のアパートでちょっとした再会パーティを立て続けに行うという機会がありました。彼らは皆、高校時代はよく我が家に出入りしていて一緒に食事をしたりしていましたし、私にとってはみんな自分の娘、息子同然の連中なのであれからそれぞれ10年、15年以上が経ち、皆それぞれ様々な仕事に就いて活躍していることは私にとって本当に嬉しい限りです。

 彼らの世代はアメリカでは「ミレニアルズ」または、「ジェネレーションY」などとも呼ばれますが、一般的には1980年代前半から90年代中頃までに生まれた世代とされています。その由来は、21世紀のミレニアムに社会進出するという意味から来ていますが、戦後生まれの親達の元で育ち、思春期または成人前に9/11のテロを経験したこの世代は、テレビ・ゲーム世代・インターネット世代とも言われます。一般的には社会意識や社会変革意識が強いと言われ、実際にオバマ大統領誕生の原動力となり、トランプの後の時代を切り開いていく世代とも言われています。例えば、最近アメリカ(特にニューヨーク)では、史上最年少の女性下院議員となり、早くも2024年大統選の有力候補と目される”AOC”ことアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(29歳)の話題が絶えませんが、彼女などはその代表的存在と言えます。

 私の”子供達”が今後どのように社会で活躍していくかはさておき、彼等と久しぶりに話して興味深かったのは、彼らの所謂「所有欲の低さ」でした。これはこの世代の特徴の一つとも言われていますが、例えば家、車、衣服/ファッションなどに関してはブランド志向や高級志向、そして所有欲自体も低く、例えば音楽や書物、美術や写真など、コンピュータやスマホによって獲得できる“モノ”は形の無い、ヴァーチャルで電子的なものが中心となります。よって、自宅にはステレオや本棚、CD/レコード、本もほとんど無く、それらは手に取れる固体ではなく電脳空間上の“データ”となるわけです。

 モノが無い/少ない、またはモノに対する執着心が弱いということ自体は素晴らしいことであるかも知れませんが、外的な対象よりも自分自身という内的な部分に一層フォーカスするというスタンスは、現代の物質文明、または飽くなき物欲の世界においては一種の意識変革・改革であるとも言えます。物質主義に支えられたこれまでの世代とは異なるマインドを持った世代の台頭は、単に政治や社会意識といった表面的な部分だけでなく、倫理観や宗教観などといった内面的な思考部分に大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。そんな思いを持ちながら、私自身はこのアメリカ(だけではありませんが)における意識・モラルのどん底状況の先は決して暗くはない、と思わず感じてしまうのです。

 

トピック:iTunesとダウンロード時代の終焉

 皆さんの中にまだiPodを使っている方はいますでしょうか?実は、私は周囲の人(特に若者)からは“化石”と呼ばれてもまだ使っています(笑)。自宅ではCDやレコードを聴いている私でも、さすがに外にCDを持ち出すことはありません。長らくiTunes上のダウンロード音源が自分の主要音楽ライブラリーとなってきた自分にとって、iPodは車での移動時や出張時などでは今も使いやすいディヴァイスとして重宝しているのです。

 これが今の若い人達であれば、SpotifyやTidal、Apple MusicやGoogle Play Music、Amazon Musicといったストリーミング・サービスとなるので、すべてスマホ1台でOK。彼らは私のように所謂TPO(Time=時間、Place=場所、Occasion=場合。 ※実はこれは和声英語です)によって音楽メディアを変えることは好みません。ストリーミングで事足りてしまう訳です。

 因みに、私自身はストリーミングとしてはAmazon Musicを中心に(Amazonのプライム・メンバーには無料特典も多いので最も使用頻度が高い) Apple MusicやGoogle Play Musicも時折使っています。これらは若い世代に言わると中高年向けのストリーミング・サービスで、若い世代はやはりSpotifyが圧倒的に人気であり、プラットフォームは異なりますがSiriusやPandoraなどのインターネット・ラジオも高い人気を誇っています。

