【MUSIC】ネクライトーキー

メディアコミュニケーション部・佐々木です。
6月26日にようやく九州北部と四国、中国、近畿の梅雨入りが発表されました。
平年より大幅に遅れていて、統計がある1951年以降で最も遅い記録とのことですが、
今回紹介するバンドも何かしらの記録を作っていくのではないかと期待しています。
そのバンドは「ネクライトーキー

2017年、大阪で結成された5人組バンドで
メンバーはVocal&Guitar「もっさ」さん、Guitar「朝日」さん、
Bass「藤田」さん、Drums「カズマ・タケイ」さん、Keyboard「中村郁香」さん。
バンドのブレインである「朝日」さんが中心となって結成されました。

百聞は一見に如かず、ということで、
どのようなバンドかまずはこちらをご覧ください。

♪ネクライトーキー / オシャレ大作戦

♪ネクライトーキー / めっちゃかわいいうた

いかがでしょう!
ポップな曲調、可愛らしい声から繰り出される、
攻撃的というか暴力的というか・・・それでいて根暗な歌詞。

たまたまYouTubeで、このバンドのMVを見て中毒性の高い楽曲、
歌詞と声のギャップに衝撃を受けて以来、個人的にこのバンドに注目しています。

ライブも本当にカッコ良く、皆さんにもぜひ見ていただきたいのですが
8月24日から始まる初のワンマンツアーも追加公演以外はすでにソールドアウト。
(僕もチケットが取れませんでした涙)

じつは「朝日」さんは自身がボーカルを務める「コンテンポラリーな生活」でも活動中。
(Bass「藤田」さんも「コンテンポラリーな生活」のメンバー、
 Drums「カズマ・タケイ」さんもサポートメンバー。
「ネクライトーキー」のメンバーは、実は半分「コンテンポラリーな生活」でもあります)

さらに「朝日」さんは、
ボーカロイドを使用しニコニコ動画などに楽曲を公開しているボカロPとしても
「石風呂」という名前で活動しており、そんな彼らだからこそできるアルバム
ボカロP「石風呂」の楽曲をネクライトーキーでセルフカヴァー(?)した
ミニアルバム「MEMORIES」が7月24日にリリースされます。

ポップで疾走感あふれるメロディ、中毒性たっぷりのサウンドに、
魅了される人が続出!
ぜひ「ネクライトーキー」、チェックしてみてください!!

【ネクライトーキー・OFFICIAL WEB SITE】

(佐々木)

【Shop in Azabu】とんかつ・とんしゃぶ むら中

麻布十番とんかつ・とんしゃぶのお店、
『むら中』をご紹介します。

こちらは麻布十番では老舗のとんかつ屋さんで、オーナーがこだわり抜いた
三元豚(さんげんとん)、という豚肉を使用されている、との事。

 

ランチタイムサービスでは1000円均一の6種類のメニュー、
とんかつ定食、串カツ定食、メンチかつ定食、コロッケ定食、
あじフライ定食、ミックス定食から選ぶことができます。

 

本日はやはり定番、ということで、
とんかつ定食を注文しました。


衣がほどよくサクサクしていて、肉も柔らかい。
確かにこれはめちゃくちゃ美味しいです!

 

お肉も美味しいのですが、
なんともご飯が美味しいですよ。
ツヤツヤしていて、炊き具合も抜群に良い。

そうそう、ランチタイムはご飯・お味噌汁がおかわり自由、
という所もなかなか麻布十番としては、お得感があります。

 

ぜひ皆さん、麻布十番に来られたら、

美味しいとんかつとご飯で心を癒やされてくださいませ!


■むら中 (むらなか)■

【住所】東京都港区麻布十番2-14-4
東京メトロ南北線麻布十番駅徒歩2分
【TEL】03-3453-6861
【営業時間】
[lunch time] 11:30〜14:00 LO 14:00
[dinner time] 17:30〜23:30 LO23:00
【定休日】火曜日

(成瀬)

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 July 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

                                         

今年の日本の梅雨は長雨と聞いていますが、ニューヨークは一足お先に本格的な夏到来です…というのも変な話で、これまで梅雨というもののなかったニューヨークは、5月末のメモリアル・デーの後に海開きとなって夏に入っていくのが通常のパターンでした。それがここ数年、5~6月は雨が多く、突発的な豪雨や雷など、天候が安定せず、ずるずると7月になってようやく夏という感じになっています。

 7月4日の独立記念日に大雨とはならなかったのは良かったですが、これから先、天候は更に変わっていくでしょうか、どうなるかはわかりません。

 カリフォルニア南部の地震も心配ですが、アラスカで摂氏30度以上の異常な暑さというのも驚きです。先日はグリーンランドで氷の上を走る犬ぞりが、氷の溶けた海の上を走る画像と、インドでは熱波による死者が100人を超え、このままでは人間が生存できる限界気温を超える、というニュースにも驚愕しましたが、アメリカもどこもかしこも、“前例のない”、“観測史上最高(または初)の”異常な気候ばかりです。

 温暖化による水位の上昇で、マイアミのビーチは沈み(5~15年以内と諸説あり)、それに続いてマンハッタンのダウンタウンも2012年のハリケーン・サンディの時のように海に沈む(15~30年と諸説あり)とも言われておりますが、先日はある科学者が「地球温暖化はこのまま止まることなく進むわけではなく、温暖化による異常気象で地球の地磁気が逆転(ポール・シフト)して氷河期を迎える」という恐ろしい説を述べていました。実はこれはかなり前から言われていた説であり、実際に地球は過去360万年の間に11回も地磁気逆転している(最後の逆転や約77万年前)ということで、そのことを発見した一人は京都大学の教授ですから、日本でも知られている説であると思います(最近の各国の宇宙開発は、実は軍事目的よりも地球脱出・他惑星移住計画がメインであるという説も…?)。

 それにしても、熱波・水没と氷河期とどちらが良いか(ましか)などという恐ろしい二者択一はしたくありませんが、各国が環境問題に対してまじめに取り組み気がない以上、これからの人類をふくめた生物は、更なる暑さ・寒さにももっと強くならなければ生き残れないことは確かのようです。

 

トピック:“ウッドストック”のスピリットを伝えるニューヨーク最大の音楽&キャンピング・イベント「マウンテン・ジャム」

 

 先月お伝えした騒動の後、予定開催地からも拒否されて変更を余儀なくされ、いまだチケットも発売されないゴールデン・アニバーサリーの「ウッドストック50」ですが、実は先日、オリジナル・ウッドストックの開催地であったベセルで行われたニューヨーク最大の音楽&キャンピング・イベントである「マウンテン・ジャム」に行ってきましたので、今回はそちらのイベントについて紹介したいと思います。

 

 このマウンテン・ジャムは、2005年からスタートし、今年で14年目を迎えます。マンハッタンから車で3時間ほどのハンター・マウンテンというニューヨーカーには人気のスキー場があり、ここに特設ステージを作り、キャンピングと音楽フェスティバルで3日間を過ごすということで、多分にウッドストックのコンセプトや伝統が受け継がれているとも言えます(スキー場なので周辺にはホテル施設もあり、キャンピングをしない人たちも大勢います)。

 

 そもそもマウンテン・ジャムは、ウッドストックのラジオ局の25周年イベントとして開催されたのですが、運営組織としても非常によくオーガナイズされ、これまでオールマン・ブラザーズ・バンド、グレイトフル・デッドのメンバー達、トム・ペティ、スティーヴ・ウインウッド、ロバート・プラント、レボン・ヘルム、スティーヴ・ミラー、ザ・ルーツ、メイヴィス・ステイプル、リッチー・ヘイヴンス、プライマスなどといったバラエティ豊かな多岐にわたる大物達が出演してきました。同時にこのフェスティバルの特徴は、地元ミュージシャンや新進・若手ミュージシャンの起用にも積極的である点で、敷地内に大中小3つのステージを設けて演奏を繰り広げ、観客が自由に楽しめるプログラムになっています。

 

 このフェスティバルの最多出演アーティストは、「ガバーメント・ミュール」のウォーレン・ヘインズです。ヘインズは90年からオールマン・ブラザーズ・バンドに参加したことで知られていますが、彼自身のバンドもアメリカでは非常に根強い人気を誇っています。

 実はこのヘインズは、マウンテン・ジャムの看板アーティストであるのみならず、このフェスティバルの共同創始者/オーガナイザー/プロデュ-サーでもあります。

 オールマン・ブラザーズ・バンドのファンの方であればすぐにおわかりでしょうが、実は「マウンテン・ジャム」の名前は、“山でのジャム演奏”に加えて、前述のウォーレン・ヘインズが在籍したオールマン・ブラザーズ・バンドの曲目にも由来しており、その二つを掛け合わせているわけです。

 

 マウンテン・ジャムというと、ヘインズとオールマン・ブラザーズ・バンド、そしてヘインズが長年交流を続けてきたグレイトフル・デッドの元メンバー達の音楽といったジャム・バンド的なカラーまたはイメージが強いとも言え、集まる客層もヒッピー系/アウトドア系が多いと言えますが、それでも上記のようにジャンル的には全く偏っていませんし、ファミリーや他州からやってくる観客も多く、世代を超えた実にピースフルなイベントと言えます。

 ヘインズ自身はノース・キャロライナ州アッシュヴィルの出身ですが、マウンテン・ジャムの前(1998年)から地元でクリスマス・ジャムというミュージック・マラソンを開催しており、組織・運営といったオーガナイザーとしての才能にも長けた珍しいミュージシャンであるとも言えます。

 

 そんなマウンテン・ジャムですが、これまで天候にはあまり恵まれてきたというわけではありませんでした。3日間のフェスティバルで雨が降り続いた年もありましたし、出演者も観客も、マウンテン・ジャムに行くには天候に対してある程度“覚悟”して臨まなければならないという状況でもありました。

 そうした中でマウンテン・ジャムは今年2019年から場所を移して開催することになったのですが、何とその移転先が前回のニュースレターのトピックとしてお話した、オリジナル・ウッドストックの開催場所ベセルとなったのです。

 「オリジナル・ウッドストックの開催場所」と言っても、ベセルは当時とはすっかり変わっています。約3.2キロ平方メートルという広大な敷地内には、「Bethel Woods Center for the Arts」という1万5千人収容の一部屋根付き大野外コンサート・ホールが2006年にオープンし(オープニングを飾るこけら落としは、ニューヨーク・フィルと、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの2本立て)、オリジナル・ウッドストックの歴史を伝えるミュージアムも2008年にオープンしています。

 

 そのため、マウンテン・ジャムのベセル移転開催には賛否両論がわき起こりました。賛成派の意見としては、オリジナル・ウッドストックが開催された“聖地”こそマウンテン・ジャムの開催地にふさわしい、というものが主流で、逆に反対派の意見としては、ベセルの地は既に巨大ホールとミュージアムという“商業施設”や観光地となり、山(マウンテン)の中のスキー場で演奏(ジャム)が行われてきたマウンテン・ジャムにはふさわしくない、ということが多く言われました。