 そうした中で、音楽のリスニング・スタイルに大変革をもたらし、18年に渡って膨大多岐に渡るダウンロード・サービスを提供してきたiTunesが遂に終了するとのニュースが入りました。

 ご存知の方も多いと思いますが、これは去る6月に行われたアップル社の開発者向けカンファレンスであるWWDC 2019での発表でした。このニュースは、私のようなiTunes愛用者(特に中高年層)にとっては衝撃的でした。自分の膨大な音楽ライブラリーが消失してしまうのか…いや、事実は決してそうではなく、正確に言えば、次期macOSとなる「macOS Catalina」にはiTunesが搭載されなくなるということで、iTunesの存在自体が無くなるわけではなかったのです。それでも現在のストリーミング主体の音楽カルチャーからは既に取り残されているという引け目や劣等感を感じている世代にとっては事は深刻に思えます。

 思えばiTunesの登場は、2001年9月11日の同時多発テロの記憶と重なっています。その年の1月に開催されたMacworld Expoで、今は亡きスティーヴ・ジョブスはPCの“第3の時代”としてデジタル・ライフスタイルを提唱し、それを実現するための象徴的なソフトウェアとして音楽再生&管理ソフトであるiTunesを発表しました。

 当時はまだMP3やダウンロードというものは、それほど普及しておらず、1999年からスタートしたNapsterが巻き起こした大旋風と裁判沙汰によって音楽業界は翻弄され、その革新的なテクノロジーやニュー・メディアとしての可能性や展望よりも、不正コピー(ダウンロード)や海賊版、そして著作権の問題の方が大きく横たわっていました。それがジョブスの扇動によってMP3ダウンロードという手法が表舞台に登場し、まだテロの衝撃に打ちひしがれ、後遺症に苛まされていた10月にソフト(iTunes)を活用するディヴァイスであるiPodが発売されたわけです。

 そしてこのiPodはみるみるとバージョンアップされ、ついに2003年4月にはiTunes Music Storeがサービスを開始。翌2004年にはヨーロッパでサービス開始。2005年には日本でもサービスを開始し、それから間もなくして動画の販売も行うようになったのは皆さん良くご存知かと思います。

 そんなiTunesの大躍進に歯止めがかかり始めたのは、皮肉なことにアップル自身が2007年からスタートさせたiPhoneであったと言えます。このiPhoneの登場によって、iPhoneユーザーはiPodなどのMP3プレイヤーと携帯電話を別々に持つ必要が無くなり、またパソコン無しでも楽曲購入が容易になった訳です。

 そして翌2008年から始まったSpotifyによるストリーミング・サービスの大躍進によって不正コピーや海賊版が消滅していく結果となりました。また、不正コピーだけでなくPCやスマホにセーヴできないというストリーミングの特性に安心感を持った大手レコード会社を始めとするレコード業界も、結果的にストリーミングを後押ししていくことになります。

 もう一つ印象的であったのは、2013年にiTunes自体がストリーミング・ラジオ(iTunes Radio)にも対応しはじめたことです。今思えば、これはある意味で象徴的な出来事でもありました。その翌年2015年にはアップル自身がApple Musicを、その他にはGoogle Play Music、Amazon Primeといった大手IT企業によるストリーミング参入が立て続けに起こり、ダウンロードからストリーミングへの移行は予想以上のスピードで進められていくことになります。

 また、iTunesでは動画ファイルの再生&管理も可能になり、音楽以上に大容量のデータを扱う上でもストリーミングはダウンロードよりも圧倒的なアドバンテージがあると言えます。

 そうした経緯・推移があり、結果的に2018年末時点においては、アメリカ音楽業界におけるストリーミングの売上シェアが75%に達したという調査結果から見ても、ダウンロードからストリーミングへの移行はほぼ達成されたと言えるのは間違いなく、そうした背景や根拠をもとに、アップルが従来のiTunesサービスを終了させるという判断・決定は当然の結果であるかも知れません。