 確かに、マウンテン派と言いますかキャンピング派には現在のベセルはあまりにきれいで人工的で、スキー場でのキャンピング&野外ミュージック・フェスからは離れたイメージとなることはもっともであると言えます。

 ですが、これまで何度もあった悪天候による困難な状況(演奏と鑑賞という点だけでなく、上水・下水の水回りや食料品の管理・販売といった衛生上の問題もありました)から大きく抜け出すことができたのは大きな前進であると言えますし、特に女性や子供にとっては衛生環境的な悩みの種が解消されたことは大切であると思います。また、キャンピング派以外にも足を伸ばしやすい状況となったことは、フェスティバルの今後にとって決して悪いことではないと言えるでしょう、

 

 人工的と言えばその通りですが、一大アート・センター・エリアとなったベセルには、パビリオンと呼ばれる前述の大野外コンサート・ホールとミュージアムの他に、1000人程度収容可能な小さな野外ステージと、ミュージアムの中に450人程度収容可能なイベント・スペースや小劇場などもあり、施設としては大変充実しています。

 更に今回は野外に中規模の特設ステージも作り、これまでと同様、大中小の3ステージにおいてパフォーマンスが行われ、規模としてはこれまでの数倍アップグレードしたと言えます。

 また、各ステージ間の通路にはマーチャンダイズ販売コーナーの他に、このイベントらしい出店、例えば手作りのアクセサリーや楽器、動物愛護運動の広報宣伝、マリファナ関連グッズなどの出店が建ち並び、普通この手のフェスティバルだとバーガーやホットドッグ、フレンチ・フライやチップス程度しかない飲食に関しても、ヴィーガン・カフェ、移動式のブリック・オーブンを持ち込んだ本格的なピッツア、タイ/ベトナム系のアジア料理、オーガニックのジュースやスムージーなど、実にバラエティ豊かなラインナップでした。

 

 それでもハードコアなキャンパー達の中には施設のきれいさと商業的な面に不満を述べる人達もいるようですが、やはりこれだけの会場施設の充実ぶりにはほとんどの来場者が大満足でポジティヴなフィードバックが圧倒的で、セールス的にも好調であったようです。

 実は今回は私の娘のバンドも同イベントに出演していたので娘に招待してもらい、娘のバンドが親しくしているウィリー・ネルソンと息子のルーカス・ネルソンにも紹介してもらうという大きなおまけまでついたのですが、都会の喧噪を離れた大自然と充実した施設を兼ね備える同フェスティバルは、何か心を洗われるような3日間になったとも言えました。

 

 このマウンテン・ジャムは来年も同地ベセルで行われる予定のようですが、ニューヨーク最大の音楽&キャンピング・イベントから、音楽イベントのみとしてもニューヨーク最大のイベントとなり、更に全米最大規模の音楽イベントの一つに成長していくことは間違いないように思われます。 

 マウンテン・ジャム自体には政治色はありませんが、それでもヒッピー思想やピース&ラブのコンセプトを継承し、ウッドストックとも繋がる部分の多いフェスティバルですので(出演アーティストの多くが、オリジナル・ウッドストックで演奏された曲のカバーも取り上げていたのが印象的でしたし、観客も一層の声援を送っていました)、会場に集まった観客・参加者の中には現状に対してかなりアグレッシヴで力強いメッセージとプロテストを表明している人達も多く見られました。

 中でも面白かったのは、トランプの掲げる「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大な国に)というスローガンを逆手に取って、「Make America Not Embarrassing Again」(アメリカを再び恥ずかしくない国に)というTシャツや帽子を付けたり、キャンピング・カーに掲げているのを良く目にしたことです。

 観客もオリジナル・ウッドストック世代のおじいちゃん・おばあちゃんから小さな子供まで。3世代で音楽フェスを楽しんでいる姿は実に微笑ましいと言えましたし、これこそがアメリカの“グレート”なところであると改めて感じました。

【After Word】 7月の花

今月のメルマガはいかがだったでしょうか?



そろそろ梅雨も明けて、夏のイベントが沢山スタートします。

皆さんが楽しみな夏行事はありますでしょうか?

僕は夏フェスが大好きなので、

8月のROCK IN JAPANのチケット先行に励んでいます。


さて、今回は
7月に咲き始める花をご紹介させて頂きます。


★ひまわり



言わずと知れた夏の花です。原産地は北アメリカで、高さは最大3mまで成長します。


ひまわりの花言葉は「憧れ」「あなただけを見つめる」です。

色によって花言葉が違い、他の色だと下記になります。


白のひまわりは「程よき恋愛」

紫のひまわりは「悲哀」

大輪のひまわりは「偽りの愛」「にせ金持ち」

小輪のひまわりは「高貴」「愛慕」



★あさがお

 


こちらも有名な夏の花ですね。小学生の頃育てた記憶があるのではないでしょうか?


「アサガオ(朝顔)」の花言葉は「愛情」「結束」です。

アサガオも色によって花言葉が違う花です。


白色のアサガオは「あふれる喜び」「固い絆」

青のアサガオは「短い愛」「儚い恋」

紫のアサガオ(朝顔)の花言葉は「冷静」です。



★ほおずき



赤い果実のほうが有名な花ですが、白い花を咲かせます。

 


 

浅草寺では、ほおずき市というイベントが行われています。



ほおずきの花言葉は「偽り」「ごまかし」「半信半疑」と、

「心の平安」「私を誘ってください」となっています。


ほおずきの見た目や効能など、様々な理由から

こういった花言葉が付けられたそうです。



細かい由来が気になる方は是非調べてみてください!



今月も見て頂きありがとうございました!

来月もよろしくお願いいたします!!


(鈴木)

 

お問い合わせ、配信停止希望はコチラ>>!!

 

【STEP INFO】令和元年の梅雨

5月の下旬に全国各地で記録的な猛暑。

北海道、東北で連日35度以上の猛暑日を記録。

6月に入りましたが「梅雨くる??」って感じです。

6月に入っても全国各地で猛暑が続き、先程、気象庁より『今年の梅雨はありません。』
との発表がなされました...てなニュースで流れてきても不思議に思わないぐらいです。

また、「梅雨っていつから?」「梅雨っていつまで?」
みたいな会話を毎年してるような気がします。

皆さまは如何でしょうか?

ということで令和元年の梅雨入りと梅雨明けの予報を見てみようといろいろと検索。

しかし、「速報値」なるものはありますが、「予報」が見当たりません。。。

ちなみに現時点での梅雨入りの速報値はこんな感じ。

 沖縄   5月16日頃 梅雨入り(平年より7日遅い)
 奄美   5月14日頃 梅雨入り(平年より3日遅い)
 九州南部 5月31日頃 梅雨入り(平年通り)

梅雨に関しては、予報が難しいということでしょうか。てっきり普通にあるものだと思ってました。

ということで、予報の代わりにウェザーニュース予報センターが発表している
『今年の梅雨のポイント』を記させていただきます。

 [1]梅雨前線北上が遅れ、長い梅雨になる見通し
 [2]梅雨の総雨量は沖縄・奄美、九州南部、四国で多い傾向
 [3]西・東日本では7月上旬~中旬に雨のピーク、各地方で梅雨末期の大雨に注意

やはり、今年もしっかり梅雨はくるようです。

梅雨は、災害が発生しやすい時期で特に鹿児島県、宮崎県、大分県などの九州地方はこれまでの大雨で
地盤が緩んで土砂災害が発生する危険性もあります。

とにかくとんでもない大雨や災害がなく梅雨が終わってほしいと願う今日このごろです。

ということで、ステップメルマガ6月号スタートです! どうぞお楽しみ下さい!!

(伊藤)

【MUSIC】君島大空

お久しぶりです。メディアコミュニケーション部でラジオ番組制作をしています大和です。
春からの生活の変化に翻弄されていたら、まさかの真夏のような初夏。
皆様お身体御自愛ください。

毎回、「詳しくないけど気になってます」なミュージシャンをご紹介している自分ですが、
今回は今年知った衝撃のシンガーソングライター「君島大空」さん。
3月にデビューEP『午後の反射光』をリリースした、男性のアーティストです。

まずはプロフィール。
作詞作曲編曲と演奏の多重録音で音楽を作る、宅録系のミュージシャンで、
ギタリストとして高井息吹さん等、様々なアーティストをサポート。
昨年ブレイクした高校生SSW崎山蒼志さんがフェイバリットに挙げている。
という少なめな基本情報。
ただ、リード曲のドラムを「石若駿」さんが叩いているらしい。
CDを手に取る理由はこれだけで十分です。

不思議なコラージュのパッケージを開けて、
再生ボタンを押すと、、、「?」
幾重にも重ねられた楽器の音と、平凡な言葉を使うなら、中性的な声。
所謂、男性のファルセットボイスとは出し方が違う不思議な歌唱。
「もしかして、女性コーラスあり?」いいえ、全て彼自身の声なんです。

楽曲も、この声で聴くからこそ生まれる音のうねりが魅力的で、
スピーカーで、イヤホンで、部屋で、外で、朝に、昼に、晩に、、
聴く度、聴く度新しい発見がある、宝探しのような1枚。(一時期このCDばかり聴いてました)

中でもリード曲『遠視のコントラルト』と、タイトル曲『午後の反射光』は圧巻。
タイプの違う2曲ですが、どちらもジェットコースターの様に目まぐるしく構成が変わり、
最後の一音で楽曲が完成。その瞬間は、快感のようにも思えます。
歌詞も素晴らしく、今回この原稿を書く上で「コントラルト」とは
「女声の最低音域」という意味を知り、鳥肌が立ちました。
♪「遠視のコントラルト」

EP発売以降、SNSやクチコミで話題が広がっている模様。
関西でのライブの予定は今のところ内容ですが、
関東圏では、ソロやバンドセットで続々ライブが決まっているようです。
今一番、生で観てみたいアーティスト「君島大空」。気になった方はぜひ。

Homepage https://ohzorafeedback.wixsite.com/hainosokomade
Twitter https://twitter.com/ohzr_kshm
Soundcloud https://soundcloud.com/ohzorakimishima

(大和)

【Shop in Tanimachi】ふじ家

今回ご紹介させていただくお店は、谷町四丁目で人気店の洋食屋「ふじ家」です。

谷町四丁目界隈は比較的お店が少ないので、人気店はやはり行列ができます。

少し遅めのランチをいただきに、女性3人で行きました。

店内はシンプルで清潔感があり、カウンター4席と 奥に4人用テーブルが1つ、2人用テーブルが4つあります。






近江牛に目がいってしまうのですが… ダメ ダメ!

並んでいる間にオーダーを下記3品に決めました。

  本日のランチ(ハンバーグとクリームコロッケ)          とんかつ定食(白金豚)   
        


   帆立とエビのクリームコロッケ定食

 

全て ご飯、アサリの赤だし、漬物付きです。


お約束の ちょっとずつ交換 ♪  で 味見を。

ハンバーグととんかつは、肉汁がじんわ〜りでジューシーです。

クリームコロッケは、帆立とエビの風味を消すことがない まろやかなカレー風味。
タルタルソースをつけるとコクが出てまた美味しかったです。

デミグラスソースとタルタルソースが絶妙で、添え物のサツマイモのマッシュポテトはそのままでも
甘くて美味しいのですが、デミグラスソースを絡めるとまた違った味で楽しめます。

洋食屋なのにアサリの赤だし、というところも満足度UP!


私達にはちょうど良い量でしたが、食欲旺盛な方はご飯大盛りでどうぞ‼︎


味だけではなく接客も素晴らしく、お店を出る時 店員さん全員笑顔でご挨拶してくださいました。
見習いたいですね。

夜にまた行ってみたいです。

お店の詳細はこちら ↓ ↓ ↓
  
  

 

(ハルキ)

 

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 June 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

                                             

 ニューヨークの再開発は各地でとどまることを知りませんが、最近は単なる高層ビルではなく、周囲の景観を変えてしまうような奇怪・奇抜な建築が増えています。その中でも代表的なのは、新ワールド・トレード・センター・エリアのトランスポーテーション・ハブの外郭建築として建てられて「オキュラス」です。恐竜の骨を思わせるデザインは、9/11テロの残骸をイメージしたものであるとのことですが、建築アートというよりは単なる悪趣味なオブジェ、“メモリアル”というよりはまるで万博のテーマ館かテーマ・パークのランドマークのようです。

 次に目下マンハッタンの最新人気スポットとなりつつあるハドソン・ヤードにできた展望台「ヴェッセル」。その名の通り血管を思わせるデザインには趣味の悪さ、センスの無さを感じますが、そもそも既に他の高層ビルに囲まれ、更に今後高層建築が増えていく中で、僅か46メートルの奇怪なインスタレーションに登ってどこが絶景と言えるなのでしょうか。このハドソン・ヤードには更に「ザ・シェッド」と呼ばれる新しいイベント・スペースができましたが、ビル群の中に巨大なマットレスが立てかけられたような、このバランス感覚の無さは一体何なのでしょうか。

 そもそもハドソン・ヤードは「ハイライン」というチェルシー/ミート・パッキング・ディストリクトから北に延びる、廃線となった高架線を再利用したニューヨークらしい遊歩道の最終地点とつながることになるわけですが、このハドソン・ヤード自体が、「ハイライン」のコンセプトとは相容れない、いびつな人口都市スポット空間と言えます。

 このような辛辣な意見は、最近の再開発や新建築物に浮かれはしゃぐ巷の観光ガイドや観光ブログなどでの紹介記事とは正反対のものであると思いますが、敢えて言うなら、これらは古き良きニューヨークを愛する住人(本当の意味でのニューヨーカー)の“目”でもあると思います。

 そうした中、テロの記憶を刻む「9/11メモリアル」(「グラウンド・ゼロ」という呼び名は、テロ直後の凄惨な姿を言い表すもので、復興した今はもう使われるべきものではありません)に5月の末、打ち壊された大きな6つの石が置かれた「メモリアル・グレード」と呼ばれるエリア(グレードは「空き地」の意味)ができました。これは{ファースト・レスポンダーズ}と呼ばれる、テロ直後、最初に現場に飛び込んで救助活動を行いながらも、有害物質を吸い込んで病気になったり亡くなった人達を称えるもので、隣接するメモリアル建築のみならず、周囲の景観とも調和した、静かなメッセージを持った威厳のあるデザイン/コンセプトであると言えます。そしてこの“調和”こそが、今のニューヨーク、そしてアメリカに最も欠けているものに思えてなりません。

 

トピック:ウッドストックと新たな日本叩きの影

 

 マンハッタンから車で約3時間のところにウッドストックという町があります。ニューヨーク州北部のアルスター郡にある人口5~6千人程の小さな町で、キャツキルという山岳地帯・公園の麓に位置しています。避暑地・リゾート地として知られるウッドストックは、19世紀末の「ハドソン・リバー派」の画家たちの拠点となり、その後も様々なアーティスト達が集まり、移り住み、ミュージシャンではジミ・ヘンドリクスやボブ・ディランが住んでいたことでも知られています。

 このウッドストックという名前自体は「ウッドストック・フェスティバル」によって知らぬ人はいないほど有名になりましたが、実は「ウッドストック・フェスティバル」はウッドストックでは開催されていません。そもそもはウッドストックに暮らすアーティスト/ミュージシャン達が自分達のスタジオなどを建設するための資金集めとして同フェスティバルは計画されましたが、結局このウッドストックにはフェスティバルに適した場所が見つからず、ウッドストックの町自体も開催を断ったため、アルスター郡の西隣の郡であり、ウッドストックからは車で約1時間半程離れたサリヴァン郡のべセルという町で伝説のフェスティヴァルは開催されたわけです。

 よって、ウッドストックという名称は、既に一地方名を遥かに越えて、当時のヒッピー・ムーヴメントやサイケデリック・カルチャーの集大成、更には愛と平和の象徴として、単なるコンサート・イベントやフェスティバルではなく、アメリカの精神性やカルチャー(カウンター・カルチャーと言われてきましたが、もはや“カウンター”という言葉も必要ないかもしれません)を物語る偉大な“伝説”として、アメリカ人の心にしっかりと刻まれることになったわけです。

 このフェスティバルの共同プロモーターであったのがマイケル・ラングという人物です。ブルックリン出身の彼は1967年、22歳の時にフロリダに移り、翌68年には僅か23歳で「マイアミ・ポップ・フェスティヴァル」という2日間で延べ5万人規模の大コンサートを行い、ジミ・ヘンドリクスやフランク・ザッパ達を出演させましたが、2日目は大雨のため途中で中止となりました(ここからラングの波乱のプロモーター人生が始まっているとも言えます)。

 マイアミで大コンサートの実績を得たラングはニューヨークに戻り、時代を象徴する社会ムーヴメントと成り得る大コンサートの企画を更に推し進め、ウッドストックに着目します。しかし、前述のようにウッドストックでは開催不可となったため、隣の郡のベセルにある大牧場を借り受け、結果的にアーティー・コーンフェルド、ジョエル・ローゼンマン、ジョン・ロバーツを加えた4人による共同運営として世紀の大イベントを実現させます(この4人のオーガナイザーと牧場主の全員がユダヤ人であるというのも、この国の音楽事情を物語る興味深い点でもあります)。

 その辺りのいきさつは様々な形で本となっていますし、ここでは詳しく紹介しませんが、その中でも当時ニューヨーク州知事で後にフォード政権の副大統領となるネルソン・ロックフェラーがこのイベントの安全性を危惧して1万人の州兵を出動させようとしたのを説き伏せて回避させたこと(これに関してはロバーツの手腕)は一つの象徴的な出来事であったと言えますし、結果的にこのイベントを理由に郡が非常事態宣言を出した中でも大きな事件も起こらず、様々な面で大混乱のイベント(特に会場運営や天候の問題)となったにも関わらず、正に“愛と平和のイベント”を実現したことは“奇跡”として物語られているわけです。

 そうした中で、諸説・異論はありますが、イベントのメイン・コンセプト、つまり“愛と平和”という部分を推し進め、貫いたのはラングであったとされ、他の3人はもっとヴェンチャー・ビジネス的な視点を持っていたとされています(それによる4人の対立も様々な本に残されています)。

 お気楽なヒッピーでありながら独創性に満ちた起業家であり、実にタフなネゴシエーターであるラングは、このイベントの成果によって、アメリカでは(世界でも)知らぬ者はいないほどの豪腕・辣腕プロモーターとなりました。前述の“奇跡”も彼の“売り物”と言えますが、ウッドストック・フェスティヴァルもイベント自体は赤字となったものの、その記録を残したレコードと映画によって結果的には黒字に転じさせるというタフさ・強運さも彼の底力であると言えます。

 ウッドストック・フェスティヴァル自体はその後10周年の79年、20周年の89年にも行われましたが、ラングはオリジナルのコンセプトを継承した大規模なフェスティヴァルを、25周年の94年と30周年の99年に行うことになります。しかし、音楽的には評価されながらも、特に99年は69年以上に会場運営と天候に大きな問題が生じて観客が暴徒化し、暴行・レイプ・略奪・放火などが起きて軍が出動するという忌まわしい悲惨な結果となったことは、まだ記憶に新しいと思います。ラングもそれによって多大な損害を被ったと言われますし、何より「愛と平和の象徴たる(オリジナル)ウッドストックの時代は終わったと」いう評価・レッテルは否定できない結果となってしまったわけです。

 しかし、オリジナルから50年の時を経て、ウッドストックは不死鳥のように蘇りました…と見えました。アメリカ史上屈指の独裁強圧路線を走るトランプの時代を迎え、対立と憎悪ですさみ、疲れ果てつつあるアメリカを癒やし、人々の心に再び“愛と平和”を取り戻すべくあのウッドストックが50年のゴールデン・アニバーサリーとなる「ウッドストック50」として帰ってきた…と多くの人々は期待しました。しかし、その試みは資金提供者の撤退とそれに続くイベント制作会社の撤退で暗礁に乗り上げてしまったのです。常に問題が問題を呼ぶいわく付きのイベント、ウッドストックですが、今回は一体何が起こったのでしょうか。

 既にこれまでの報道でいきさつをご存じの人も多いでしょうが、今回の問題に関しては、その矛先が日本(正確には日本が母体の企業)に向けられている部分も大きく、大変センシティヴな問題もはらんでいるため、ここでは私見はできるだけ避け、アメリカのメディアにおける報道やアメリカ一般大衆のセンチメントという部分にフォーカスして話を進めたいと思います。

 まず、事の起こりは去る4月22日。予定されていたチケット販売が延期となり、しかも同イベントは、ニューヨーク州保険局からの開催許可もまだ得られていない、と報じられたことでした。ここでまず、フェスティバルの中止が危惧されたわけですが、主催者側はそれを否定。

 しかし、その後のアナウンスが待たれる中で、今度は一週間後の4月29日に、今回のウッドストック50に資金を提供する主要投資会社の一つである電通イージス・ネットワーク(以下DANに略)が突如、イベントの中止を発表しました。その声明には「我々はこのフェスティバルがウッドストックのブランド名に見合うイベントではなく、出演アーティスト達、パートナー達、観客の健康と安全を確保できないと判断しました」と記され、その理由の詳細に関するそれ以上のコメントは出ませんした。

 更にその2日後の5月1日には、今回のフェスティバルの制作を手がけるイベント制作会社のスーパーフライが撤退を表明。フェスティバルの最も有力な資金源が絶たれた現在、自分達の仕事を継続することは不可能になった、というのがその理由でした。

 金も人も失ったとあっては、ウッドストック50の開催はもう絶望的、と見るのは当然です。しかし、ラングはそれでも「新しい資金源も制作プロダクションも既に探しているし、直に見つかる」と豪語し、実際に5日後の5月6日はイベント会社のCIEエンターテインメントがウッドストック50のプロデュースを行うことが発表されました。