 LP~CD時代からダウンロードへの移行においては、手に取る“モノ”(LPやCD)から目に見えないデータ(MP3ファイル)への転換という点が最も大きな変革であったと言えます。ストリーミングになると更にモバイルつまり携帯(スマホ)をディヴァイスとした配信のためのプラットフォームが必要となり、このことがまた大きな変革をもたらすことになります。

 ケーブル・テレビが主体であるアメリカの家庭に於いては、テレビとWiFi(インターネット)を組み合わせたケーブル・ネットワークが一般的でスムーズなダウンロードを可能にするインフラとなっていたわけですが、ストリーミングの場合は、スマホの圧倒的な普及によりストリーミング配信自体は自宅のみならず、外出先でも頻繁に行われています。

 この“いつでもどこでも”という手軽さと簡便性は、スマホの大きな魅力で、その結果として自宅電話やデスクトップ・コンピュータのみならず、最近はラップトップまでも所有しない若い層が増えてきているという現象ももたらしています。特にスマホとストリーミングは、最強タッグとも言える相性の良さで、大きなアドバンテージを持っています。しかし、その簡便性・アドバンテージを滞ることなく、また煩わされることなく実現するためには、スマホでのデータ使用がアンリミテッド(無制限)であることが重要になってきます。

 また、ストリーミングであっても自分のプレイリストやライブラリーを作る場合は、ストリーミング配信されるそれらのデータが仮想スペース、つまり“電脳ストレージ”であるクラウド上にセーヴされることになり、そのため楽曲が増えれば増える程、クラウドのストレージ容量が更に必要になります。

 そのため、スマホでのデータ使用「アンリミテッド(無制限)」と「クラウド」のストレージ容量アップの需要が一気に高まり、その供給部分がビジネスとしても大きな位置を占めるようになってきています。つまり、「データ販売」と「仮想スペース(クラウド)販売」という、正にヴァーチャルな“物販商売”と言えるでしょう。

 私のようにソーシャル・メディア・サービスの世界からは距離を置き、スマホもできるだけ使わないという仙人のような人間、または前時代的な偏屈な人間というのは今や希少で特にアメリカの若者たちにとって、スマホでのデータ使用「アンリミテッド(無制限)」と、「クラウド」の大容量というのはマストであり、彼らにとってのデジタル・ライフに於けるある種の生命線ともなり、よってそこにお金をかけるのは当然となる訳です。

 そうした状況の中で、アップルはiTunesに安らかな死を与えたとも言えますが、前述のように、それはダウンロード配信をやめるという意味ではありません。
完全な消滅ではなく、分割による新たなシステムへの“組み入れ”または“合体”と言えます。

 具体的には次期macOSに於いてiTunesはコンテンツのジャンルごとに、「Apple Music」、「Apple Podcast」、「Apple TV」の3つのアプリに分割されるそうです。また、新たにリリースされるミュージック・アプリでは、楽曲の個別購入やスマホとの同期機能などといったiTunesのコア機能を引き継ぐことになるそうです。(ちなみに、「iTunes for Windows」は引き続き同じサービスが提供されるとのこと)。

 ですが、もはやiTunes自体の存在意義は無くなり(少なくなり)、表舞台から消え去ることは一つの事実であり、いよいよ名実ともにストリーミング主流の時代を迎えることになったのは間違いないでしょう。

 もちろん、アーティストのなかには、ダウンロード販売はOKだが、ストリーミング配信はNGという人も依然多く、ダウンロード販売全体を停止させることは現状に於いてはまだ不可能です。しかし、時代の波はもう誰にも止められないところまで来ています。今後、更なる妥協や転換が起こることは必至であると言えるのではないでしょうか。

 そしてここでも手に取れる“モノ”に対する価値感や所有欲は益々無くなっていくと思われます。それによって、世の中が更に変化し、人々が本当に大切なものを見いだしていくことができるかもしれない。そんな希望的観測も持っている今日この頃です。

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 July 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

 

今年の日本の梅雨は長雨と聞いていますが、ニューヨークは一足お先に本格的な夏到来です…というのも変な話で、これまで梅雨というもののなかったニューヨークは、5月末のメモリアル・デーの後に海開きとなって夏に入っていくのが通常のパターンでした。それがここ数年、5~6月は雨が多く、突発的な豪雨や雷など、天候が安定せず、ずるずると7月になってようやく夏という感じになっています。

 7月4日の独立記念日に大雨とはならなかったのは良かったですが、これから先、天候は更に変わっていくでしょうか、どうなるかはわかりません。

 カリフォルニア南部の地震も心配ですが、アラスカで摂氏30度以上の異常な暑さというのも驚きです。先日はグリーンランドで氷の上を走る犬ぞりが、氷の溶けた海の上を走る画像と、インドでは熱波による死者が100人を超え、このままでは人間が生存できる限界気温を超える、というニュースにも驚愕しましたが、アメリカもどこもかしこも、“前例のない”、“観測史上最高(または初)の”異常な気候ばかりです。

 温暖化による水位の上昇で、マイアミのビーチは沈み(5~15年以内と諸説あり)、それに続いてマンハッタンのダウンタウンも2012年のハリケーン・サンディの時のように海に沈む(15~30年と諸説あり)とも言われておりますが、先日はある科学者が「地球温暖化はこのまま止まることなく進むわけではなく、温暖化による異常気象で地球の地磁気が逆転(ポール・シフト)して氷河期を迎える」という恐ろしい説を述べていました。実はこれはかなり前から言われていた説であり、実際に地球は過去360万年の間に11回も地磁気逆転している(最後の逆転や約77万年前)ということで、そのことを発見した一人は京都大学の教授ですから、日本でも知られている説であると思います(最近の各国の宇宙開発は、実は軍事目的よりも地球脱出・他惑星移住計画がメインであるという説も…?)。

 それにしても、熱波・水没と氷河期とどちらが良いか(ましか)などという恐ろしい二者択一はしたくありませんが、各国が環境問題に対してまじめに取り組み気がない以上、これからの人類をふくめた生物は、更なる暑さ・寒さにももっと強くならなければ生き残れないことは確かのようです。

 

トピック:“ウッドストック”のスピリットを伝えるニューヨーク最大の音楽&キャンピング・イベント「マウンテン・ジャム」

 

 先月お伝えした騒動の後、予定開催地からも拒否されて変更を余儀なくされ、いまだチケットも発売されないゴールデン・アニバーサリーの「ウッドストック50」ですが、実は先日、オリジナル・ウッドストックの開催地であったベセルで行われたニューヨーク最大の音楽&キャンピング・イベントである「マウンテン・ジャム」に行ってきましたので、今回はそちらのイベントについて紹介したいと思います。

 

 このマウンテン・ジャムは、2005年からスタートし、今年で14年目を迎えます。マンハッタンから車で3時間ほどのハンター・マウンテンというニューヨーカーには人気のスキー場があり、ここに特設ステージを作り、キャンピングと音楽フェスティバルで3日間を過ごすということで、多分にウッドストックのコンセプトや伝統が受け継がれているとも言えます(スキー場なので周辺にはホテル施設もあり、キャンピングをしない人たちも大勢います)。

 

 そもそもマウンテン・ジャムは、ウッドストックのラジオ局の25周年イベントとして開催されたのですが、運営組織としても非常によくオーガナイズされ、これまでオールマン・ブラザーズ・バンド、グレイトフル・デッドのメンバー達、トム・ペティ、スティーヴ・ウインウッド、ロバート・プラント、レボン・ヘルム、スティーヴ・ミラー、ザ・ルーツ、メイヴィス・ステイプル、リッチー・ヘイヴンス、プライマスなどといったバラエティ豊かな多岐にわたる大物達が出演してきました。同時にこのフェスティバルの特徴は、地元ミュージシャンや新進・若手ミュージシャンの起用にも積極的である点で、敷地内に大中小3つのステージを設けて演奏を繰り広げ、観客が自由に楽しめるプログラムになっています。

 