 更にラングは前述したオリジナルの69年の“奇跡”を例に、希望と努力を力強くアピールしましたが、立て続けの撤退には怒り心頭で、DANへの訴訟に踏み切りました。控訴内容はDANが今回のウッドストック50の銀行口座から約1700万ドルを不当に引き出したこと、4月22日のチケット発売を妨害したこと、そして了解同意なくイベントのキャンセルを企てたこと、となっていますが、更には既に出演者達へのギャラを全額支払ってきたDANは出演者達にウッドストック50への出演も断念させ、その穴埋めとして2020年の東京オリンピックへの出演を打診している、と言うのです。

 これらはあくまでも訴状内容ですから、真偽の程はまだわかりません。DANも契約違反やラングの虚偽を理由にフェスティバルを引き継ぐ権利やキャンセルする権利を出張して逆控訴を行いましたが、アメリカのメディア・サイドによる報道内容、そして音楽業界や音楽ファンまたは一般市民の感情面から言えば、DANの方が明らかに不利な状況にあります。

 その理由の一つは、DANがアメリカの会社ではなく日本の会社であるという点です。厳密に言えばDANはロンドンにヘッドクォーターがある国際メディア会社でCEOも日本人ではありません。元々は1966年にフランスで設立されたCARATというメディア・エージェンシーで、その後買収・分裂を経てイージス(Aegis)社となり、2013年に電通が買収して電通イージス・ネットワークとなり、その後もニューヨーク、ロンドン、マイアミ、シンガポールのメディア会社を次々と買収して巨大な多国籍メディア&デジタル・マーケティング・コミュニケーション会社となっています。

 しかし、アメリカでの報道においては常に「ジャパニーズ・カンパニー」、または「ジャパニーズ・デンツー」です。「デンツー」と言う名前はアメリカの一般社会においてはまだまだ浸透しておらず、音楽業界においても日本とのビジネスを行う人間か、ある程度の役職者以上でないと知りませんが、いずれにせよ常に“ジャパニーズ”として報道されるのですから、アメリカ人にとっての印象は極めてよろしくありませんし、しかも単にアメリカ音楽という面のみではなく、アメリカ人の魂・スピリットと密接につながるウッドストックとなれば尚更です。しかも、「その穴埋めとして2020年の東京オリンピックへの出演を打診」という部分が事実であったり、何らかの証拠が発覚でもしたら、ウッドストックの名によってアーティストを集めてアメリカ国外でのイベントに利用すると解釈され、ウッドストック、引いてはアメリカの音楽文化の名誉に関わることにもなりかねません。

 そうした危惧が高まる中、5月15日のニューヨーク最高裁の判決は形の上ではラング、つまりウッドストック50側の勝訴となり、DANにはウッドストック50をキャンセルする権利は無いとの判決が出ましたが、1700万ドルに関してはDANに返済義務は無し、とされました。これはラング側にとっては依然資金の調達が見込めないわけで、勝訴とは言え、現実的には引き続き困難な状況となるわけですが、何と2日後の17日にはアメリカの名門投資銀行であるオッペンハイマー・ホールディングスが新たな財務支援者となることがアナウンスされました。

 これで一応形の上ではウッドストック50のための金と人の目当てはついたわけですが、ラングとDANの間の訴訟は更に泥沼化する可能性が高まっています。

 実は今回の訴訟でラングが雇ったのが、マーク・コソヴィッツといういわく付きの弁護士です。彼はトランプ大統領の個人弁護士であった人物で、今もトランプ罷免の鍵を握る2016年大統領選におけるロシア介入疑惑に関する調査に当たってもトランプ側を代表し、ロシアのプーチン大統領と密接な関係を持つ人物やロシアの銀行の弁護人も務めているということで、これまで反トランプ側の人間からは脅迫状も送られてきているほどです。

 そんなコソヴィッツは、ニューヨーク最高裁の判決を受けて、DANに対して「非道な」「ゲリラ的」などという言葉を使って強く批判し、控訴による仲裁・調停を目指すことを発表しました。やはりラング側としては1700万ドルをDANが横領したとする認識は変えておらず、今後のフェスティバル運営のためにもDANによる返済にこだわっていると言えます。それに対してDANはニューヨーク最高裁の判決によってラング側の主張は既に退けられていることから、コソヴィッツの主張に真っ向から反対する声明を出しましたが、問題は金銭面に絞られてきたことから、どう決着するのかが気になるところです。

 そんな法廷闘争が行われる中、フェスティバル自体はまだチケット発売の目処も立っていませんし、ほとんどの出演アーティスト達は沈黙を守ったままです。そうした中、ウッドストック50とほぼ時を同じくして、オリジナル・ウッドストックが行われたベセルでは、リンゴ・スターのオールスター・バンド、サンタナ&ドゥービー・ブラザース、ジョン・フォガティといった有名アーティストを集めて50周年のゴールデン・アニバーサリー・イベントが行われることになっています。

 常に“難産”を経験してきたウッドストックではありますが、今回のように開催約3ヶ月前で法廷闘争にまでもつれ込んだドタバタ劇というのは異例というよりも異常と言わざるを得ませんし、それ以上に、今回の事件とその報道が日米関係に何らかの傷跡を残さないか、また、日本に対する風当たりが強くならないかも気になります。

 全ては今後の法廷闘争の結果次第ではありますが、今のアメリカにおける報道ぶりだと、判決に関わらず日本に対する印象が悪くなることは避けられないようにも感じられます。

 実は先日、私の恩師でもあり、長年のお付き合いである米3大レコード会社の元重役二人に今回の件についても話をする機会がありましたので、最後にその時の話も紹介して締めくくりたいと思います。

 二人とも大の親日派であり(一人は夫人が日系アメリカ人)、音楽業界の中でも際だったリベラル派と言え、既に一線を退いたことからも以前よりもストレートな意見を述べてくれるようになっていますが、一人は「ラングは興行界のトランプのような男だ。百戦錬磨の手強い男だし、財界・政界にまで強力なコネクションを持っている。今回雇った弁護士もそのいい例だ。その一方でウッドストックというのはアメリカ人にとって一つの“ソウル”なんだ。ラングとウッドストックを敵に回してしまったのはまずい。デンツーには気の毒だが、相手が悪すぎる」と同情し、もう一人は「デンツーの撤退時のアナウンスは良くなかった。ウッドストックというのはアメリカでも屈指の“問題児”なんだ。99年の悪夢もあるし、今回の50周年が問題だらけであることもみんなわかっていた。だからこそ対応はもっと慎重にならなければならないんだ」と辛口の意見を述べました。

 もちろん、冷静且つ客観的に見ればDANの判断・決定は充分理解できるし、それ自体は責められるべきでは無いが、ポピュリズムとアメリカ第一主義が大勢を占める今のアメリカの世相が、そうした冷静で客観的な視点を持ち得るかということには、二人共大きな疑問を呈し、今後のDANそして日本への風当たりを心配していました。

 この問題はまた追ってお伝えする機会を持ちたいと思います。

 

【After Word】6月

今月のメルマガはいかがでしたか?

今年も半年が過ぎようとしていますが

冒頭でも触れた通り、5月の後半、一気に気温が上がりました。

皆様も急いで夏服を取り出して衣替えされたのではないでしょうか。

私も奥にしまった夏服を慌てて出して洗濯しました。

 

衣替えは古くからおこなわれている習慣のようで

平安時代の旧暦には4月1日と10月1日に

明治時代からは6月1日、10月1日と定められていたようです。

現代では異常気象や、気温差が激しいこともあり

気にされる方も少ないかもしれませんが、和服を着ていた時代の日本では

はっきりと習慣づけられていました。

四季が存在する日本独自の習慣ですね。

 

ともあれ今年の夏もさらに猛暑となりそうな予感

暑さ対策も万全にしていきましょう。

 

それでは来月のメールマガジンもよろしくお願いいたします。

お問い合わせ、配信停止希望はコチラ>>!!

(宮道)

【STEP INFO】GWですね!

 

いよいよ今週末からはGWですね!

10連休!と連日メディアで話題になっていますが、皆様の休日はいかがでしょうか…?

休める時はしっかり休んで、モチベーションを上げていきたいですね!

 

さて、漠然と10連休…となっている気がするので(僕だけ…?)

今日はGWはどんな休日なのかを改めて紹介していきたいと思います!

 

★4/27、4/28は土日なので通常通りのお休みですね。

 

★4/29:昭和の日

2007年に制定された祝日で、この日は昭和天皇の誕生日です。

「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、
国の将来に思いをいたす」事を趣旨としているそうです。

 

★4/30:国民の休日(祝日に挟まれている為)

 

★5/1:新天皇即位に伴う休日

新元号「令和」に決まりましたね!令和天皇が即位されるおめでたい日です。

 

★5/2:国民の休日(祝日に挟まれている為)

 

★5/3:憲法記念日

1947年に日本国憲法が施行されたことを記念して、1948年に制定されました。

「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」事を趣旨としているそうです。

 

★5/4:みどりの日

昭和の日との兼ね合いで制定された祝日でして、

「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」

事を趣旨としているそうです。

 

★5/5:こどもの日

5月5日は古来から端午の節句として、

男子の健やかな成長を願う行事が行われていました。

国会にこどもの日を祝日とする請願が寄せられた際に、

5月5日を希望するものが多かったため5日に制定されたそうです。

趣旨は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」

だそうです。母に感謝する日でもあったんですね。

 

★5/6:振替休日(祝日が重なる為)

 

いかがでしたでしょうか?

色々な理由が重なりGWが成り立っているんだなぁ…

と自分自身も勉強になりました!!

 

それでは長くなってしまいましたが、

ステップメルマガ5月号スタートです!!

(鈴木)

【Shop in Azabu】 Eat More Greens イート・モア・グリーンズ:麻布十番店

みなさま、
日々健康に気をつけて過ごしていらっしゃいますか?

実は4年前に、こちらのメルマガに登場している
「イート・モア・グリーンズ」

ベジタリアン、ヴィーガン(完全菜食主義)料理は、最近テレビや雑誌でも取り上げられることが多くなってきており、アレルギーや花粉症などの体質改善にも効果が期待されているそうです。


今回は特別に、ランチではなく、ディナーバージョンとして
再度、ご紹介させていただきたく思います。


それでは先日お邪魔した際の様子で
しばしお付き合いくださいませ。

Brookling Lager : 800 yen

まずは
ブルックリンビールで乾杯!

ん?
アルコール?
健康志向は どこいった?のツッコミはご容赦くださいませ。

Minestrone : 550 yen

たっぷり野菜のヒヨコマメ入りミネストローネと、
奥には三浦野菜の温野菜サラダ


Falafel Plate : 1500 yen

自家製ファラフェルプレート
ファラフェルとはイスラエル発祥の、ヒヨコマメを使ったコロッケ。
これをピタブレッドに挟んで食べると…… 
おぉ一!中東~!


パスタ、ドン!

Pasta specialita : 1600 yen


オムライスもドン!!

Omelette rice with Demi-glace sauce : 1500 yen



そして
この日一番感動したのがこちらのデザート

Mont-Blan : 750 yen

ヴィーガン対応のモンブラン

左:栗と南瓜
右:紫イモと洋梨

考えてみてください
卵やバターを一切使用しないで
一体どうやって作るのでしょうか?


特におすすめは左の「栗と南瓜」
甘さ控えめなのに、
中は濃厚なチョコレートクリーム。

この “世にも不思議なモンブラン” を
是非お試しあれ~!


海外ミュージシャンには
ベジタリアン食を実践している人は多く存在するようで、
マドンナやポールマッカートニー
ブライアンアダムス
Jay-Z・ビヨンセ夫婦など

健康はもちろん、
美容や環境、動物愛護の観点からも
このベジタリアン料理を取り入れる人は多くなっています。


毎日は無理!!
でも……

昨日飲みすぎた~  
日々の不摂生、デトックスしたい~
ヘルシーな食材を取り入れて気分転換したいな~

という時はありませんか?

中にはカウンター7席、テーブルやソファ席も並んでいます。
屋外はテラスになっており、1人でも、大勢でも、気軽に入れるお店。

野菜だけでは、物足りない方
ご安心ください。
スペアリブや、ステーキのご用意もあります。




お会計の際に
「ステップのメルマガを見ました!」
と言ってみると
何か嬉しいサービスがあるかも!?


みなさまが
5月病知らずの健康な毎日を送れますように……

●「EAT MORE GREENS」(イート・モア・グリーンズ) 麻布十番店●

【住所】東京都港区麻布十番2-2-5 フレンシア麻布十番サウス1F
麻布十番駅4番出口より徒歩5分(4番出口より146m)
【TEL】050-5868-9503 (予約はディナーのみ)
【営業時間】
[morning] 8:30~11:30 ※土日祝のみ
[lunch time & café time] 11:30~18:00 ※lunchラストオーダー17:00
[dinner time] 18:00~23:00 ※dinnerラストオーダー22:00
【定休日】年末年始

(山中)

【MUSIC】バレーボウイズ、京都界隈のあれこれ vol.3

こんにちは。メディアコミュニケーション部の杉本です。
気がつけば大型連休…。今年は10連休という方もいるとか。
ですが曜日単位で仕事をしているラジオ班にとっては、
全くもってどこ吹く風…。(いつものことながら)

さて勝手にシリーズ化していますブログの3回目。
京都在住のバンド「バレーボウイズ」をはじめ、
京都界隈のバンド・ミュージシャンをご紹介しています。

まずは「バレーボウイズ」
4月3日にmini album『青い』がリリースとなっています。

京都精華大学で出会ったバンド経験のないメンバーが、
学園祭に出演するために結成したという
学生ノリ満載の結成エピソードから早4年ほど。
あれよあれよと月日が経ち、今回リリースとなった『青い』も、
胸を打つメロディ、口ずさみたくなるフレーズ、
ニヤッとしてしまう「あの」感じはそのままに、
よりパワーアップしたバンドサウンド、
歌心あふれる楽曲たちが収録されています。

最新ミュージックビデオ「渚をドライブ」

NHK連続テレビ小説「まんぷく」に出演していた
女優の小川紗良さん出演!

音源ももちろん素晴らしかったのですが。
個人的には先日京都で行われたレコ発ライブに参加し、
それはもう…感動しました。
彼らのライブを見てこんなに感動することがあるなんて!!
(失礼な話ですが、本人たちにもちゃんと感想として言いました笑)

思えば割と初期の段階から彼らのライブを見ていた方だと思うのですが、
良くも悪くも学生バンドの延長線上にある感じが抜けず、
そこが彼らの良いところだと思う反面、ネックにも感じていました。

それがこないだのライブでは良い具合にブラッシュアップされ、
良い緊張感、研ぎ澄まされた集中力のもと、
素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
きっとこれからも目覚ましい成長を遂げ、
ステキな音楽を届けてくれることでしょう!
改めて、バレーボウイズの今後の活躍にご注目ください!!

バレーボウイズ『青い処』ツアー
5月9日(木)愛知・池下CLUB UPSET
5月12日(日)大阪・LIVE HOUSE Pangea
5月18日(土)東京・新代田FEVER

オフィシャルサイト
http://volleyboys.kyoto/

続いてご紹介するのは「ラッキーオールドサン」。
篠原良彰さんとナナさんによる男女デュオで、
4月17日に3作目のアルバム『旅するギター』を発表したばかり。
この作品のリリースを前に、お二人は結婚し、東京を拠点にした活動を終えて
篠原さんの地元・徳島に移住。

で、そんな彼らと京都、何の関係が!?と思われることと思いますが、
その前に彼らの1作目のアルバムから超名曲「ミッドナイト・バス」の
ミュージックビデオをご覧ください!!

さて東京を拠点に活動していた彼ら、
実は今回のアルバムは京都にある老舗レコーディングスタジオ
「マザーシップスタジオ」で録音されました。

このスタジオは京都のミュージシャンだけでなく、
全国で活躍するミュージシャンなども利用しており、
オーナーのラリー藤本さんは、「CHAINS」というロックバンドのベーシストでもあります。

そのマザーシップスタジオで、
ラッキーオールドサンの2人と、東京からサポートメンバー、
さらに京都のバンド「本日休演」のギター岩出拓十郎さんと、
「渚のベートーベンズ」ドラムで、シンガーソングライターでもある西村中毒さんが
レコーディングに参加しています。(ライブもこのメンバーで行っているようです)

ナナさんの瑞々しく透き通った歌声、
どこか懐かしいメロディ、オルタナ感あふれるバンドサウンド。
胸の奥をそっとくすぐるこの感じ…。たまりません…。

最近公開された「とつとつ」のミュージックビデオもどうぞ。

ラッキーオールドサン 3rd full album release tour『旅するギター』

5月5日(日)名古屋 K.D JAPON
5月25日(土)誰も知らない劇場(旧 仙台・桜井薬局セントラルホール)
5月26日(日)高崎WOAL
6月29日(土)松本 Give me little more.
6月30日(日)宇都宮 HELLO DOLLY
7月15日(月・祝)京都・磔磔
8月11日(日)東京 WWW

オフィシャルサイト
https://luckyoldsun2013.tumblr.com/

それでは皆様、ステキな音楽と共に、楽しい連休をお過ごしください!!

(スギモト)

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 May 2019

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

             

 

次々と偉大な才能が世を去るニュースが届けられる中、先日はまた、アメリカの一時代を代表するアイコンの一人が世を去りました。映画「二人でお茶を」、「知りすぎていた男」などで有名な大女優ドリス・デイです。彼女は既に1974年に引退を表明し、その後は表舞台に出る機会も非常に限られていましたので、既に死去していると思っていた人も多かったようですし、その存在・功績に対して死亡記事は小さかったと言えます。

 ほとんどの記事は“映画女優ドリス・デイ”の死去を伝えるものでしたが、実は彼女はれっきとしたジャズ・シンガーであり、引退後は動物愛護運動に心血を注いだ人でした。彼女の実質的なデビューは18歳、「センチメンタル・ジャーニー」の大ヒット曲で知られるビッグバンド、レス・ブラウン楽団の専属歌手に起用された時であり、その大ヒット曲を歌ったのが他ならぬドリス・デイであったわけです。その後もシンガーとして、また映画女優として映画劇中において、素晴らしい歌声を聴かせてくれましたが(映画「知りすぎていた男」の劇中で歌った「ケ・エラ・セラ」はあまりにも有名ですね)、こちらも先日亡くなった名指揮者でありジャズ・ピアニストであったアンドレ・プレヴィンのトリオとレコーディングした粋なジャズ・アルバムも残しています。

 彼女は当時、ハリウッドにおいて“隣りの女の子”または“全ての男性が結婚すべき女性”というイメージで大人気を博し、マリリン・モンローやエリザベス・テイラーなどとは異なるスター像を生み出したと言えますが、シンガーとしても暖かな歌声と繊細なヴィブラートと飾らない素直な表現で、白人女性ジャズ・ボーカルの一つのスタイルを築いたとも言えますし、当時若きポール・マッカートニーやポール・サイモンなどが彼女の歌声と存在に憧れたということもよく知られています。

 などと書くと、まるで50~60年代当時を知っているように思われるかもしれませんが、私にとってドリス・デイはリアル・タイムではなく、私の両親が彼女のファンであったことで知っていたくらいで、随分と後になって、私自身が取り組む動物愛護運動の先駆者・大先輩として彼女を改めて知った次第なのです。これも後になって知ったことですが、彼女は女優時代から“ビヴァリー・ヒルズの野犬捕獲員”としても知られていたそうで、近所で捨てられ野放しになっていた犬猫を拾ってきては自宅で世話をしていたとのことで、彼女の豪邸には常に無数の犬猫がいたと言われています。  

 そうした動物への愛着が結果的に女優/シンガーとしての仕事への情熱を上回ることになり、彼女は「ドリス・デイ動物基金」という非営利団体を設立し、動物への虐待に対する活動を展開していきます。現在は当然のこととされている飼い犬・飼い猫の去勢・避妊手術は彼女の功績の一つとしてアメリカでは知られていますし、現在は廃止のための法制定が進んでいる化粧品開発のための動物実験や、悪質なペット販売、食肉のための馬の輸出などに関しても彼女は先駆的な活動家であり功績者でした。

 そうした活動にも関わらず、彼女の死に対する他の動物愛護団体からの追悼が少なかったのは少々寂しいところですが、自分の夢を実現させ、自分の信念を貫き、多大な功績を残して97歳の生涯を静かにひっそりと閉じたドリス・デイの人生は、私にとってもやはり憧れであると言えます。

 

 

トピック:AIは音楽業界に大変革をもたらすか(後編)

 

 前回は、「音楽というものが人間の感情表現を基盤としつつも、その作編曲の手法自体はしっかりとしたセオリーに基づいている」という考え方に対する“異論”として、ジャズにおける例をいくつか紹介しましたが、そうした例はジャズに限らず、ロックにおいてもたくさんあります。

 特にロックにおいては、“展開予想不可能”な意外性や“躁鬱気質的”な展開の他に、厳密に言えばミス/間違いとも言えるファジーさ・いい加減さが、ある種の“驚き”や“ショック”、またはロックならではの“ワイルドさ”や“過激さ”を生み出す大きな要素になっていると言えます。

 AIがこうした要素を生み出せないかというと決してそうではありませんが、それは解析/認識/学習に基づいた意図的・意識的なものであって、“アクシデント”によるものではありません。