 このフェスティバルの最多出演アーティストは、「ガバーメント・ミュール」のウォーレン・ヘインズです。ヘインズは90年からオールマン・ブラザーズ・バンドに参加したことで知られていますが、彼自身のバンドもアメリカでは非常に根強い人気を誇っています。

 実はこのヘインズは、マウンテン・ジャムの看板アーティストであるのみならず、このフェスティバルの共同創始者/オーガナイザー/プロデュ-サーでもあります。

 オールマン・ブラザーズ・バンドのファンの方であればすぐにおわかりでしょうが、実は「マウンテン・ジャム」の名前は、“山でのジャム演奏”に加えて、前述のウォーレン・ヘインズが在籍したオールマン・ブラザーズ・バンドの曲目にも由来しており、その二つを掛け合わせているわけです。

 

 マウンテン・ジャムというと、ヘインズとオールマン・ブラザーズ・バンド、そしてヘインズが長年交流を続けてきたグレイトフル・デッドの元メンバー達の音楽といったジャム・バンド的なカラーまたはイメージが強いとも言え、集まる客層もヒッピー系/アウトドア系が多いと言えますが、それでも上記のようにジャンル的には全く偏っていませんし、ファミリーや他州からやってくる観客も多く、世代を超えた実にピースフルなイベントと言えます。

 ヘインズ自身はノース・キャロライナ州アッシュヴィルの出身ですが、マウンテン・ジャムの前(1998年)から地元でクリスマス・ジャムというミュージック・マラソンを開催しており、組織・運営といったオーガナイザーとしての才能にも長けた珍しいミュージシャンであるとも言えます。

 

 そんなマウンテン・ジャムですが、これまで天候にはあまり恵まれてきたというわけではありませんでした。3日間のフェスティバルで雨が降り続いた年もありましたし、出演者も観客も、マウンテン・ジャムに行くには天候に対してある程度“覚悟”して臨まなければならないという状況でもありました。

 そうした中でマウンテン・ジャムは今年2019年から場所を移して開催することになったのですが、何とその移転先が前回のニュースレターのトピックとしてお話した、オリジナル・ウッドストックの開催場所ベセルとなったのです。

 「オリジナル・ウッドストックの開催場所」と言っても、ベセルは当時とはすっかり変わっています。約3.2キロ平方メートルという広大な敷地内には、「Bethel Woods Center for the Arts」という1万5千人収容の一部屋根付き大野外コンサート・ホールが2006年にオープンし(オープニングを飾るこけら落としは、ニューヨーク・フィルと、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの2本立て)、オリジナル・ウッドストックの歴史を伝えるミュージアムも2008年にオープンしています。

 

 そのため、マウンテン・ジャムのベセル移転開催には賛否両論がわき起こりました。賛成派の意見としては、オリジナル・ウッドストックが開催された“聖地”こそマウンテン・ジャムの開催地にふさわしい、というものが主流で、逆に反対派の意見としては、ベセルの地は既に巨大ホールとミュージアムという“商業施設”や観光地となり、山(マウンテン)の中のスキー場で演奏(ジャム)が行われてきたマウンテン・ジャムにはふさわしくない、ということが多く言われました。

 確かに、マウンテン派と言いますかキャンピング派には現在のベセルはあまりにきれいで人工的で、スキー場でのキャンピング&野外ミュージック・フェスからは離れたイメージとなることはもっともであると言えます。

 ですが、これまで何度もあった悪天候による困難な状況(演奏と鑑賞という点だけでなく、上水・下水の水回りや食料品の管理・販売といった衛生上の問題もありました)から大きく抜け出すことができたのは大きな前進であると言えますし、特に女性や子供にとっては衛生環境的な悩みの種が解消されたことは大切であると思います。また、キャンピング派以外にも足を伸ばしやすい状況となったことは、フェスティバルの今後にとって決して悪いことではないと言えるでしょう、

 

 人工的と言えばその通りですが、一大アート・センター・エリアとなったベセルには、パビリオンと呼ばれる前述の大野外コンサート・ホールとミュージアムの他に、1000人程度収容可能な小さな野外ステージと、ミュージアムの中に450人程度収容可能なイベント・スペースや小劇場などもあり、施設としては大変充実しています。