 この“アクシデント”というのが、実は音楽においては重要な要素ともいえるわけですが、この“アクシデント”をあたかも本当のアクシデントのようにAIが生み出すことは、“技術的には”可能であるそうです。しかし、それを受け取る(聴き取る)人間がどう感じるかは人によって異なるところですし、技術のみをもって実現可能と言いきることはできないと思われます。

 

 さて、それでは前回の続編となる今回の本題に入っていきましょう。

 まず前回、音楽分野の中でも作編曲という作業自体がAIに向いており、自動化も容易である、という意見や解釈を紹介しましたが、これは私達にとって身近な、明確なテーマやコンセプトを持った業務目的の音楽制作については特に顕著であるとされています。

 つまり、クライアントやディレクター、プロデューサーが求める音楽を、AIはより的確且つ迅速に提供することがき、しかも結果的には安価で入手したり制作したりすることが可能になるというわけです。

 

 それでは実際に、近い将来(10年も先の話ではないかもしれません)における音楽制作会社の制作業務というものを少しイメージしてみましょう。

 例えばCM音楽制作においては、クライアント/代理店/制作会社の関係や仕事の進め方というのは、その準備段階または最初の段階においてはそれ程変らないと思われます。

 つまり、ミーティングは引き続き従来通り行われ、制作プロジェクトの方針や方向性、内容やコンセプトについて話し合いがなされていくわけですが、異なる点はそこに常にAIとAIシステムに入力(学習)させるオペレーターが存在して、得られた意見や情報、まとまった意見や情報を随時AIに供給して学習させていくことになります。

 そして最も大きな変化はそこから先で、これまでのような音源のリサーチや検索、そしてメインの制作・編集(レコーディング、エディットなど)は全てAI中心になるという点です。

 その結果、それらのためのプロダクションはこれまで行われてきた形では不要となり、基本的に作編曲者もミュージシャンもエンジニアも必要無くなる、または“人間主導”ではなくなるわけです。

 

 例えば近未来の音楽制作会社には、ミーティング・ルームとエンジニア・ルームの二つしか必要無くなり、その両方がAIによって制御・管理されることになります。

 エンジニア・ルームはこれまでのミキシング・ルームやエディティング・ルームを含むレコーディング・スタジオと同じ機能を持つことになりますが、そこで仕事をする人間はAIへの情報・データ供給とAIによる“制作”作業を“アシストする”オペレーターであって、メインのオペレーターでもなければエンジニアでもありません。

 つまり、人間にはクリエイティヴィティは不要とされ、事務能力に近いオペレーション能力の高さが要求されるわけです。

 

 しかも、AIの“制作”作業はある段階(具体的には情報供給後)からは人間のアシストも必要としなくなります。

 これは、いわゆるディープ・ラーニング(Deep Learning=深層学習)というもので、AIが学習したデータを自動的に“識別”し、要求されるベストな音源を自動的に“抽出”していく、というもので、従来の機械の学習に必要であった人間による定義付け(つまり、何に着目して識別/抽出すればよいかのガイドライン)は必要なく、AIが自分自身で学習していくわけです。

 このディープ・ラーニングという新技術が、これまでのコンピュータも含めた機械の学習能力から飛躍的に進歩しているところで、人間にとっては一層の脅威となります。

 例えば、人間は犬と猫の違いは容易に見分けることができますが、犬と狼の赤ん坊や、猫とライオンの赤ん坊の違いを見た目ですぐに判断することは難しいと言えます。ですが、AIはディープ・ラーニングによって非常に細かい部分まで画像を識別/認識できるため、その違いを容易に判断できるというわけです。

 

 これは画像のみならず音声に関しても同様で、AIはクライアントやディレクターの希望にマッチするサンプル音声(音楽)を簡単に素早く、且つ的確に提示してくれるので、クオリティは上がり、時間の短縮にもなりますし、特に文字や言葉では表しにくかった音楽という分野においては非常に高い効果が望めることになります。

 つまりこれまで、「こんな感じ/あんな感じ」という曖昧な形でしか表現できなかった部分が、AIによるディープ・ラ-ニングによって驚くほどクリアになりますし、選択・起用した作編曲家やミュージシャンの結果に満足できなかったり、何か物足りなさや食い違いがあったりすることが、圧倒的に減っていきます。

 

 例えば、“誰それのような音楽/演奏”を求めたときに、AIは前回ご紹介した「バッハAI Doodle」のごとく、いかなる音型パターンにおいても“誰それそのもの”の音楽/演奏を生み出せてしまうわけです。

 もちろん、これには著作権という問題も関わってきます。現状、AIが生み出す音楽には著作権は発生しないとされているため、今後AI制作物の著作権に関するガイドライン作りも急務となってくると思われますが、技術としてはもうそこまで来ていることは確かです。

 

 更に前述の制作業務の話に戻しますと、もう一つこれまでと画期的に異なる点は、エンジニア・ルームには脳波測定装置があり、これもAIによって制御・管理され、AIが作り出した音源や映像をプレイバック/プレビューし、それらに反応するクライアントやディレクター達の脳波を測定して読み取り、“最も理想的な”または“最も満足し得る”音源に修正して完成させることが可能になる、というわけです。

 

 皆さんはこんな光景をどう思われるでしょうか? こんなプロダクションに満足できますか? 私は絶対にできませんが(笑)、そんな人間の憂慮や抵抗などには同情も容赦もせず、AIの研究・開発は恐るべきスピードで日夜進められていると言えます。

 ウルトラ警備隊の腕時計型テレビ電話や、SF映画ではお馴染みの液晶タッチ・パネルや空中3次元ディスプレイでさえも既に現実化している今、「いやいや、未来の絵空事だ」などと抵抗(?)する余裕は、残念ながら私達には既に残されていないと言えます。

 

 AIの凄いところ、または恐ろしいところは、修練や専門知識や豊かな経験を持った人間を必要としないところです。つまり人間は考えたり悩んだりすることなく、AIに任せてAIがより良い仕事ができるよう見守りさえすれば、誰でも音楽を創造(というよりも“生成”と言うのが的確かもしれません)できるというわけです。

 AIを利用することで、経験者や熟練者、専門家に限らず“誰でも”短時間で音楽を生み出すことができるのは、ある意味で素晴らしいことかもしれません。特に子供やアマチュアの音楽愛好家というレベルにおける音楽マーケットの拡大には非常に大きな効果があるでしょう。また、心身両面での医療現場においてもAI音楽の果たす(果たせる)役割は極めて大きいと言えるでしょう。

 アメリカにおいても、マスメディアの大勢はAIの登場・普及に好意的ですし、音楽業界も大きく進歩・発展していくであろうと予想・楽観視しています。しかし、本当にそうなのでしょうか。そもそも、修練や専門知識や経験に価値を見出せない世界における進歩・発展とは何なのでしょうか。

 

 私たちはこの問題を考えるとき、音楽や音楽制作、音楽産業・音楽業界というものを十把一絡(じっぱひとからげ)にして考えてはならないことが大事であると思います。  

 ご存知のように、音楽には純粋にアーティスティックな部分と、商業・産業的な部分、そして教育的な部分など様々な分野/側面が存在します。それぞれにはそれぞれの目標や目的、価値観や倫理観といったものが存在しますので、大切なのはこのAIという“新種の知能”を、各分野がどのように、どの程度取り入れるべきか、ということをしっかりと考えていかなければならないことであると思います。そうでないと、その結末は本当にアーサー・C・クラークの小説の世界(特に「2001年宇宙の旅」の「Hal 9000」のごとく)のようになりかねません。

 

 マスメディアは正に“マス”(Mass Communication=大量/大衆伝達)でありますし、大衆の興味を集め、大勢の動きを扇動することに傾きがちで、取り扱う案件の当事者・当該組織・業界のこの先に対する責任を負っていません。つまり、そうした責任を負っているのはマスコミや一般大衆ではなく“私達自身”であり、私達音楽人(アーティストも音楽業界人も音楽教育関係者も全て含めた“音楽”に携わる人間)こそがこの問題について、自分達自身の問題プラス将来を担う世代の問題として対応・対処していかなければならないと思います。

 

 前述の話と重複する部分もありますが、メロディやハーモニーの変動を数値化してAIにディープ・ラーニングさせ、それらを反映させることにより、生み出された音楽によって聴く人間の感情の起伏をコントロールすることは可能である、とのことです。

 したがって、音楽を聴く人間にどのように感じさせたいのか、またはどのような感情を引き起こすために聴かせたい音楽か、というコンセプトを明確にできれば、音楽の基本となるあらゆる要素(メロディー、スケ-ル、コード/ハーモニー、リズムなど)はAIによって作成可能となる、とのことです。  

 しかし、特定の音楽療法・医療などを除いて、聴く側の感情を制御・強制するような音楽というのは、音楽のあるべき姿とは言えないのではないでしょうか。音楽は聴く人によって感想や印象、好みも影響力も異なる、という“グレー”なところが音楽の面白さでもあり素晴らしさとも言えるのではないでしょうか。

 つまり、音楽は生み出す側の意図通りに聴く必要は無く、聴く側の自由意志に尊重される、ということが音楽の“フリーダム”である。そんな確信を益々強く持つ今日この頃です。

 
 

【After Word】素敵なS山さん

風薫る5月、若葉が眩しい季節です。 瑞々しい新緑は見ていて心洗われますね。

 

ステップ東京オフィスの廊下やロビーにもグリーンがあります。
来て頂いたお客様に少しでも和んで頂ければと観葉植物を設置しており
定期的なメンテナンスは、プロの方にお願いしております。

ロビーのグリーンたち

その、メンテナンススタッフのS山さんがとにかく素敵な方で、
わたくし個人的にファンなのであります。 ちょっと猫背の大きな身体、
優しい笑顔の小さいお目目、そう、ゆるキャラなのです。


 以前、丁寧に葉を一枚一枚濡れタオルでふき取っておられたので
「いつも拭いてくださってるんですか?」とお聞きしたら
「植物は葉の裏側から呼吸するので、ほこりを取っておくと元気になりますよ」と
教えてくださいました。

知らなかった~。なんて優しいS山さん

毎月頂くリーフレットにはスタッフの方の情報が載っていますが
それによるとS山さんはおじい様が庭師で幼いころから自然が大好き。 
趣味はサイクリング、観葉植物や熱帯魚を育てること。
挑戦したい事は「アンガーマネジメント」

??アンガー(怒り)のマネジメント(管理)??

えっ、怒ることもあるんだ。気を付けよう・・


とにもかくにも、清涼な空気で皆様をお迎えいたしますので
今後ともステップをご愛顧のほどよろしくお願いします。                
            
             (フクイ)

 

今月のメルマガ、いかがでしたでしょうか?

次回の配信は6月初旬の予定です。

お問い合わせ、配信停止希望はコチラ≫≫≫      

【STEP INFO】4月に入りました!

4月に入りました!!皆さま、いかがお過ごしでしょうか??
今月は 大阪スタッフよりお届けしますー 。

気温もずいぶん暖かくなり、お花見の季節になりましたね~♪
私も毎年、造幣局の桜並木を桜宮橋から眺めています。
桜の下でワイワイ♪ワイワイ♪したいですね!