 更に今回は野外に中規模の特設ステージも作り、これまでと同様、大中小の3ステージにおいてパフォーマンスが行われ、規模としてはこれまでの数倍アップグレードしたと言えます。

 また、各ステージ間の通路にはマーチャンダイズ販売コーナーの他に、このイベントらしい出店、例えば手作りのアクセサリーや楽器、動物愛護運動の広報宣伝、マリファナ関連グッズなどの出店が建ち並び、普通この手のフェスティバルだとバーガーやホットドッグ、フレンチ・フライやチップス程度しかない飲食に関しても、ヴィーガン・カフェ、移動式のブリック・オーブンを持ち込んだ本格的なピッツア、タイ/ベトナム系のアジア料理、オーガニックのジュースやスムージーなど、実にバラエティ豊かなラインナップでした。

 

 それでもハードコアなキャンパー達の中には施設のきれいさと商業的な面に不満を述べる人達もいるようですが、やはりこれだけの会場施設の充実ぶりにはほとんどの来場者が大満足でポジティヴなフィードバックが圧倒的で、セールス的にも好調であったようです。

 実は今回は私の娘のバンドも同イベントに出演していたので娘に招待してもらい、娘のバンドが親しくしているウィリー・ネルソンと息子のルーカス・ネルソンにも紹介してもらうという大きなおまけまでついたのですが、都会の喧噪を離れた大自然と充実した施設を兼ね備える同フェスティバルは、何か心を洗われるような3日間になったとも言えました。

 

 このマウンテン・ジャムは来年も同地ベセルで行われる予定のようですが、ニューヨーク最大の音楽&キャンピング・イベントから、音楽イベントのみとしてもニューヨーク最大のイベントとなり、更に全米最大規模の音楽イベントの一つに成長していくことは間違いないように思われます。 

 マウンテン・ジャム自体には政治色はありませんが、それでもヒッピー思想やピース&ラブのコンセプトを継承し、ウッドストックとも繋がる部分の多いフェスティバルですので(出演アーティストの多くが、オリジナル・ウッドストックで演奏された曲のカバーも取り上げていたのが印象的でしたし、観客も一層の声援を送っていました)、会場に集まった観客・参加者の中には現状に対してかなりアグレッシヴで力強いメッセージとプロテストを表明している人達も多く見られました。

 中でも面白かったのは、トランプの掲げる「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大な国に)というスローガンを逆手に取って、「Make America Not Embarrassing Again」(アメリカを再び恥ずかしくない国に)というTシャツや帽子を付けたり、キャンピング・カーに掲げているのを良く目にしたことです。

 観客もオリジナル・ウッドストック世代のおじいちゃん・おばあちゃんから小さな子供まで。3世代で音楽フェスを楽しんでいる姿は実に微笑ましいと言えましたし、これこそがアメリカの“グレート”なところであると改めて感じました。

【STEP INFO】 小さい扇風機

 7月です!梅雨が明ければ本格的に2019 Summerです!

 

毎年大いに夏を楽しもうと思いながら、暑さに負けてふらふらになって

気が付いたらSummer is over・・・

今年はそうならないように、暑さ対策を万全にして夏を迎えたい。

そこで、買うことにしました、携帯用扇風機。

 

今、かなりトレンドアイテムのようです。いろんな種類がでています!

充電式で手のひらサイズで軽量、風力調節出来るもの、折りたためてデスクに置けるもの、

首からさげられるもの。中にはアロマオイルを入れられるもの、カラフルに光るものも。

オフィスはもちろん、料理中やキャンプでも利用価値がありそう。

そして何と言っても今年も音楽フェスに出かけるぞ!という方には必須アイテム!

熱中症予防になるはずです!光るタイプだとさらに気分が上がるかも!

 

と、いろいろあるのでどれを買うのか悩み中。

悩んでるうちに夏が終わらない様に気を付けます。

 

ではWelcome to summer!な感じで今月のメルマガ、スタートです。

 

                          (フクイ)