ちなみに皆さん!お花見をしていると桜の葉っぱが落ちている事に
気が付きましたか??実はあの葉っぱには毒があるんです!!
クマリンという成分が含まれています。
(名前は可愛いのになぁ…)


なぜ葉っぱに毒があるのか?
雨の日に葉が落ちることで木の周りに毒をまき、雑草が育つことを防ぎ、
地面の栄養分を木に蓄える役割があるそうです。
綺麗な桜もなかなか棘がありますね…。

ちなみに桜餅を巻いている葉っぱにも毒は含まれているそうですが、
ごく少量なので食べても全く問題ないそうです!!

桜の豆知識はここまでにしといて、
今月もステップメルマガ4月号スタートです!!

(稲垣)

【MUSIC】眉村ちあき

かなり久々に担当しますラジオ制作チームの門脇です。
毎年様々なアーティストに出会いますが、
このアーティストはいろんな意味でぶっとんでいます!!
ご存知の方もおられると思いますが…「眉村ちあき」です。

弾き語りトラックメイカーアイドル。
そして22歳にして「株式会社 会社じゃないもん」代表取締役社長でもあります!!
ユーモアのあるサンプリング、トラックメイクの技術はもちろん、 自由奔放なキャラクターが1番の印象!!

LIVEもぶっとんでいます!!
小道具を使ったり、お客さんの上にダイブしたり、
大好きなおじさんをとにかくいじりまくる!!
(おじさんはそれをとても喜んでいる様子です。)
この時代には珍しい!!

そのほか、路上ライブからファンとハンカチ落としを一緒にしたり、
一般人の弟であるリュウタロウのために「リュウタロウ生誕祭」というLIVEイベントをしたり…

最近は、ソフトバンクや缶コーヒー『ジョージア』のCMに出演したりと
活動の幅を広げています。

若干22歳の彼女がこの先どんなことをやってくれるのか、
一ファンとして注目しております!!

(門脇)

【Shop in Tenma】 天ぷら 市

今回紹介されていただくお店は「天ぷら 市」。はじめて行かせていただくお店です。
場所は、ステップを出て天神橋筋商店街に入って左折。240mほど南下したところ右手にあります。

上司と同い年の先輩(年齢は同じで入社がボクより早い)の3人で行きました。

上司は、天ぷら定食/850円
同い年の先輩は、天ぷらうどんとかやく御飯定食/850円
ボクは、天丼定食/850円

せっかくなのでたくさんのメニューを紹介ということで各々別のメニューを注文。
本当は、ボクも天ぷらうどんとかやく御飯定食にしたかったのですが、同い年の先輩が注文したので今回は我慢。

注文した3つの他にお昼のメニューは、
 ・平日限定!! 日替り定食/850円
 ・市 御膳/1,150円
 ・特上天ぷら定食/1,500円
などがあります。
定食の白ごはんをかやく御飯変更出来たり(+50円)、ミニ天ぷら追加(+200)、海老の天ぷら・1本追加(+100)などトッピングもいろいろ。うどんをそばに変更したりも出来ます。

まずは、上司が注文した「天ぷら定食」

続いて、本当はボクが注文したかった「天ぷらうどんとかやく御飯定食」

最後にボクが注文した「天丼定食」

注文した各メニューに言えることですが、思っていたよりに天ぷらの種類が多く、小鉢的なのも付いててこれで850円はお値打ち。

美味しくいただいてるところにお上品そうな老夫婦が来店。
迷わず特上天ぷら定食/1,500円ふたつをご注文。
しばらくして特上天ぷら定食/1,500円がその老夫婦のテーブルへ。
すると上司から「(特上天ぷら定食の)写真撮ってこい」とパワハラまがいの指令が・・・。

さすがに「無理っす・・・」ということで次回来る日までに積立して特上天ぷら定食/1,500円を注文したいと思います。

【天ぷら 市】
 [住所]  大阪市北区天神橋3-7-26
 [TEL]  050-5593-7655
 [平日]  11:00~15:00/17:00~22:00(L.O.22:00)
 [土日祝] 11:00~15:00/17:00~22:30(L.O.22:00)
 [定休日] 無休

【I LOVE NY】月刊紐育音楽通信 April 2019

Sam Kawa(サム・カワ) 1980年代より自分自身の音楽活動と共に、音楽教則ソフトの企画・制作、音楽アーティストのマネージメント、音楽&映像プロダクションの企画・制作並びにコーディネーション、音楽分野の連載コラムやインタビュー記事の執筆などに携わる。 2008年からはゴスペル教会のチャーチ・ミュージシャン(サックス)/音楽監督も務めると共に、メタル・ベーシストとしても活動中。 最も敬愛する音楽はJ.S.バッハ。ヴィーガンであり動物愛護運動活動家でもある。

(本記事は弊社のニューヨーク支社のSam Kawaより本場の情報をお届けしています)

 ニューヨークの狭いアパートに住んでいますと、中々大型のオーディオ・システムで音楽を楽しむというわけにはいきません。結果的に、近年主流のブックシェルフ・タイプのスピーカー(現在主流のスピーカーはスマート・スピーカーとなりますが)ということになるのですが、長年親しんできたヤマハのモニター・スピーカーNS-10Mの音に最近は何故か物足りなさというか、ある種の“疲れ”のようなものも感じ、何か趣向の異なるサウンドを求めるようになりました。

 演奏においてはゴスペルとヘヴィ・メタルという非常に激しい音楽を常にプレイしている私ですが、自宅で聴く音楽はもっぱらクラシック音楽と、昔のカントリー音楽やR&Bやジャズ・ボーカル、ブラジル音楽といったところが中心となり、試聴頻度の点で断トツなのは何と言ってもJ.S.バッハとなります。特に宗教音楽系のカンタータやモテットなどは毎日一度は聴いていると言えますし、日曜日のゴスペル教会での演奏の前には常にバッハのロ短調ミサ曲を聴いてから礼拝に望んでいるのですが、そんな自分がたどり着いたスピーカーがTANNOY(タンノイ)でした。

 私のような1970年代のオーディオ・ブームの中で育った人間にとっては、やはりTANNOYとJBL(更には、JBLを創設したジェイムズ・B・ランシングが一時身売りしたアルテック)というのはある種双璧・二大巨頭であり、また憧れのスピーカーでもありました。まあ、最近のブックシェルフ・タイプのスピーカーに、かつての本格型スピーカーのようなクオリティを求めることはできませんが、それでも手に入れたTANNOYには音の“温かみ”や“深み”が感じられ、もっと感覚的に言うならば、独特の“音の香り”がしました。音域・音質的に言えば中低域の柔らかな膨らみ、とも言え、更に具体的に言うと、バッハの通奏低音、特にチェロやチェンバロの低音部の響きは格段に違いました。

 当時(今も?)は、TANNOYはクラシック、JBLはジャズと言われていました。確かにそれぞれのサウンドの方向性はそうした音楽にフィットしていた(している)のは確かであると言えますが、当時よく言われていた「TANNOYでジャズを聴くのは邪道」などという評価には首を傾げたくなります。これも最近のブックシェルフ・タイプですと、そうした対比も薄らいできているとは思いますが、要は自分の耳が何を、どういう音・サウンドを求めているかであると思いますし、実際に私の耳には小さなTANNOYのスピーカーから流れるジャズもとても心地良いものに感じられました。

 「原音再生」または「原音に忠実」という言葉もよく聞かれましたが、そもそもアナログ電気信号またはデジタル信号に変換された音情報のメディア再生を経て、再生機から伝わる信号を物理振動に変換させたスピーカーの音が生の声や楽器の響きと全く同じ“原音”のままであるわけはありません。ジェイムズ・B・ランシング(JBL)も、ガイ・ルパート・ファウンテン(TANNOY)も、彼らのスピーカー作りの過程においては彼等ならではの音に対する思いや理想、そして“心地良さ”があったわけですし、それらが彼らが生み出したスピーカーの音の“クセ”にもなっていたわけです。よって、好き嫌い・良し悪しというのは、私たちがそんな彼等のこだわりの音と“共鳴”できるか次第なのではないでしょうか。

トピック:「AIは音楽業界に大変革をもたらすか」 

 Googleの検索ページの​デザインは、祝日や記念日などに​合わせて​デザイン​が変ることは皆さんもよくご存知であると思います。これは正しくは​Google Doodleと呼ばれるもので、ドゥードゥルというのは「いたずら書き」の意味ですが、実際の​Google Doodleについてはいたずら書きというような些細なものではなく、重要な人物や業績について再認識したり新発見できる大変意義のあるものであると言えます。

 このGoogle Doodleは、使用している言語によって表示内容も異なり、またカスタマイズもできるわけですが、私自身は何もカスタマイズせず、単に英語版のGoogle Doodleによって届く情報を日々楽しんでいると言えます。​

 英語版と言っても紹介内容は極めてグローバルですので、日本人・日系人も意外と多く、最近ですと​、点字ブロックを考案・普及させた三宅​精一、日系人強制収容所の不当性を訴えてアメリカ国家と裁判闘争を行ったフレッド・コレマツ、日系人の人権運動家としてマルコムXとも連帯・共闘したユリ・コウチヤマ、カップ・ヌードルの開発者で日清食品の創業者である安藤百福(ももふく)、水彩画の絵本や挿絵で知られるいわさきちひろ、日本が誇る国際的オペラ歌手の先駆である三浦環(たまき)、アンテナの発明者である科学者・実業家の八木秀次(ひでつぐ)、ウルトラマンでお馴染みの円谷英二、江戸時代の国学者でヘレン・ケラーが敬愛し続けた塙保己一(はなわ・ほきいち)、日本画の技法を取り入れた油彩画でヨーロッパ画壇において絶賛を浴びた“フランスの画家”である藤田嗣治(つぐはる。またはレオナール・フジタ)、統計解析の先駆でモデル選択の標準的手法となる独自の情報量基準(AIC)を世に広めた赤池弘次など、教科書では教えないような、また日本人でも見過ごしがちな、真にグローバルな偉大な才能を紹介し続けていますし、音楽/アート系では美空ひばりやデザイナーの石岡瑛子なども登場しています。

 そんな興味深いGoogle Doodleが去る3月21日、J.S.バッハのセレブレーションを行いました。3月21日はバッハの誕生日ですが、これは正確にはユリウス暦(シーザー、つまりカエサルが制定したローマ暦)での話で、現在の西暦にすると3月31日であったと言われています。バッハが生まれたのは1685年ですから、今年は324周年ということで、それほど節目の年というわけでもありませんが、実は今回のGoogle Doodleにおけるバッハ・セレブレーションは、バッハその人というよりもバッハの音楽を最新のテクノロジーに変換してわかりやすく楽しく紹介したものと言えました。

 通常、Google Doodleは紹介する人物やテーマのデザインをクリックすると、その人物やテーマに関する紹介ページに飛んで、テキストやYouTube映像などが楽しめるようになっていますが、今回の場合はバッハのアレンジ法を気軽に楽しめるソフトがローディングできるようになっています。そのコンテンツ自体は至ってシンプルなものですが、そのソフトのプログラミング自体は中々革新的であると言えます。

 簡単に言いますと、自分自身で好きなメロディを2小節(4分音符計8音)入力すると、千曲を越えるバッハの作品群の中から306曲を分析したAIが4声にハーモナイズしてくれるというもので、しかも入力するごとに毎回異なるハーモナイズを行ってくれというものです。

 また、ハーモナイズといっても単に入力した8音に対する和声の組み合わせではなく、バッハならではの通奏低音によるハーモナイズを基礎とした対位法的ポリフォニーと和声的ホモフォニーを、たった2小節の中で垣間見せてくれる点も非常によくできたものであると言えました。よって、どんな音符を入力してもバッハの曲に聞え、例え入力したメロディが旋律的・コード進行的に違和感のあるものであってもバッハ的なサウンドに“つじつま合わせ”をしてしまう、という中々の優れものであるのです。
しかも、MIDIで自分のコンピュータとリンクさせて自分の曲作りにも利用できるというわけで、これはAIを利用したアレンジや曲作りの初歩中の初歩でありながらも、AIによる音楽制作というものを実にしっかりと体験させてくれるものと言えました。

 今回のこのGoogleによる「バッハAI Doodle」は、同社のAI機械学習機能探求のためのリサーチ・プロジェクトであるマジェンタ(Magenta)というチームと、​その学習機能をWEBブラウザー上で実際に活用するためのプロジェクトである同社のPAIRというチームの共同作業によって実現したものであるとのことですが、前者のマジェンタで今回のGoogle Doodleの目玉とも言うべき「ココネット」(Coconet)というAIモデルの開発に携わった中心人物はアンナ・フアンという中国系アメリカ人女性とのことです。(その他にも、GoogleのAIプロジェクトには多数の中国系アメリカ人が携わっています)

 そもそも音楽におけるAIモデルは、​ハリウッドの映画音楽作曲家であるドリュー・シルヴァースタインが設立したAmperによる「Amper Music」が、AIを利用した音楽サービスの先駆の一つでもあったわけですが、そこに“音楽の専門知識が無くても短時間で作編曲を楽しむことができるサービス”を提供した今回のGoogle Doodleの成果は非常に大きいと言われていますし、今回の場合は特に、巨匠音楽家の作品を“真似た”作編曲が可能というのが特徴と言えます。

 現在AIモデルには、上記以外にもSONYコンピュータ・サイエンス研究所​によるAIソフト、「Flow Machines」を始め、様々な企業、機関、大学などにおいて研究・開発が進められていますが、そもそもはAIは、これまで既に機械によるオートメーション化やコンピュータ制御などによって管理されてきた様々な生産業やサービス業などで、より人間感覚に近く、且つ信頼できる高度な作業が可能になることが注目されてきました。例えばつい先日、マクドナルドがイスラエルのIT企業を買収し、本格的にAIを取り入れていくことを発表しましたが、食品産業の動きも非常に活発であると言えます。

 近い将来、AIが人類の知能を超えることは間違いないと言われてきましたが、そうした中で創造的な能力を要する分野に関しては、AIが人間の代用となる、または人間を超えることは不可能であろうとも言われてきました。しかし最近、アートやエンターテインメンといった創造性が要求される分野においてもAI研究は驚くべきスピードで進み、大きな成果を生み出してきているのは見逃せない事実でもあります。

 アート、エンターテインメント系の中でも特に音楽分野については、ある意味で作編曲という作業自体がAIに向いており、自動化も容易である、という意見や解釈があります。これは、音楽というものが人間の感情表現を基盤としつつも、その作編曲の手法自体はしっかりとしたセオリーに基づいている、というのがその根拠でもあるます。

 音楽は通常、メロディ(旋律)、スケール(調)、コードまたはハーモニー(和音)という3つの要素によって構成されていると解釈されており、そこにリズム(拍)が加わり、その要素・構成はある意味で“階層化”されていると共に、相対的な関係性を持っていると言えるわけです。例えば、メロディが決まればスケールやコード進行が導き出され、それらとの関係によってリズムも決められていきます(または、その逆もしかりです)。つまり、それらの各要素と関係性には全てセオリーがあり、人類が音楽を生み出して以来、“音楽的なパターン”というものはダーウィンの進化論のごとく、変化・分化・進化し、自然淘汰または自然選択されるがごとく適応され、蓄積されてきたと言えるわけですので、それらをデータ化・自動化するのは技術的には可能である、というわけです。

 音楽には感情、気分、ムードというものがありますが、そういった要素と実際の音楽的手法となるコードやメロディーやハーモニーやリズムとの対比・関係性についても、過去のデータが膨大に残されているわけです。したがって、人間のある一つの感情の動きを明確化した上でデータ(音)を入力していけば、感情と音の関係性についてのセオリー部分もAIによる実行は可能となりますし、微妙な感情の動きについてはそうした過去のデータのみならず、人間の脳波を実際に直接計測して推定することによってモデル化することも可能になってくる、というわけです。

 もちろんこれは一つの考察・論法であって、絶対的なものでもなければ100%正しいものというわけでもありません。例えば、「音楽というものが人間の感情表現を基盤としつつも、その作編曲の手法自体はしっかりとしたセオリーに基づいている」という考え方には異論もあります。例を挙げるならば、音楽を相関関係的に捉える考え方や音楽的手法に真っ向から反対し、ハーモニーとメロディとリズム、作曲者と演奏者、アンサンブルとソロなど、それらすべてにおける一定の相関関係や従属的関係を否定し、それぞれ個々が独立した自由で平等な絶対的存在としての共存を主張し続けたオーネット・コールマン提唱の「ハーモロディクス」などは、依然AIには分析・対応不可能なものであると言えますし、例えば音楽的気分が目まぐるしく変化し、その先の展開予想がつかないような音楽(例えば、自身の“躁鬱気質”を類稀な音楽アートに昇華させたチャールズ・ミンガスの音楽など)に関しては、AIは模倣・再現はできても、想像(イマジネーション)しながら創造することはできないと言えます。

 つまり現時点においては、AIはこれまでの経験値をもとにしているため、革新的で独創的な音楽、鳥肌が立つような未経験の感動や戦慄を生み出すような音楽をクリエイトすることは難しく(但しこれもこの先、AI研究開発がどう進んでいくかによっては未知数ですが)、いわゆるBGM的な、または聴きやすさ・心地良さ・リラックスといった明確な感情表現や心理状態を生み出し、充足させる音楽との相性がベストであると言えるようです。

 BGM的な音楽というのは、リラックスという人間の感情の中でも最も個体差が少なく、また、ある一定方向の心理状態に向けた人間の感情を引き起こすことを目的としているため、前述のように過去の膨大なデータを活用しやすく、また人間の脳を読み取ることにおいても、AIが人間の“リラックス度”を読み取りやすい、というわけです。
 そしてこれは、単にBGMに限らず、実は私達にとって身近である、明確なテーマやコンセプトを持った業務目的の音楽制作についても同様であると言えるようです。

というわけで、今回のテーマは長くなってしまいましたので、今月はここまでとし、次回は私達の仕事でもある“業務目的の音楽制作”におけるAIの発展と今後の可能性という身近で具体的な話題を中心にして進めていきたいと思います。。

【STEP INFO】新しい仲間

今年は東京では「雪が少ないな」と感じますが、いかがでしょうか。
3月に入り、忘れた頃の水分補給のように雨が振り続けていますので、
体調などには十分お気をつけくださいませ。

さて、まもなく新しい元号になり、フレッシュな気持ちになりつつも
どたばたしている、この繁忙期でありますが、
新しく仲間たちが入ってまいりましたので、
ご紹介したいと思います。

★総務部:森田凜花(写真右) → 新卒・ビューティフルボイス・ラーメン、肉好き

★制作部:山中彩音(写真左) → 名古屋生まれ・アイルランド育ち・梅干し、大根好き

個性あふれる、頼もしい仲間たちです。

精一杯お仕事尽力してまいりますので、
よろしくお願いいたします!

さて、3月号スタートです。

(ナルセ)

【MUSIC】88 rising

メディアコミュニケーション部の江渕です。

2回目の寄稿となります。今度こそ「MUSIC」、音楽の紹介です。

BTS、防弾少年団が全米チャートで1位を獲得するなど、

韓流を筆頭に欧米でもアジアの音楽が聴かれる事が珍しくなくなってきました。

そんな中、アジアのヒップホップがアメリカのシーンで注目を集めているようです。

その旗振り役となっているのが88 risingというレーベルです。

僕が88 risingを知るきっかけとなったのが、

中国発のヒップホップクルー、Higher Brothersのこの曲でした。

タイトルは「Made In China」、2017年のデビューアルバムからの1曲です。

オリエンタルな雰囲気やそれぞれのキャラも際立っていますが、

歌詞が面白い。

「彼女は嘘つきだ、彼女は全部メイドインチャイナ」。

痛快です。

2000年代に同じくアメリカのシーンで活躍した中国系ラッパーMC Jinは

フリースタイルバトルで

「俺が中国人だと言いたいんなら、思い出させてやるよ。

お前のTimberlandを見てみろ、

多分メイドインチャイナって書いてあるだろ?」と歌ったそうですが、

それに匹敵するパンチラインではないかと…

このHigher Brothersが所属しているのが88 risingです。

日系アメリカ人のショーン・ミヤシロによって2015年に設立されたそうです。

88 risingが注目を集めるきっかけとなったのが、

レーベルが2015年に発表したこの曲でした。

インドネシア人ラッパー、Rich BrianのDat $tickという曲です。

当時16歳の短パンにピンクのポロシャツを着たアジア人が

トラップのビートに乗せてギャングスタなラップを歌うという

ギャップがうけたようで、今では1.1億回再生を突破しています。

ここから88 risingはアジアのアーティストの曲を発表し続けていきます。

去年にはレーベル所属の大阪出身で日本人とオーストラリア人のハーフ、

Jojiがデビュー・アルバム『Ballads 1』がアジア人で初めて、

全米R&B・ヒップヒップチャートで1位を獲得する快挙も達成しています。

88 risingは今年1月、レーベルショーケースとして

東京、大阪で来日公演を行っていて、

日本のラッパーKOHHも参加し、大いに盛り上がったそうです。

(スケジュールが合わせられなくて行けず、涙)

こちらは去年の夏にリリースされたレーベルコンピからの1曲。

コンピレーションには以前、大和君が紹介していたタイのアーティスト

Phum Viphuritや日本からはm-floのVerbalも参加しています。

個人や国ではなく「アジア」というコミュニティで

欧米のシーンに殴り込みをかけた88 rising、

もっと新しい「アジア」の形を見せてくれるのではないかと

最近、興味深く観察しています。

願わくばこの波に日本のアーティストも乗れる事を願いながら。

(江渕)